柔道整復師は患部を検査する時、全神経を指先に集中させる必要があります。

骨折の固有症状の一つには、軋轢音(あつれきおん)がありますね。
軋轢と言うくらいですから、ついつい耳で聴く音を想像しがちですね。

軋轢音の中には耳で聴けるものもありますが、もっぱらこれは指で聴く(感じる)ものなのです。

太郎が学生の頃は、軋轢音を握雪音(あくせつおん)とも習いました。

握雪音・・・雪を握った時に聴くことができる音ですね。
「キュキュッ」と言う音とでも表現できるでしょうか?

でも、これもまた耳で聴くことができる音を指しているのではなく、指先(手のひら)で聴く(感じる)ことができる音(感触)を指してます。

昨年、ペルー沖でエルニーニョ現象が起きたせいか、今年は暖冬のようですね。
この時期、太郎の学校付近では必ず年に1度や2度は雪が少し積もりますので、それを握ってもらって握雪音(軋轢音)を手で感じてもらうのですが、今年は実験できそうにないですね。(ーー;)

皆さんも、今度積雪があった日を機に一度、ひとかたまりの雪を手に取って、それを握って握雪音(軋轢音)を聴いて(感じて)みましょう。
そうすれば、イメージが分かりやすいでしょうね。

さて、教科書で「軋轢音は骨折の固有症状」とありますが、実はそうではありません。

変形性関節症(OA=osteoarthritis)、中でも手関節に見られますね。
前腕の遠位端を軽く持っておき、もう一方の手で手関節を背屈(伸展)または掌屈(屈曲)させると、その運動に伴ってキュキュッという軋轢音を聴ける場合があります。
肩鎖関節で見ることもあります。

手関節で軋轢音が認められる場合(骨折でない)は、遠位橈尺関節が離開気味であったり、TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷などを疑うべきものもありますが、多くは手関節のすぐ近位(遠位橈尺関節部)に対して環状にテーピングを施行することによって症状が緩和してきます。

肩鎖関節に認める場合は肩鎖関節脱臼や鎖骨外端部骨折の既往があり、それを病因に発症したもの。
この場合は、軋轢音は元より疼痛さえ和らげることが難しいようです。

なお、学生の皆さんは、「軋轢音=骨折の固有症状」と覚えていますね?
今日のBlogでは臨床的なお話を交えています。
ですから、「OAでも軋轢音が触知できる!」なんて覚えないように!

国家試験で間違えても、太郎は一切責任が取れません。m(__)m


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