次に(2)~(3)だ。

(2)開放的で強い好奇心を持ち、想像力、新しいものに親しむ気持ちを持つこと

(3)外向的で、社交を好み、他者と積極的に交わることができるコミュニケーション能力を持つこと

これは基本的には、男性性の向いている面が強い、と思うかもしれない。
しかし私は、そうは思わない。

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(2)だが、男性性の「安定志向」が悪い方に作用すると「新しい他要素の排除」の面も出てくるからだ。安定と言っても、高いところで安定してくれるといいのだが、ナマケモノだと、低いところで安定してしまう。さらに世間をよく観察すると、男性性の好奇心は、自分の好むものだけに偏ることも多い。コレクター男子でもミニカーだけとか、ある一定の漫画のキャラクターだけという場合が多いのもそのためだ。男性の大人でも、読書好きだが推理小説だけとか、趣味も釣りだけという人も多い。

これも「安定」の一面だ。大人は仕方がないとしても、子供は全然違う分野へ誘導することが肝要になる。
 
そうなるとむしろ女性性の方が優勢になるだろう。女性性は「周期的」で変化が当たり前だから、好奇心を自然に持つし、持つことが自己防衛になることを知っている。化粧品でもあれこれ試すのはやはり女性で、男性の場合はオーデコロンをこれ、と決めたら、そればっかり使う人が多くないか?

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(3)においても同じことが言えそうだ。
男性が定年になって家にいるようになると、「置物」みたいで嫌がる奥さんが多いとか、近所の人との付き合いでも自分が付いていた社会的地位を定年後も振りかざして、嫌われ者になるというケースもよく聞く。
 
このように、男性性が強く出過ぎて、応用力が効かないのは、世に例が多い。
 
今の日本はどうしても男性優位社会で、高い地位についている女性も男性性を身に付けなければ、円滑に事が運ばないので、知らないうちに女性性を喪失している言動をする人、例えば国会議員などによく見かける。また一旦始まった公共工事を、途中で改変ないし中止することができないのも、「安定」を一番にする男性性のなせる技と、私には見える。

では女性性が優位に立てば、すべてがうまく行くのか、となると、やはりそうではない。周回変化を続けていけば、それこそ振り回されるわけで周囲の者はたまったものではない。

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非認知能力を意識的に磨くためには、男性性と女性性をできるかぎりバランス良く配分すること。
これに尽きると、私は結論つけている。

現在の日本自体が、両性のバランスを失い、同時に、非認知能力を失っているように私には思えてならない。待機児童問題が解消しないのも、「保育園落ちた日本死ね」と、お母さんが血を吐くようなセリフを言っても、「匿名だからわからない」という、そこが問題じゃないでしょ、どっちを向いているんだ、というような答弁をする首相が存在するのも、変な意味で、納得がいく。 でもこのままで良いわけがない。


後日 3月8日に以下を追記しました。

「たとえその投稿がウソやデマであっても、保育園に入れない子供たちや親・保護者が実際にいっぱいることは、事実なのだから、国会という日本で一番大きな「公の討論の場」で、良い機会としてとらえて、きちんと取り上げるのが、一国の指導者としての態度なのではないだろうか」と思っていた。

さすがに批判があがったので、気にしたのか、今度は別の議員の同じ質問には丁寧に答えている首相の姿を見て、この人は恵まれた生まれ育ちをしている上に、残念だが自分の子供がいないから、実感があの時はわかなかったのか、とも感じた。

どちらにしても現代日本は今いる子供や、これから生まれてくるであろう子供には冷たい社会なのだな、と改めて確信した。私は日本の政治家や官僚が優秀だとは、どうしても思えない。もし優秀なら、こんな財政赤字にはならないだろうし、20年も前から少子化対策をしていても、全く効果が出なかったのだから、結果は0点である。

追記は、以上です。
 
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次に
(4)協調して、仲間と協力すること
(5)精神的に安定していて、不安や緊張に強くなること

これは案外、男性性も女性性もない感じがする。
(1)~(3)ができている人なら(4)と(5)は「ほとんどできたも同然」ではないか?

例えば(3)の能力を身に付けた人なら(4)の前提になる「仲間を得ること」は容易に実現できるはずだ。

次に(5)の能力だが(4)で仲間を得ているなら、一人で悩まずに、仲間に相談できるし、協力も仰げる。彼らと困難をシェアできるから負担も減るだろう。

(1)~(3)をクリアできれば、レベルの高い(4)と(5)を実現できるからやりやすくなる。
親・保護者が目指すものは(1)~(3)の能力開発を子供に行うこと、と集約される。
これなら案外何とかなりそうだ。

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私がなぜこんなに「男性性と女性性」に拘るのは、ある読書体験が強かったからだ。

小泉八雲ことラフカディオ・ハーンという文学者がいる。


彼は1890年に記者として来日し、英語教師を務め、途中で日本女性と結婚した。日本の伝統的精神や文化に興味を持ち、多くの作品を著し、日本を広く世界に紹介した。有名なものは「耳なし芳一」だろう。

