夏休み1か月前というのは毎年忙しいが、今年は特にそうなってしまった。というのは「リスニング」という課題が転がり込んできたからだ。VITALsシリーズを、のんびり作るのは一旦中断になった。

ただの「リスニング」ではなく、英検準2級と2級のため、つまり高校生(の学力を持つ中学生)対象だ。表向き、高校生は指導しないことになっているが、断れない筋から来ると受ける。どちらにしても依頼内容を聞いて、うへっと思ったことは思ったが、5、6年前から準備はしてきていたし、構想もまとまってはいたから、「時来たる」かもな、とも考えて、やることにした。

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自分自身のリスニング学習といっても、英会話教室に通う閑はないし、達成するべき課題は自分の英会話力増強ではなく「テストで点数を取る」ことだ (そもそも私は見知らぬ人と話すのも面倒なので、道を聞かれて、仮に知っていても『スミマセン。知りません』と答えるぐらい、失礼な人間である)。

だから、世にあふれる「リスニング指南書」のなかで定評のあるもの = Amazon レビューで星が多いのものを取り寄せて、読み込み、付属の音声を何回も聞き、重要なものは覚えてしまう、という至ってシンプルな方法を採った。が、これまた色々な事がわかって、大変面白かった。どんなことでも基本が大切だ。

それに最近は英語教育題材も新陳代謝が激しいため、なんでもすぐ古本化し、値段も半分から3分の1になるので、金銭的負担も大したことがなかったのが嬉しかった。色々購入したが、合計で1万円も行っていない。

ただし買う時はCDが付いているかどうか? をきちんと確認した方が良い。その点「もったいない本舗」と「バリューブックス」は、商品紹介アナウンスも正確だし、スピーディーで大変信用できるお店だ。また「駿河書店」は届くのが遅いのが欠点だが、信用はできる。メルカリもいいが、SOLD OUTが恨めしい場合が多いのが残念だ。ちなみに、メルカリで一番よく出品されているのが英会話教材で、「ほぼ新品」と紹介しているのを見ると、なんだかフフフと思ってしまった。だから新教材を定価で買う必要なんかない。型番落ちでいいならメルカリで7割引きで買えますよ。私も買ってみようかな。

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私は「詰め込み教育」の最後の世代で、単語量と熟語量そして英文解釈力と英作文なら、仮に過去の普通の高校生だった自分が、タイムスリップしたとしても、現代での優秀な学生にも負ける気はしない。でもリスニングやスピーキングでは、そのカテゴリーで優秀な人には勝てないだろう。はっきり言って練習不足だ。練習不足どころか、やったこともない「未経験の素人」だ。

これに関しては自分の「弱点」として以前から気にはなっていたし、「テスト」の形そのものには職業病で大いに興味がある。同時に、まだこの業界で生きていくなら、いつまでも「勉強」はしなければならない、と準備していたのが裏事情でもある。

なんだカンダで、1年~1年半ぐらいはひまがあれば、リスニング練習ばかりやっていた。ある程度できたかな、と思った時期に、英検の準2級~準1級の過去問題やTOEICの問題集にも挑戦してみたが、準2級と2級はほぼ満点、準1級は70%~80%ぐらい、TOEIC問題集も形式にはよるが同じぐらい取れるようになった。即席にしてはまあまあの方だろう。ただしTOEICは過去問を公表していないから、直接の情報ではなく、取材的受験をした「TOEIC受験のプロ(?)」の再現によるもので、英検は潔く1年分の過去問をHPで公表している。
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英検やらGTECやらTOEICやら、なにか利権的な匂いがするのは仕方がないが、教育を受けることがそもそも、将来のお金儲けの可能性を高めることであるのは、否定ができないから、今は何も言わないことにする。多くの大学が大学入試問題作成をやめて、英検やらGTECやらTOEICに「外部注文」している現状に、こちらが対応するためでもあった。

