2012年03月

「サムライベンチャーの流儀」

3月15日の出版以来、沢山の方に読んで頂いてで大変嬉しいです。
また様々な方から読後の感想を頂いておりますが、私自身の感想の
一部を簡単にまとめておきたいと思います。




著者の村岡先生ご自身も最も力を入れたと仰る、第5章の「サーモラング
物語、先見と決断が挫折を克服」が、この本のクライマックスである事に
異論はないと思います。

鉱山会社で超大手企業であった日鉄鉱業と、当時は現在とも較べようが
無い位の小企業であった当社が、創業者である隈利實が開発した
全熱交換器という画期的な省エネルギー機器の事業化を巡って、
協力を約束し、技術提携契約を結び、生産の為の合弁会社を設立し、
そしてその全てを解消するに至る1977年から81年までの
4年間の両社の攻防が赤裸々に描かれています。

これは「資本の論理」で考える大企業と、「技術の論理」を優先する
ベンチャー企業が真正面から組み合った典型的なケースであり、
そして当然の事ながらお互いの論理の違いを埋めるには至らず、
「資本の論理」の前にベンチャー企業が敗退した、80年代の
第一次ベンチャーブームの際に多く見られた事例の一つであるとも
解釈できます。

ただし他のベンチャーとの大きな違いは、当社の場合は日鉄鉱業との
提携失敗で諦めることなく、捲土重来を期して新たな技術に挑戦し、
復活を果たした事であると思います。勿論、当社の創業者達は
失敗から多くの事を学び、自社技術を磨く事を第一義に置きながら
「資本の論理」をも理解した上で、自主独立路線を貫く為に、自社の
ビジネスをコア部品での提供やOEM供給、さらには委託加工といった
資金が安定的に回りやすい分野に集中させる一方で、銀行との関係を
常に良好に保つよう、注力したのが功を奏したと言えるでしょう。

さらにこの失敗以降、他社と技術面や販売面で提携する際には、たとえ
相手が大企業であっても安易な妥協はせず、こちらの主張を通す為に
強靭とも言える粘り強さで交渉をするようになった事は、第7章
「ドイツ・クラフタンラーゲン社」に詳しく述べてあります。

80年代に勃興した革新的技術を売り物にしたベンチャー企業の
殆どが、現在生き残っていない事を考えると、当社はある意味
「特異」な存在かもしれません。それはやはり創業者と創業者を
支えた人達が、大きな失敗を糧として、新たな事に果敢に挑戦して
きたおかげであると思います。

そしてこのチャレンジ・スピリッツこそ、これからも最も大事に
すべき当社のDNAであると、この本を読んで再認識した次第です。



社員旅行イン東北

当社は隔年の秋頃1泊2日の社員旅行を実施しています。通常は
バスツアーで九州近郊の温泉に泊まって、観光を楽しんで大いに
盛り上がります。

また5年に1度は海外視察も行っていますが、2年前には
中国子会社の新社屋と新工場の見学を兼ねて、2泊3日で常熟と
上海を訪問しました。

今年の秋は順番で行くと1泊2日の温泉旅行になるのですが、私自身
思うところがあり、今年は東北に行ったらどうかと考えて、役員会に
諮ったうえで、全社員の方へアンケートをとったところ、130名以上の
方にご賛同を頂いたので、正式決定となりました。

9月の適宜な週の木曜から2泊3日の旅程で、福岡から仙台までは
飛行機で移動し、そこからはバスでのツアーとなります。東京、大阪、
名古屋の各営業拠点の方々も、それぞれの場所から現地で
合流する事になります。

昨年の6月と9月に、私は宮城県亘理郡山元町と石巻市での
ボランティアに参加する機会を得ました。そこで見聞きし体験した事は、
現在でも私の中で非常に大きな意味を持っています。