私は心霊現象には3回ほど遭遇していて、この世に「この世のものでないもの」が存在していることを知っている。信じているのではなく、知っている。もちろん、科学や科学的精神や科学的思考は尊重するが、科学万能の風潮は好きではない。祖母の影響もあるのだろう。

だから小泉八雲の作品は幼いころから大好きで、中学生になった時に、小泉八雲の作品がほとんど載っている「怪談・奇談」という本を手に入れて、何度も読み返した。

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その中に「破約」という作品がある。結構有名で、以前は教科書にも載っていたぐらいだし、ネット上でも話題に事欠かない作品で「賛成か反対か」のアンケートまで取っているのはちょっと笑える。


ごく簡単にまとめると、妻に先立たれた侍が、数年たって後添えを得たが、先妻が亡霊になって出現し、とうとう後添えを殺害してしまった、という話だ。実は先妻は亡くなる直前に、自分が死んでも後添えを娶らないという約束を侍と交わしていた。さらに言うと侍の方から言いだした約束でもあった。ただ武士社会では、子がいないと、お家取り潰しになる。親戚の強い要望のため仕方なく後添えを得た、という事情もあった。
 
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問題はこの後だ。
本から抜き出すと、

この話を聞いた小泉八雲は
「ひどい話だ」 と、話をしてくれた友人に私は言った。
「前妻が復讐する相手は約束を破った侍だ。殺された新妻は全くの無実じゃないか」
「男ならそう考えますが」と、彼は答えた。
「しかし、女の考え方ではありません」
 友人の言うことは正しかった。

というセリフでこの話は終わる。

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もちろん当時、無知で男子中学生の私に意味はわからなかった(あまり無知ではなくなったつもりだが、まだまだわからないことが多くて残念)。なんで?なんでそうなるの~?と。
祖母に質問してみると「まあまだわからんよな~」で終わりだし、もしかすると言葉にするのが面倒だったかもしれない。その祖母も私が中学3年の時に亡くなってしまい、答は聞かず仕舞いだった。

その後もずっとこの作品は私の心に疑問として残り続け、成人してやっとある友人から正解と思われるものを手に入れた。

それは「女性は自分の生きている世界が正しいと思っていて、そこに侵入してくるものは、たとえどうしようもない事情があっても、悪と考える傾向が強い」だった。

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小泉八雲という「外国人」でも「ああそうか」と納得するわけで、これは国籍や国情を超越した人類共通の真理だったことがすごい。

性差別は良くないことだが、現実の世に性別や性差があるからこそ、服飾、医療など様々な文化が生まれる。男と女・女と男のことを考えるのは一番の基本だな、と結論はついた。

と、答えは得たが、得ただけで実感はなかった。当然である。私は男だからだ。困ったな~と考えていると、それから数年たって「男性性と女性性」という考えを手に入れた。もうそのころは塾の講師としてかなりの年月が経っていたし、ある程度年齢も重ねていたから、目の前にいる生徒たちを観察することによって、男子・女子の中にある「男性性と女性性」を見分けることにした。

実感が無理なら、実証してみようである。

男性性が強すぎる男子生徒には女性性を意識し、女性性が強すぎる女子生徒には男性性を意識することを家族に勧めることにした。そしてそれをうまく配分できるように指導することが、勉強だけの指導よりかなり有効的なことに気が付いた。

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素直に聞いてくれたケースはたいていうまく行ったが、「そんなバカなこと」というご家庭は、改善が見られないケースが多かった。

変な言い方だが、お父さんが男性過ぎたり、お母さんが女性過ぎたりするとたいていうまく行かない。子供に「男は、女はこうあるべきだ」と押し付けてしまうこともあるだろうし、この「男性性・女性性」という考え方が理解できないこともあるようだ。人によっては「変態だ」とも考えることもあるのだろう。

でもそのままでは女装の好きな男性の動機は発見できないし、「オレは」とか「ワシ」などの男言葉を連発する女子生徒の心情や原因を考慮することもできないはずだ。

親・保護者にはできる限り柔軟であって欲しい、と願うばかりだ。
それが子供の成長につながるだろう。

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今後「男性性・女性性」の考えももっと発展していくでしょう。新しい考えもでてくるはずです。私も常に勉強しなければいけません。

少し話は逸れますが、プラトンの「愛の起源」にでてくる「ツイン・ソウル」と言う考えも、この「男性性・女性性」に関係があるのかもしれません。
今研究中です。

ああ、そうそう。
漫画ですが CLAMPの 「xxx Holic」 もお薦めです。これは男子にも女子にもいいと思います。
ただちょっと高いので、古本の方がいいかも。
子供だけでなく、きっとお父さんもお母さんも「はまる」でしょう。
 
holic


では今日はこのへんで失礼します。

m(_ _)m