「骨折している患部に動揺を与えてはいけない」

・・・なるほど、よく耳にするお話ですね。

太郎の学校の学生たちは整復実技の練習に際して、骨折していると想定した患部には今にも泣きそうな赤ちゃんを抱きかかえるかのように取り扱っていますね〜。

「そぉ〜っと、そぉ〜っと・・・!」

・・・口には出さずとも学生のしぐさを見ているだけで、彼らの口の中で言っている声が聞こえてくるほどです。(^^;

さて、ある新米柔道整復師さんから聞いたお話です。

「骨折の患部は整復前はもちろん、整復後も決して動揺を与えるべきではないでしょう!」

・・・なるほど、そうとも言える。
しかし、太郎の考え方はちょっと違う。(^^;

整復前の骨折部位に動揺を与えるべきではないという考え方には太郎も賛成ですが、整復後であればある程度なら動揺を与えても良いのでは?

太郎は何も、「整復後の骨折部位に動揺を与えよう!」なんて言っているわけではありません。

しかし、太郎が整復を行った場合の多くはあえて骨折部位に動揺をある程度加えますね〜。

これは、骨折部位が整復によって安定性が得られたか?(整復位が得られたか?)確認する目的からです。

例えばColles骨折。
整復直後、副子を当てる前に、患者さんの前腕近位端を一方の手で持ちます。
もう一方の手は、骨折部位周辺を手掌で覆うように持ちます。
またこの時、手関節の掌側および背側を覆うようにもしています。

その状態で、手関節を少しだけ掌屈(屈曲)させたり背屈(伸展)させたりするように、骨折部を持った手でぶらぶらと掌側や背側に振ってみます。

言わば、骨折部に掌背屈を繰り返す外力を加えるわけですね。

「そんなことしたら、患者さんが痛がるのでは?」ですって?

いいえ。痛がりません。(*^_^*)

まれに不安感を訴える人がいますが、痛みを訴えることはまずありません。
痛みがある場合は、整復がきちんとできていない(整復位としての許容範囲にまで復元できていない)ことを示唆します。
また、このように骨折部位に動揺を加えた際に、骨折部を持った(術者の)手に軋轢音を触知する場合は、副子固定中に容易に再転位を起こす可能性が高いと言えるでしょう。

以前、鎖骨骨折において保存的療法を行うべきか、それとも観血療法に委ねるべきか判断する太郎なりの検査方法についてお話しましたね。

鎖骨骨折−保存療法許容範囲の見極め(2006年7月15日)

この時のお話も、今日のお話に共通するところがありそうですね。


整骨太郎のホームページ
整骨太郎のひとりごと(Blog)−目次