いつも生徒に質問されるのが「なんで英語を勉強するのですか」だ。世に「中2病」というのがあるが、 特に中学2年生になると、少し大人になるのか、この疑問にぶつかる傾向が高くなる。
 
彼らにしたら英語の点数で、受ける高校のレベルがある程度決まってしまうのだから、深刻な疑問だとは思う。だからまじめに、答えることにしている。

私なりには多方面からの答になっている。

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(1)今現在、世界で一番力を持ち、世界の動静を決める国の言語が英語だから。
 
歴史的な観点からは妥当な見解で、一番普通の答だと思っている。一番力があるということは、一番お金を持っているわけだから、付き合っていくうえで、経済的な利点を逃すことはできないだろうし、日本の輸入品目を多く産出しているオーストラリアやカナダも英語が主言語だから、この点からも英語から逃れることはできない。

もし1600年代からフランスと交流が本格的に続いていたら、第1外国語はフランス語だったろうし、平安時代だったら中国語=漢語が第1外国語だった。保元の乱で後白川天皇の軍師だった信西入道は、朝廷を訪問してきた中国の特使と流暢な中国語で話していたし、当時の中華帝国の王朝 南宋は世界の総生産の40%を独占していたから、確実だ。
 
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ただし今後、学校でも中国語を学ぶ必要が出てくるのか、というと、どうかな?とは思っている。もちろん個人的に中国に仕事に行くのなら必要になるだろうし、恐ろしい話だが、チベットみたいに中国に侵略されてしまって、中国語を話せ、と押し付けられたら嫌でも覚えるしかない。こういう極端な場合は除く。
 
今のところ中国からの輸入品がまた増えても、それは原材料でなく、衣服や電気製品などの加工品が主力だろう。中国は人口が多いので、原材料は自国でほとんど消費される傾向が、おそらくはまだまだ続く。そうなると中国の比重はほぼ変化なし→無理に中国語まで習う必要はない、となる。

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(2)世界をつなぐコンピューターネットワークの基本言語だから
 
これはもしかすると一番大きいかもしれない。
今後さらに英語を使いなさい、の補強理由になるだろう。まだコンピューターネットワークは進化途中だ。太陽系の中で行き来する時代になった時に、瞬時にやり取りができるようにするまで発達させる必要もある。ネットワークを構築した言語が、英語だった優越性はこれからも大きくなる。

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(3)日本が前の戦争でアメリカに負け、その後未だに属国状態で、コンプレックスを持っているから。
 
これがウラにある、一番深い理由だと私は思っている。
 
あの戦争以前から、日本人は白人全般にコンプレックス=劣等感を持っている。ペリーに無理やり開国させられたからだ。さらに前の日米間戦争にも負け、劣等感は二重になってしまった。
 
まさにそこをダレスに突かれて、「日本人はアジア全般に『我こそは近代人だ』という優越感を持ち、対して米英に劣等感を持っている。その人種偏見を利用して、極東で孤立させ、アメリカだけを頼りにするように仕向けていけば、コントロールは可能だ」という政策に嵌ったままだ。


日本のCM、特に化粧品・車などに、白人の外国人がやたらたくさん出てくるのは、「権威づけ」を求めている証拠みたいなものだ。もちろん「これはただの非日常の演出」という解釈も、あることはある。

以上の複雑な感情がまぜこぜになって自国語の学習を疎かにしてまで、他国語である「英語が話せる、わかる、書ける」ことに憧れている。酷い場合は「イギリス人やアメリカ人になりたい」と思っている場合もある。
 
原因に気が付かないまま、英語を熱心に勉強して、アメリカ留学をして、さらに「親米教育」を受けた人が、英語教育の方針を決める立場になると、「国民皆英語教育徹底=国民全員が英語を使えるようになるべきだ」と極端なことまで要求し、最近はグローバル化の名の下、さらに傾向が強くなっている。少し話は逸れるが、私はその点から、小泉進次郎氏を少し警戒している。彼はアメリカで、かなりの「親米教育」を受けているかもしれないからだ。

話は元に戻る。

 「この子は英語を勉強する前に、国語や社会をちゃんと勉強して、もう少し常識や論理力を付けた方がいいのに」という場合でも、否応なしに英語を勉強させられる場合も見てきた。
なんだか本末転倒だ。
 
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まあ以上のようなことを、質問してきた生徒に正直に答えることにしている。
生徒の方は、たいていはゲンナリし、諦めて英語の勉強に励むしかないな~となる。

(1)~(3)まであまりにも事が大きすぎて、意見主張はできても、すぐに改善したり、風潮を止める能力は、個人レベルではまず持っていない。特に(3)は残念な事実で、多くの日本人は目を背けている。
 
さらには対米戦争の敗因が「情報の不足」「敵国アメリカの国情を知らなかったこと」だったために、元敵国の言葉を徹底的にマスターしなければならない、と思い込んでいる筋もうかがえる。情報を得るには語学力は当たり前だが、それだけはダメだと思う。どうも、うぶすぎるような気がしてならない。

だから最近「日本に誇りを取り戻そう」という動きがあるんだな、と私は考えている。
でも「自主防衛力を強化」とか、「アメリカの核の傘から脱出する」「沖縄のアメリカ軍基地縮小ないし廃止」という意見を言うと「非現実的だ」と非難されるので、一体どっちにつけばいいのかわからなくなる。

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こうなると、一種の公共事業みたいなもので、「始まると止められない」ものだ。親・保護者は「中学で英語を勉強できるぐらいの余裕を小学校で付けておく。具体的には国語・社会科目の充実を常に目指し、算数では苦手分野を作らないこと、そして家庭学習の習慣をつける」ことしかない。
 
ありふれたことだが、最大の防衛策だ。

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近畿地方の梅雨明けは7月21日とのこと。
まだ1か月、まるまるあるわけです。
 
ですからせいぜい梅雨を楽しむことにします。

期末テストが終わればいよいよ夏休み。
中学3年はとりあえず、分詞の形容詞的用法・形容詞節・関係代名詞・間接疑問文やso that 構文など、2学期と3学期で習う英語の文法を全部片づけてしまいますか。
 
今までちゃんと勉強している人なら、やろうと思えば、2か月でできるものです。

では今日はこのへんで失礼します。

m(_ _)m