特に9月訪問時の最終日に目の当たりにした女川の状況は、眼に
焼きついています。

029

震災から月日が流れ、好むと好まざるとに関わらずその記憶も風化
しがちです。また福岡という被災地から物理的に離れているところに
住む我々は、そうそう現地を訪れる機会に恵まれる訳ではありません。

社員旅行という行事を利用して、自分達の眼で被災地を見ておく事の
意義は、大きいのではないか?そう考えて今回の東北行きを提案した
次第です。仙台往復に飛行機を利用する為、旅行費用は2年前の
中国旅行とほぼ同じくらいかかる見込みで、会社としても同程度の
補助を考えないといけません。しかし、費用の多寡以上に大切な事も
あると思います。

勿論せっかく大勢の仲間と行くのですから、温泉に入って、
美味しいものを食べて、観光名所を訪れたりして東北の文化に触れて、
また地元の方々と交流する事で、楽しい旅行にしたいと思います。

本日、本社にて第1回の幹事会を行いました。これから具体的な
訪問先や旅程、旅行会社等を決めていく事になります。なにぶん
大勢での旅行となるので、11名の幹事の方々は準備や段取り等で
大変だと思いますが、参加する皆さんにとって掛け替えの無い経験と
なるよう、力を合わせて頑張っていきましょう。



モダンアートと経営

先月29日に「ジャクソン・ポロック展」を観に行った際に、売店で
購入した絵が今朝届きました。(^^♪

写真

タイトルは「Composition with Pouring 」。直訳すると、
「ポアリング(という技法を)使った作品 Ⅱ」といった感じでしょうか...

残念ながら本物ではありません。本物は数千万円はすると思います。
しかし「アーカイバル」という最新デジタル版画技法を使って
複製されたもので、原画の色だけでなく、タッチや凹凸感、
風合いなどの微妙なニュアンスも忠実に再現されていてじっくり
観てもほとんど見分けがつきません。注文してから3週間かけて
製作される為、複製ながらも結構な金額でした (T_T)

実際に私の部屋の壁にかけてみたところ、もうバッチリです!

ミロのリソグラフの時にも思いましたが、美術館に観に行くのと、
自分の部屋において鑑賞するのは全く違います。この絵をじっくり
観ていると心が落ち着いてきますが、唐突にインスピレーションが
刺激される事もあり不思議です。

そもそも私がこういった現代美術に興味を持ったのは、
福岡シティー銀行の元頭取で九州アジア経営塾(KAIL)の
最高顧問である四島司前塾長のおかげです。四島氏は私が
最も尊敬する経営者の一人で、稀代のバンカーであり、
ビジネスリーダーの教育者であると共に、世界的に有名な
モダンアートのコレクターでもあります。

四島氏がメディアのインタビューに対して、「経営に行き詰まったと
感じた時、私はニューヨークの美術館でモダンアートの抽象画を
観る事にしている。」と、語ってあったのがきっかけです。
それ以来氏への憧れもあり、私も時間を見つけては美術館に
行くようになりました。

また四島氏は、「芸術もビジネスもつまるところ、本質を見抜く感性が
大事」とも仰っています。そしてそういった感性を磨く為には、
何事も自分の眼で見る事が必要だとも説いておられます。

私も少しずつでも感性が良い方に磨かれるよう、これからも重要な
事はできる限り自身の眼で直接見るよう心がけて行こうと、この絵を
眺めながら思った次第です。


未来を誰に託したいか

今月18日に、博多区のパピヨン24で行われた福岡大学人材開発研究所
とKAIL(九州アジア経営塾)が共催したセミナーに参加してきました。
仕掛け人はKAILの理事でもある福岡大学商学部の田村馨教授です。

「未来を誰に託したいかー山口絵理子氏、鈴木謙介氏と一緒に考える」

2部構成になっていって、第1部はマザーハウスの山口絵理子社長と
関西学院大学社会学部の鈴木謙介准教授が、テーマに沿った
お話をされて、第2部は参加者全員(社会人と学生がほぼ同数で
合計80余名)が4~6名のグループに分かれて、いわゆる
ワールドカフェのスタイルで自由にディスカッションをしました。

