2012年10月

「深は新なり」と出張準備

観られた方も多いと思いますが、一昨日から2夜連続で放送された
NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」は、日本に
本社と主力工場を持つメーカーとして、いろいろと考えさせられました。

第1回 岐路に立つ 日の丸家電
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1027/index.html
第2回 復活への新戦略
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1028/index.html

番組の中で私が一番共感したのは、第2回の放送で独自の技術戦略で
世界の素材ビジネスをリードしている事例として紹介された東レの
技術者の言葉です。

深は新なり

東レは炭素繊維や逆浸透膜といった素材を、40~50年といった長期
スパンでの研究開発を続けており、その蓄積が様々な用途(炭素繊維は
飛行機の機体の構造材、逆浸透膜は海水淡水化プラント等)での
高いシェアに繋がっているそうです。

つまり材料の分野で多くの物に手を広げるのではでなく、一つの素材を
徹底的に掘り下げていく事で、新しい発見や発明を成し遂げて行こう
という姿勢です。こういったこだわりは、当社の研究開発のみならず
マーケティングや営業にも大いに参考になると感じました。

見逃された方、今週木曜(11月1日)の深夜0時25分からNHK総合で
1回と2回連続で再放送があるようです。

話は変わりますが、明日から11月10日まで海外出張に行ってきます。
半年に一度の恒例になっている海外子会社3社の取締役会への出席が、
主目的になります。今回はスウェーデン、米国、中国に加えてチェコの
プラハにも行く予定になっています。

先ほどやっとパッキングが終わったのですが、今回は5冊の本を
スーツケースに入れました。

柳井 正著          「現実を見よ
三池 純正著        「敗者から見た関ヶ原合戦
リチャード・P・ルメルト著 「良い戦略、悪い戦略
スティーグ・ラーソン著   「ミレニアム2 火と戯れる女(上)
大前 研一著        「民の見えざる手

明日は成田とロンドンを経由し都合20時間以上かけて、スウェーデンの
ストックホルムまで行くのですが、現地の夜は-3℃ぐらいまで冷え込む
ようです。またプラハ市内は現在雪が積もっているそうです。

まずは風邪を引かない事を心掛けて、12日間の出張をこなしてきます。


読書の秋

秋が深まってきて読書のペースも上がってきました。という事で、
最近読んで面白かった本をいくつか紹介します。

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

著者の佐藤優氏は、元外交官で2002年に鈴木宗男事件に絡んだ
背任容疑で逮捕、起訴された事で有名ですが、現在は主に文筆家として
活動されているようです。

人間の叡智 (文春新書 869)
人間の叡智 (文春新書 869)

先ずこの本を読んで、佐藤氏の知性と教養、グローバル社会に対する
鋭い分析力と洞察に驚嘆したのですが、それを支えているのが、
月平均300冊(多い時は500冊!)の読書という事で納得しました。
私も割と本は読んでいる方だと思っていましたが、この方と比べると全く
足元にも及ばず、世の中には本当に凄い人がいると心底驚いた次第です。

ご自身が読んできた本の解説は勿論、高校の教科書と参考書を使った
一般教養の勉強法の紹介、独自の熟読法や速読法から一冊を5分で
読むという超速読法のやり方、更に漫画や村上春樹の小説を読む効用等に
ついても言及してあり、大変興味深い内容でした。

ただ彼の読書スタイルをそのまま真似る事は、会社勤めの一般人には
ほぼ不可能だと感じましたし、実践としては、そのエッセンスの一部を
取り入れるだけで十分だと思います。

ビジョナリー・カンパニー 4 自分の意志で偉大になる
ビジョナリー・カンパニー 4 自分の意志で偉大になる

ビジネス本の中での一番のヒットはやはりこの本ですね。もはや
ビジネス・パーソンにとっての必読書と言っても良いシリーズの4作目。

作者のジム・コリンズは、今や「ドラッカーの後継者」とも言われている
世界的ビジネスシンカーですが、時代を超えて成長を続ける企業の原則を、
実際に調査した膨大なデータから帰納的に導き出していく研究の成果は、
我々のように実際に企業で働いている者にとって、常に大いなる示唆と
刺激を与えてくれます。