ちなみに、各テストの特色もわかってきた。一言で表現すれば「英検は情緒的・TOEICは冷静理性的」かもしれない。例えば品物が注文通りに来なかったりする場面では、英検なら驚いたり不審に思う気持ちが話し方=口調に籠るが、TOEICでは受け答えがやたらに冷静だったりするのが面白かった。

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私は日中暇な時間を作って、2、3時間ぐらい没頭できたから、割合短時間で、リスニングに慣れてそれなりに、上達できたと思う。でも普通の高校生がいきなりこんなことできる時間も、技術もあるわけではない。技術とは「知っている単語の数量と定着性」のことだ。TOEIC連続満点の達人が「リスニング力を上げるのに必要なのは語彙力です」とおっしゃるのには、百も千も理に適っている。

仮に thread と threat を聞き分けることができても、意味が分からなければ、話にならない。英検もTOEICも問題文は1回しか放送されないから(!)、1回で分からないといけないのだ。これはキツイ。文脈で判断する方法は、時間がかかり過ぎて危険だ。

そこで高校生を対象とする場合は、「一石三鳥」を狙うことにして、英単語一つ一つの「リスニング力」の整備から始める計画を立てた。焦りは禁物である。具体的には Target 1900 の、右側=奇数ページにある英例文の聞き取りからだ。でも熱心な人だと、もう右側の英例文を見て知っているし、何気に見ているうちに覚えてしまった、という人もいた。若いって素晴らしい。学校のテストでも出題されているので、新鮮味がないのが、欠点だ。

それならばと、現在のTarget 1900 は五訂版なので、ひとつ前の四訂版とその音声データCDを例のルートで格安に入手し(合計で1000円ぐらい。まともに買うと3000円を超える)、同時に「英検 出る単EX」とか「パス単」も手に入れ、音声はHPからダウンロードし、それらを材料にして
「五訂版と順番は同じだが、流れて来る英文は違う『リスニング英短文問題』」を作ることにした。
この時点でアホ決定である。まあVITALsが少し休んでいいところまで来たのが、幸いでもあった。

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と簡単に言ったが問題は載積していた。
まず、CDとかダウンロード音声というのは、容量を少しでも小さくするためにMP3というファイル形式で編成されている。このファイル形式を扱える波形編集のフリーソフトは色々あるが、最新型だと、アップデートしろとか購入しろとか、ウザいポップアップが出てくるものが多い。

その点MP3は扱えないが、wave形式ファイルなら扱えて、うざったいポップアップの出ない≒やる気がなさそうに見える(スミマセン) Sound Engine を使うことにした。ただしMP3をwaveに変換するために Eco de tool を使わなければいけないけど。


soundengine

そして集めに集めた音声を、とりあえず 1~1000 までの見出しに沿って切り取る。またTARGET 1900 五訂版の音声データには、単語の日本語和訳が入っていないが、四訂版や「出る単」「パス単」の音声データーには単語の日本語和訳が入っていて邪魔だった。甘やかしてはいけないと思うぞ。そこで単語の和訳部分は全部カットし、一つ一つに番号打ちをして編集した。

そのファイルを別のコンバーターソフトで、MP3に戻してファイルサイズを10分の1に圧縮して出来上がり。1か月かかったが、なんとか TARGET 1900 の1番~1000番 の「五訂版と順番は同じだが、流れて来る英文は違う『リスニング英短文問題』ができた。もちろん、集めた音声ファイルは、今流行の教材「シス単」や「DUO」などの単語集用に編集することも、1日あればできる。
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普通の音声データーは、7個~10個の単語が「トラック」と呼ばれる1つのグループに入っていて、その単語だけを何回も聴くためには、わざわざエリア指定をしないといけないから少し面倒だし、使っていて不満だった。

でもこの自作ファイルは単語1つ1つにトラック番号が付いていて、リピートモードにしておけば、その単語を使った文だけをしつこく何回も聴くことができる。あるいはPCを使って、実力応じた個数単位、例えば30番から50番まで20個まとめてとか、201番から300番まで100個まとめて、さらには「自分にとっての天敵の英単語」だけなどを、集中的に「ランダム再生モードの耳による即座の単語テスト」も簡単に作成できる。EXCELのランダム関数とか、Weblioの単語テストや、スタディサプリが出しているスマートフォンアプリみたいなものだ。日本語音声をカットしたのは、これが狙いだ。もちろん学校で使っている単語集が下敷きだから、小テストの点数も良くなるし、記憶の定着もさらに図れるだろう。