私はマザーハウスの山口社長のファン(!)であり、正直に言うと
彼女の話が目当てで参加したようなものですが、今回は鈴木准教授
話からも大きな刺激と気付きを得ました。

写真

プロフィールを見てちょっと驚いたのですが、彼と私は同じ高校卒業で
干支も同じ辰年でした。ただ年齢は彼の方が一回り下ですが... (T_T)

ティピカルな大学教授像とは対極のカジュアルなファッションで
登壇され、カジュアルな語り口で話をされたのですが、その内容は
かなり鋭いものがありました。特に心に刺さったのは、
「幸福の再発明が必要」という言葉です。

「右肩上がりに経済が成長していた時代は、物質的金銭的な満足を
求める事が幸福の第一義であったかもしれないが、現代のように
経済の縮小化が不可避な状況では、幸福の意味そのものを
再定義する事が必要となるだろう。」

という意味だと、私は理解しました。

企業においても、社員の方や関係者の方々の幸福について、再定義して
いく事が求められていると思います。鈴木先生の著作でベストセラーの
この本を是非読んでみたいと思います。

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)
カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)

第2部のワールドカフェでは、普段あまり接する事のない学生や
若い社会人の方々とフランクな意見交換ができて大変楽しく、
有意義な時間でした。

いつか社内でもワールドカフェをやってみたい思います。


男女共同参画

今月9日(金)、地元福岡県古賀市役所主催の男女共同参画に
関するセミナーに講師として呼ばれました。

写真

と言っても、私は最初の挨拶を3分程度するだけのおまけの役割で、
メインの発表は、総務部の平川マネージャーがパワーポイントの
スライド20枚を使って、50分間たっぷりと喋っていました。

写真1

発表の主な内容は、当社の女性社員活性化の取り組みについてです。
7~8年前までは新卒入社の女性社員の8割近くが、結婚や出産を機に
退職していた状況を変えるべく実施した「女性社員キャリアアップ制度」を
メインに、「短時間正社員制度」、「女性技術職の積極採用」等に
ついても説明。最近では、結婚後も仕事を続け、産休取得後に
職場復帰する女性が増えてきた事を、その成果として報告しました。

流石に自身も新卒で入社し、結婚後3人の子供を出産し、子育てを
しながら、管理本部の中枢で働き続け、さらにキャリアアップ制度を
自ら企画、実施し、その研修においては講師とファシリテーターも
務めた平川の話には説得力があり、参加された企業や自治体方々も
大いに刺激を受けておられたようです。

彼女の話の中で私が最も共感したのは、女性が働き続ける為の要件に
ついての意見です。

男女共同参画セミナー20120309(西部技研平川) (2)

女性が男性と同様にキャリアアップを志向しながら長期スパンで
働く為には、会社側の問題と本人の問題がある。会社側の問題としては、
育児休暇等の制度の整備、アシスタントの立場だけでなく自立した
やりがいのある仕事を任せる事、さらに周囲の上司や同僚の理解が
不可欠であるとの指摘です。

本人の問題としては、ずっと(定年まで!)働き続ける強い意思を持つ事、
さらに女性だから受ける事がある不公平を乗り越える為の覚悟、さらに
配偶者の転勤や両親の介護など本人としては不可避な状況に
晒されない事もあげられると述べていました。

そして、この中で一番重要なのはやはり本人の「意志」「覚悟」であると、
力説しておりました。

当社は女性の登用だけでなく、障害者や外国人の雇用も積極的に行い、
人材の多様化を推進していく事で、企業としての付加価値向上を図ろうと
考えています。平川の指摘も大いに取り入れながら、女性が男性と
同様に活き活きと働けるより良い職場を目指して、日々努力して
行こうと決意を新たにしました。



株式会社西部技研公式サイト

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