背側

昨日は、72歳の女性がバイクで転倒し、肘から手にかけて腫れてきたとして来院されました。
先日もバイクで転倒した女性が来院されましたが、今回も角を曲がろうとした時に転倒、左前腕部尺側全体が地面に当たったようです。

画像からも解るように、腫脹は肘関節から手部に及んでいます。
腫脹のみならず皮下溢血も著明で、手背にも浮腫が生じています。
この患者さんの受傷は9日(水)で、受傷当日はそれほど痛みを感じなかったので何も手当てをすることなく放置したとのことです。
受傷翌朝(10日)から疼痛を感じたため、自宅で冷湿布を施したものの徐々に腫脹が出現し、11日(金)には皮下溢血まで現れたため、驚いてこの日(11日)、来院に至ったものです。

掌側

前腕掌側は特に、皮下溢血が顕著です。
これは、受傷後の肢位が前腕回内位でいた時間が比較的長かったことを示唆しています。







前腕橈側
橈側から見る上では、肘関節に皮下溢血が著明です。
前腕の全体を地面で打撲したとの患者さんの訴えですが、外力は主に、肘関節に対して加わったものと考えられます。



肘関節屈曲位
これだけの腫脹と皮下溢血。
これだけ見ると、骨折を疑いたくなりますよね?

症状としては、打撲部の疼痛や圧痛はそれなりにあるものの、Malgaigne痛には程遠いものです。
運動制限にしても、肘関節の屈曲動作時や屈曲に幾分疼痛を伴う程度で、肘関節伸展や前腕回内回外運動には全く疼痛を伴いません。

今回の症例では骨折ではなく、単なる打撲です。
いつもなら対診を行わずに施術を継続するのですが、Blogに掲載して骨折でないことを証明するために、患者さんの了解を得て対診を行って確認しました。(^^;

要するに、これだけの腫脹や皮下溢血が伴っているケースでも、骨折ではなく打撲である場合もあり得ることです。
今回のケースでは、受傷当日はそれほど痛みを伴わなかったために冷罨法(れいあんぽう=冷やす処置)を行っていません。
冷罨法を行ったのは翌日の朝からです。
冷罨法を最も施すべき時期に冷やせていなかったことが、今回の腫脹や皮下溢血を招いた原因と考えられるでしょう。

骨折かどうか判断がつきにくい場合はもちろん、対診をお勧めします。
なお、対診を行って骨損傷がない旨の診断があれば問題はありませんが、このケースで自分がもし単なる打撲と判断した場合は必ず、受傷直後の初期治療が適切でなかったこと(十分に冷やせていなかったなど)が原因で、これだけの腫脹と皮下溢血が出現したことを説明しておくべきでしょう。
なお、もし患者さんが骨損傷の有無について不安を訴えた場合は、自分が打撲と判断していても対診を行うことが必要です。

なお、画像は初検時のものですが、環指(第4手指)に指環をはめていますね。
今回の症例のように腫脹が著しいものは、初検の段階ではずしてもらうようにします。
初検段階で容易に指環がはずせるものであっても、今後の腫脹の出現程度によっては取り外す必要が生じます。
取り外しにくい指環は石鹸水を使うと外せる場合がありますが、腫脹の程度によっては指環を切ってしまわなければならないこともあります。
初検時に大丈夫でも、今後、腫脹が出現する危険性を推測の上、外してもらっておく方が賢明かも知れませんね。


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