柔道整復師の施術において施術録(カルテ)の記録は必須です。
例えば、保険請求(レセプト・医療保険療養費支給申請)を行っているのであれば、その請求内容を証拠づけるものが施術録となります。
従って、例え患者さんに行った施術に基づいて保険請求を行っていたとしても、施術録が作成されていなかったり、施術録の記録と異なる保険請求であれば、不正請求とみなされます。
それだけに、施術録は私たち柔道整復師を守るためのアイテムと言えるでしょう。

施術録に記載する内容は、具体的に定められています。
その中の一つに「負傷原因」があります。
柔道整復師が施術するのは外傷性に起因した傷病です。
ですから、負傷原因は必ず存在することになります。

負傷原因の書き方は、「,い帖Ν△匹海如Ν2燭鬚靴討い董Νい匹良位を・イ匹里茲Δ砲靴燭」を記します。
具体的には、前述した 銑イ鮓気吠絃浪修垢襪販匹い任靴腓Α

【例1−1】小学生のケース
2時間目の体育授業中、小学校の運動場でドッジボールをしていて飛んできたボールを受け損ねて左環指を突指する。

,い
2時間目の体育授業中(負傷年月日については別の記載欄に記されていますから、日付までは必要ありません)
△匹海
学校の運動場で
2燭鬚靴討い
ドッジボールをしていて
い匹良位を
左環指を
イ匹里茲Δ砲靴燭
飛んできたボールを受け損ねて突指する

患者さんからの申告を元に、負傷原因として必要な項目を抽出してそれを文章化します。
【例1−1】では小学生が患者さんとして記しましたが、社会保険(政府管掌健康保険)など労働災害(労災)や通勤災害(通災)となり得る患者さんであれば、健康保険の適用なのか労働保険(労働災害+通勤災害)の適用なのかを見極める必要が生じますね。
当然に、社会保険被保険者の人がその業務中や通勤途上で負傷した場合は、労働災害補償保険の適用です。

【例2−1】社会保険被保険者(本人)のケース
自宅の書斎で椅子にかけてPCを操作中、足元に落ちた書類を椅子に座ったまま取ろうと体幹を前屈させた際に腰部を負傷する。

【例2−1】のケースでは問題ありませんが、これがもし、次のような記載であればどうでしょうか?

自宅の書斎で椅子にかけてPCを使って仕事中、足元に落ちた書類を椅子に座ったまま取ろうと体幹を前屈させた際に腰部を負傷する。

「仕事中」という文字が入るだけで、労働災害の適用が疑われてしまいます。
従って、労働災害補償保険の適用であればそれを適用し、健康保険の適用であれば「仕事中」の文字は一切使わないことが肝要です。

さて、負傷原因の書き方については「い匹海髻廖岫イ匹里茲Δ砲靴燭」を書くことについて触れました。
次は、傷病名と照らし合わせて見てみましょう。

【例1−1】では左環指、【例2−1】では腰部を負傷したことが分かります。

【例1−1】で左環指(第4手指)と左手関節が同時に負傷した場合では、【例1−1】に記載の負傷原因では言葉不足ですね。

【例1−1/再掲】
2時間目の体育授業中、小学校の運動場でドッジボールをしていて飛んできたボールを受け損ねて左環指を突指する。

こうすればどうでしょう?

【例1−2】
2時間目の体育授業中、小学校の運動場でドッジボールをしていて飛んできたボールを受け損ねて左環指を突指すると共に左手関節を背屈して負傷。

また、【例2−1】で腰部のほかに左背部を負傷した場合では、次のように書くとつじつまが合います。

【例2−2】
自宅の書斎で椅子にかけてPCを操作中、足元に落ちた書類を椅子に座ったまま取ろうと体幹を前屈させた際に背部および腰部を負傷する。

このように負傷原因の中に負傷部位だけを入れることで、2つ以上の傷病名にも対応できます。
なお、同時に負傷した傷病名であってもそれぞれに負傷原因を記載しても構いませんが、これは効率的ではないでしょう。

ただ、傷病によっては、患者さんの申告に基づいた負傷原因からは想像しがたいものがあることも事実です。
太郎の接骨院を訪れた人を例に取ると、患者さんの訴えでは「自動車(乗用車)の運転席から降りると同時に左肩と腰を傷めた」というものがありました。
乗用車の運転席から降りるのに腰を捻ったというのは分かるのですが、左肩を負傷したというのはこの原因からでは想像がつきそうにありません。
このような場合は、左肩の負傷原因となる情報をさらに患者さんから引き出してくる必要があるでしょう。
このケースで太郎は、下記のような負傷原因を聞きだして記載しました。

買い物から帰って来た自宅ガレージで、左手で運転席のシートを押しながら乗用車を降りようとして左肩と腰を捻って負傷。

健康保険のレセプトでは、4部位以上の請求の場合にだけ負傷原因の記載が必要となります。
言い換えれば、3部位以下の請求では、負傷原因は施術録の記載だけにとどまります。

レセプトに記載されない負傷原因は審査の対象となりませんから、もしかしたら記載不足な負傷原因があるかも知れませんね。

冒頭にも記したように、施術録は施術の事実を証明するものです。
負傷原因の記載が言葉足らずである人が多いと耳にします。
今一度、ご確認を。


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