4年程前に、「NHKスペシャル 巨大災害 MEGA DISASTER 第2集 スーパー台風 “海の異変"の最悪シナリオ」という番組を見た。視聴したのはごく偶然だったが、かなり衝撃を受けたことを告白しておく。

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この番組自体は、画像は悪いが You Tube でも見ることができるし、DVDレンタルもある。見逃した方たちは、一度、家族いっしょに見られてはどうだろうか。私も、もう一度見ようと思って、レンタルを頼んでいるところだが、家族が色々他に借りていて、もう少しかかりそうだが、内容そのものは鮮明に覚えている。

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台風には「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階が現在はあって、それ以上の風速65m以上、中心附近の気圧は恐らく900hPaぐらいになったら、とハリケーン一歩手前の、「スーパー台風」に分類されると、この番組で知った。

そしてCGで、そんなスーパー台風が、伊勢湾台風と同じコースを通ったとすると、強風圏は東京から福岡(直径1000km!)まで入り、よく怪獣に倒される、山にある送電用の鉄塔なんかは、折れるか、曲がるかして、都会は大停電になり、それは長期化するとか、高潮は高さ15m以上で、河口から5㎞~10kmの内陸部まで流れ込む。風速70mの暴風が7時間以上続くので、普通の建築の家などは、それだけで壊れてしまうだろうなどと、と予測していた。

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こんな巨大台風がこの阪神地区を襲ったら、うちはどうなるのかな、とその時、ぼんやり考えていた記憶がある。そして今回、幸いにもスーパー台風ではなかったが、この前の9月4日に台風21号が襲来した。

ご存じのように、台風21号は、中心気圧 950hPa、最大風速 毎秒45mの「非常に強い勢力」で4日12時に徳島県に上陸、同日午後2時頃には兵庫県神戸市付近に再上陸した、とあるので、「猛烈」レベルでもなかったが、それでも充分すごかった。

当方の位置は台風進路右側で危険領域、これはまずいなと考えていたのだが、片づけるものは全部片づけたし、これ以上準備をしろ、と言われても、もうすることがないから、テレビを見たり、ネットでレーダーを見たりしていた。

さすがに、シャッターは全部降ろして、外が見えるように1枚だけ少し開けておいた。最初はちょっと外に出て光景を撮影したりして、まだ余裕があったが、昼間なのにだんだん暗くなり、雨風ともに激しくなって来たので、いよいよ中心が来たか、と家の中に避難した。後30分ぐらいで暴風圏が過ぎるな、という2時30分ごろ、家がみしみし音を立ててきしみ出し、同時に耳なりがキーンと響きだした。

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あれ?なんだこれは、と窓から外を見た時、空港で飛行機が頭上近くを飛んでいくような、あるいはもちろん見たことも聞いたこともないが、まさに「竜が飛んで行く」ような轟音が響きわたり、上のほうでバキバキという異様な音がして、白い板状のものが、ガラス越しではあったが、目の前に落下してきて、ガシャーンと数十の破片になったのを目撃してしまった。屋上に設置してあった塾の看板のアクリル板部分が、暴風で破壊されてしまったわけだ。

事実を飲み込むのに、ちょっと時間がかかって、しばらく茫然としていたのだが、続けて驚いたことに、落下したはずの大き目のアクリル板が、強風にあおられてふわりと浮かび上がり、また地面に落ちた。これはいかんなと外に出て、その上に飛び乗り押さえつけた。もちろん強風はびゅうびゅうと吹きまくっている。木の枝とかの物体が、上空をびゅんびゅん飛んでいく。小石レベルの物も落下してくるし、かなり重い植木鉢も倒れ、壊れる。

何か固いものに当たって怪我をしてもバカバカしいから、家の壁までアクリル板を引っ張っていき、改めて上に乗りなおして、壁の陰で戦争映画で見るような「弾を避ける姿勢」で身を縮めていたら、上空を真っ黒い雲がうねるように巻きながら過ぎていく。ああ、あれが竜巻の「尻尾」かな?とずぶ濡れで考えていた。

3分ほどそのままでいたら、急に風が止み始め、雨も収まりだし、あたりが明るくなっていくではないか。まるで映画みたいだった。

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今まで台風には何度も出会っているので、植木鉢ぐらいは壊されたことはあるが、台風での被害額15万円相当というのは初めてだった。阪神淡路大震災では冷蔵庫、ペンダント型電燈、食器などが壊れたから、それに継ぐ被害となる。

ウチだけ運が悪かったのかなと思い、次の日に駅前などを見て回ると、当方の真上を通る線上に位置する箇所では、やはり看板や壁などに被害が集中していた。ウチ以上に、こっぱ微塵の看板もあった。どうやら「竜の通り道」に当たってしまったようだな、ご同輩、と考えていた。

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MEGA DISASTAR では「これまでの常識では考えられない自然の力が人間を襲う」と報じていた。あのNHKが断言するのだからガチでマジだ、と改めて認識した。

で、話は元に戻る。
看板を修理するのは簡単ではあるが、今度また21号と同等か、それ以上の規模の台風が来たら、確実に再設置した看板が、再破壊される。今回は不幸中の幸いで、家人も怪我をしなかったし、自家用車も大丈夫だった。でも次は他者に対して、物的人的被害が出るかもしれない。

そう考えると高いところ=風がもろに当たるような所に、看板を付けるのは、気候変動を迎えたこの時代には合わない考えであり、同時にそれは危険でもある、と MEGA DISASTAR を見てしまった身としては、躊躇するのである。

壊れた看板には、電気系統部分が雨に濡れないように、今はシートをかけてある。さてどうしたものかな、と思案中にもかかわらず、今度は台風24号が来るらしい。しかもほとんど同じコースでだ。
やれやれ。

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私は日本のどこかが不幸な災害に見舞われるたびに、あの震災以来「明日は我が身」と思い、他人事と考えないようにしています。これは実際に自然災害の被害に遭ってみなければ、分からない感覚でしょう。

今年もそうです。6月に起きた大阪北部地震の光景を、7月に起きた西日本水害に襲われた真備町の人たちも、テレビで見たはずです。その水害の光景を、9月に起きた北海道胆振東部地震で被害にあった北海道の厚真町の人たちも見たはずです。そして台風21号の威力を示す映像も全国の人たちがどこかで見たはずです。でも多くの人が「明日は我が身かも」と思ったかどうか、疑問です。
「明日は我が身かも」の気持ちを持つようにしましょう、と切に願うのです。



では今日はこのへんで失礼します。
m(_ _)m