特に今回の著書では、所属業界の株価指数の10倍以上を達成している
企業(インテル、マイクロソフト、サウスウエスト航空等)を10X型
企業と命名して様々な角度から分析、その共通の成功の法則を導き
出しています。

過去の三冊と比較しても、今回提示された法則(20マイル行進、銃撃に
続いて大砲発射、SMaCレシピ)は非常に解りやすく、実際の企業運営に
十分応用が可能であると感じました。当社の幹部の方にも、是非読んで
頂きたい名著です。

あとこのシリーズはいつも翻訳が適切であり、日本語として非常に読み易い
点も秀逸ですね。


ラストスパートと体調(重)管理

10月も終盤に入り、12月末が決算の当社にとって今期もあと2か月
余りとなりました。今年を良い形で締めくくる為、先週から個人的にも
ラストスパートをかけ始めています。そして具体的なアクションを
起こす際に、特に重点を置いている事は下記三点になります。

1.現状の課題や問題に積極的に対処し、今期中にその全てを解決
  もしくは解決の目処を付ける
2.最終四半期の売上予算をクリアーし、通期の売上目標を達成する
3.来期に今期以上の業績を上げる為の布石をきっちり打つ

先週は久々に東京方面に出張しました。今週は今日と明日は韓国から
重要なお客様がいらっしゃているのでそちらにフルアテンドしてます。
木曜からは仙台方面に出張します。

来週火曜からは年2回の恒例になっている子会社の取締役会出席の
為、海外出張に行って参ります。今回はスウェーデン、チェコ、米国、
中国の4か国に行きます。帰国後は海外から来られる顧客数件の対応と
東南アジア方面への出張、更に今期のレビューと来期の目標等を
決める為の重要な会議の開催と出席。その合間には賞与等の査定を
こなしつつ、12月に入ると年末の挨拶の為に、国内出張に三回ほど
行く予定です。

また年末が近くなると何かと気忙しくなるので、突発的なアポや
忘年会も多々あるかと思います。非常に多忙になってくると思いますが、
まずは常に自分自身の体調を万全に管理しておく事が最優先になります。

体調管理と言えば、昨日の午前中に健康診断を受けてきました。私は
毎年東区原田にある福岡健康管理センターにて「人間ドックコース」を
受診してます。大病院でうけるものほど本格的ではないですが、一応
CTスキャンやエコーによる検診もあります。

結果は今年も「異常無し」という事で安心したのですが、最後の問診で
医者から注意を受けたのが、昨年に比べて体重が2キロちょっと増えた
事です...(T_T) 私はここ10年程はずっと一定体重±1キロで推移して
いたのですが、昨年の受診時が一昨年より1キロ以上増えていて、今年は
さらに昨年より2キロ増えたとなると、さすがに私の中で黄信号が灯りました。

運動の方は週に1~2回のジム通いをずっと続けているので、そこそこ
やっていると油断していました。また運動も大事ですが、今後は食生活にも
もっと気を配っていこうと思います。

出張や接待等で外食が続くと、どうしても食べ過ぎ(+飲み過ぎ)て
しまいがちです。そういった意味では、これからは増々悪条件な時期と
なる訳ですが、何とか克己心を維持しながら乗り切り、逆に2~3キロの
減量を達成したいと思います。

関係者の皆様に置かれましては、是非とも絶大になるご協力とご支援の程
宜しくお願い致します m(__)m


マネージャーとエキスパート

ドラッカーがビジネス・パーソンに残した至言は沢山ありますが、
最近特に心に刺さるのはこの言葉です。

Management is doing things right; leadership is doing
the right things.