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対応する英文もWORDで書いて、ここが聞き取れないだろうな、という部分をわざと空欄にした「リスニング実戦問題」をも作り、完成したのがこの前だ。これは朝日新聞出版が出しているTOEICのリスニング問題集の作りなどを、大いに参考にした。

作るうちに、リスニング指南書の多くが、共通して強調していた「機能語」と「意味が大切な語」、英語イントネーションのリズム感の違いなどが、本当にわかった。なんでも基礎は大切だ。

夏休みはこれの攻略で潰れるだろう。でもなかなかこういう機会を持つことはできない。学校は単語テストはやっているが、リスニングはほぼすべて個人に任せている。学校がホントに「話せる英語・聞き取れる英語」を目指すのなら、生徒個人の力量に頼るのではなく、学習をいかにシステム化できるかが、今後の大きな改善対象点になるだろう。

実は「どんな英単語集にもマッチできる単語カード」も作成中で、今2500枚までできた。どうせ覚えないといけない単語は、全部同じである。これについては以前文句を述べた記事があった。

 いっそのこと全部掲載すればいいのに…

あの記事を書いた時から、カード作りは続けていたのである。今回作った音声データと連動して、使う日も近いだろう。ただし公表の予定は全くない。音声の著作権の問題が絡みそうだから、あくまで塾内部だけのアイテムだ。ヒントはあげたから、担当の先生に作ってもらうこと。

定評のある単語集の索引を見比べてみれば「どれも同じ」は一目瞭然で、流行廃りで枝葉末節に少し変化があるだけだ。よって、あれがいい、これがいいと論評する資格を持つのは、「1冊ぐらいならすべて覚えた人」だけなのである。

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残り900は夏休みが終了した秋以降にぼちぼち作り、全部できたら、さらに単語1つに英例文を3つ付けるとか、見出し語だけでなく派生語も英例文を付けて、さらに充実したものにできるかも。これで英検にも完全に対応できるようになったなあ、とほくそえんでいる。準1級や1級、TOEIC(の対策本)でも、空所補充の文法問題や英長文はほぼ満点だったから、VITALsが完成して、閑ができたら、もう少し組織的に勉強して、自分が受験してみてもいいな、と考えている。もっとも面倒だから、でやらないかもしれないけど。

というわけで夏休みの「特別」の準備は終わった。普通の準備は元々できている。
疲れを取って、明日からまたVITALs作りの「日常」に戻るつもりだ。

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先週の地震にはびっくりしましたが、阪神淡路大震災に比較するとまだ小さかったので、「死ぬほど」びっくりはしませんでした。知り合いは、阪急十三駅で足止めになってしまいましたが、津波は来ない、とあったので「そのままじっとしていた方が良いよ」とアドバイスしました。

案の定、淀川を渡る大橋は歩行者で渋滞して、渡りきるのに2時間かかり、その後も歩きだから、きっと相当疲れたでしょう。知り合いは、夕方になってやっと阪急も宝塚方面に電車が出て、家に帰りついたのは5時だったそうです。それでも足の疲れは、まだましだったかも。

もし津波が来たなら、津波が遡ってきた「名取川の惨劇」のように、十三周辺もなっていたでしょう。南海トラフが起きた時、自分がどこにいるかは神のみぞ知る、ですね。

でも、小学校のブロック塀が壊れて女子児童が死亡したというニュースには、ほんとにがっかりしてしまいました。やっぱり人って忘れてしまうんですね。行政は、お金を惜しんだために、2ケタ多いお金と信用を失った結果になってしまったようです。

心からご冥福をお祈りします。

では今日はこのへんで失礼します。
m(_ _)m