頸の回旋運動の多くは環椎(第1頸椎)と軸椎(第2頸椎)によって行われていますね。

環椎と軸椎との間には3つの関節があります。

環椎の歯突起窩と軸椎の歯突起の前関節面との間で構成される正中環軸関節、環椎の下関節窩と軸椎の上関節面との間で構成される外側環軸関節です。

正中環軸関節1つと外側環軸関節は左右にありますから2つ、合計で3つの関節がありますね。

頸の回旋運動において正中環軸関節では、歯突起の周りを歯突起窩が回ります。
一方、外側環軸関節では軸椎の上関節面の上を環椎の下関節窩がスライドします。

画像を見ても分かるように、頸の回旋では外側環軸関節において関節面が1/2〜1/3しか接触を保たない状態になっています。

頸回旋時、外側環軸関節では亜脱臼状態になる。









頸を左右に回旋させることによって、外側環軸関節が亜脱臼の状態を呈しているとも言えるでしょう。

この状態ではまだ生理的な状態ですが、これよりさらに回旋が強制されると外側環軸関節において回旋(回転)脱臼を起こします。

さて、頸部の筋緊張を取り除くのを目的としてでしょうか?・・・画像のような手技を行う話を耳にします。

頸の回旋運動を他動的に強制するのは危険?






患者さんの顎と後頭部を持って、頸の回旋運動を強制する。
ゆっくりと回旋を行うのであれば問題ないでしょうが、スピードを加えて回旋運動を強制する人もいるようです。
また、回旋運動がその可動域いっぱいで止めるのであればまだしも、スピードがついた惰性で可動域を超えてしまうような回旋運動を強制する場合もあるようです。

このようにして頸の回旋運動を強制する手技を行っている人は、外側環軸関節が生理的な亜脱臼状態を越えないように気をつけて行っていると思われます。
でも、この手技を理解できていない人は気をつけなければいけませんね。

外側環軸関節が脱臼してしまうまでに至らなくても、関節可動域を超える関節運動の強制によってまず軟部組織の損傷が起こります。
頸で言えば、この運動の強制によって寝違えのような症状を招くのです。

【参考文献】
「骨折・脱臼」冨士川恭輔ほか編・南山堂・2002年3月第1版第2刷


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