「正しく物事を遂行するのがマネージメントであり、正しい事を行うのが
リーダーシップである。」 


この言葉から、私の中では理想のマネージャー像とリーダー像が
くっきりと浮かび上がってきます。

4月30日付のブログ5月17日付のブログにも書きましたが、企業に
おいてマネージャーとリーダーの役割を峻別する事は、健全な
組織運営の要諦の一つだと思います。マネージャーが既存の
枠組みの中で最適な結果を出す事を求められるのに対し、
リーダーは既存の枠組みを超えて新しい価値を創る為にチャレンジ
する事が求められます。そしてリーダーはそういったチャレンジの
ベースを組織としての成果の追及に置きます。

一方で、企業ではエキスパートと呼ばれる専門プロ人材
(ドラッカーの言葉だと「専門家」にあたるかもしれません)の
役割も重要です。彼らはリーダーと同様に、既存の枠組みの
中での運用的な業務ではなく、より創造的な仕事を担う事が
期待されています。ただリーダーと比較すると
どちらか言うと
個人的な成果を志向する傾向があるでしょう。その意味では
エキスパートの中から、より組織成果志向に強い意識を持って、
リーダーへと進化する人材が出てくる事が期待されます。

またこういったエキスパートの価値をちゃんと理解し、それを
組織としての能力に適宜に変換していくのも大きな意味での
マネージャーの役割の一つであり、それに長けたマネージャーこそが
リーダーへと進化していくのだと思います。

プレゼンテーション1

マネージャーとエキスパート、どちらの方向でキャリアアップを
目指すかはその人の資質や価値観によると思います。当社に
おいては、どちらを選んだとしても、最終的に真のコア人材である
リーダーへと進化する事を目標とする人が多数出てきて頂きたいですし、
そういう方向に動機付けを行っていきたいと思います。


 

Zen(禅)的発想


プレゼンテーションZen 第2版
プレゼンテーションZen 第2版

10月1日にアマゾンから購入したこの本、4日前から読み始めて
まだ読了していませんが、素晴らしい内容に感銘と刺激を受けてます。
少しややこしいのですが、実はこの本3年前に「オリジナル版」が
出ていて、私はちょうど2年前に読んでその斬新な内容に大きな
衝撃を受けました。

今回の「第2版」ですが、基本的内容はオリジナル版を踏襲しながらも
随所をアップデートし、新たなトピックも追加されていて、その結果
ページ数も大幅にアップして255ページが333ページになっています。
また50分の実践ビデオが収録されたDVDがおまけで付いています。

いかに改版し増頁したといっても、以前に読んだものを再読して
面白いのかなと購入する際は少し懸念しましたが、実際に
読んでみると全くそんな事はなく、沢山の新しい気付きを得ています。

この本からは、シンプルなプレゼンテーションの為の技法を学べるだけ
でなく、筆者が説くZen(禅)的なアプローチによって、考えの整理や
アイデア発想にも大いに役立つと思います。何より右脳が刺激され、
知的センスが向上する事請け合いです。実際2年前に初版を読んだ
後は、私自身もプレゼンに対する取り組みを大きく変えました。

ビジネス書の私的ランキングでは、間違いなくベスト5に入りますし
多くの人(特に社内外でプレゼンをする機会がある当社の方!)に是非とも
お薦めしたい良書です。また私の座右の書の一つであるダニエル・ピンク
ハイコンセプト」も、この本に紹介されていたのがきっかけで手に取りました。

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

筆者のガー・レイノルズはシアトル生まれですが、奈良に長く住んでいて
関西外大の准教授だそうです。日本の文化や自然に対する造詣は
半端なく深くて、禅や禅アートについて米国人の彼の本から学ぶのは、
生粋の日本人としてちょっと恥ずかしく感じてしまいます... (>_<)

昨年行われたTEDx Tokyoでの彼のプレゼンも、「」の特徴を通して
日本文化を考察するという大変興味深いものです。



残念ながら日本語字幕は無いですが、すごく解りやすい英語なので
問題ないと思います。社員の方は是非ご覧下さい!



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