昨日のBlogの後編として、「柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項(平9.4.17保険発57)(平14.9.27保医発0927003)−第6 施術録について」の通達内容を元にお話を続けます。


(9) 施術の内容、経過等

経過は、最低でも週に1回くらいは書きたいものです。
症状に変化が見られない場合でも、その旨を記載します。
なお、月初めの症状が全く改善されずに月末も同じ症状なんてのは、全くないこともないでしょうけど症状固定とみなされるかも知れませんね。

症状固定とは言葉のとおり、症状が固定していてそれ以上の加療によっても症状に改善の見込みが認められない場合を指します。
この場合は、健康保険施術の適用から除外となる可能性がありますね。

保険請求上で長期施術理由を記載する場合がありますが、この場合は施術録に記載した経過に基づいて書けば良いでしょう。
なお、長期施術理由書を療養費支給申請書(レセプト)に記載した場合は、その記載内容をそのまま施術録にも転記しておきましょう。

(10) 施術明細

施術明細は、患者さんが受療する都度記載するものです。
前述した「(9)施術の内容、経過等」への記載とは異なります。

分かりやすく言えば、「(9)施術の内容、経過等」への記載は各傷病ごとに「包帯固定を行った」とか「副子固定を除去した」、または「疼痛が軽減してきた」とか「ROM(関節可動域)が回復してきた」などと言うように文章化して書くものですね。
文章化と言うと丁寧な文章を想像される方もおられるかと思いますが、そうではなくて専門用語(医学用語)を用いた記述です。

それに対して「(10)施術明細」に記載するものは、言わば保険請求上に用いる処置等の記載と言えるでしょう。
ですから、ここには「初検料」「再検料」をはじめ「時間外加算」「整復料」「後療料」などの算定の有無を記載します。
ですから、「(10)施術明細」への記載は、患者さんの受療の都度記載しなければならないのですね。

また、この欄には、一部負担金や窓口徴収額などの具体的な金額の記載も必要です。
なお、一部負担金と窓口徴収額は一見同じように思えますが実は異なります。
保険請求上の一部負担金は3割などで10円未満の端数が生じます。
この時、10円未満の端数については四捨五入します。
ですから、保険請求上の一部負担金(四捨五入前の金額)と実際に窓口で徴収する学(四捨五入後の金額)に差異が生じるのです。

(11)施術料金請求等

前述した「(10)施術明細」には受療日ごとの総費用額(保険施術の10割相当額)や一部負担金が記載されていますね。
保険請求は毎月月末の施術を終えてから、その1か月分の施術について行います。

と言うことは、「(10)施術明細」に記載された1か月分の総費用額(合計金額)とレセプトに記載された総費用額は同じになるはずですね。
また、保険請求上の一部負担金にしても、施術録に記載された金額とレセプトでは同じにならなければいけません。

開業柔道整復師は皆、保険請求事務を行う時に、レセプト上の金額と施術録に記載された金額に相違がないか確認を行います。
ですから、施術録の施術明細欄には月末の施術日を記載した行の下に線を引き、その月の総費用額や一部負担金額などを合計して記載しています。

レセプトはコンピュータが書き出してくれますが、この対比を行うことによって入力ミスを見つけることができるのです。
でも、これが結構、面倒なんですよね。(^^;
とは言え、太郎の接骨院を含めて多くの接骨院では事務員さんに任せているでしょうけどね。(^^ゞ

(12)傷病手当金請求等

休業証明と呼ばれるもので、患者さんが傷病のために会社を休まなければならなくなった場合、その意見書を交付します。
その交付を行った場合、労務不能期間をはじめ施術回数や意見書交付年月日などを書きとめておくものです。


「施術録の記載項目」については以上です。
「施術録の整理保管等」については以下のとおりです。

(1)「施術録は、療養費請求の根拠となるもので、正確に記入し、保険以外の施術録とは区別して整理し、施術完結の日から5年間保管すること」

ここで注意すべき点は、これまでにお話してきた施術録というのは保険請求上のものであると言うことですね。
「保険以外の施術録とは区別して整理」と書かれています。

例えば、鍼灸の免許をお持ちの方であれば、柔道整復施術の補助として鍼灸施術を行うと聞いています。
この時の鍼灸施術は自由施術に該当しますね。

施術録にはついつい鍼灸施術の内容を書きたくなるでしょうが、鍼灸施術の施術録は(柔道整復施術の)施術録とは別途に作成しなさいと言うことですね。

また、施術録の保管は「施術完結の日から5年間」です。
「施術完結の日」と言うのは、その施術録への記載が終わってしまったことを指します。
要するに、その施術録に記載された傷病が治癒、中止、転医などの場合ですね。

傷病が治癒してから5年間です。
ですから、施術録ごとに保管期間が異なるわけです。
参考までに、平成19年1月24日に施術が完結した場合は、平成24年1月23日まで保管する必要があります。
5年間って規定されているものの、多くの接骨院では実際、永久保存しているのではないでしょうか?
太郎の接骨院でも22年前の開業当初からの施術録を保管しています。(*^_^*)
膨大な量になりますから、施術録保管室を用意しているほどです。
・・・実は物置ですが。(^^;

(2)「施術録は、保険者等から施術内容について調査照会のあった場合は直ちに答えられるよう常時整備しておくこと」

保険請求上に疑義があった場合などには施術録の提示を求められます。
その時、施術録とレセプトの内容を照らし合わせて符合しているか確認されるわけです。
確認されるのは「(10)施術明細」のみにとどまらず、施術録記載事項の全てです。
当然、昨日のBlogに記載の「(2)負傷年月日、時間、原因等」にはじまり「(3)負傷の状況、程度、症状等」、今日のBlogに記載の「(9)施術の内容、経過等」に及びます。

施術録の提示を求められてからチェックして、記載漏れを補おうなんて考えでは到底間に合いません。
日ごろから施術録記載項目を念頭に入れて作成しておくことが大切ですね。


さて、昨日と今日の2日間に分けてお話した「施術録の記載・整備事項」についてのお話。
長いBlogになってしまいましたが、最後まで読んで頂いて有難うございました。m(__)m


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