太郎の学校附属接骨院に、上腕二頭筋長頭腱断裂の患者さんが来院されたとの報告を受けました。

76歳の男性(自営業)です。

自宅にて植木の手入れをしようと脚立(きゃたつ)に登り、電動工具を使用して作業中、バランスを崩すと共にその工具を落としそうになりました。
その際、体幹が斜め後方に傾き、右肩関節は軽度伸展および外転、肘関節はほぼ直角屈曲位で工具を持ち上げました。
その時に、右上腕部を負傷したものです。(受傷日は初検日当日)

初検時の症状は、右上腕上部後額面および上腕下部前額面に疼痛を訴えていました。
この時の外観には腫脹や皮下溢血をはじめ著変を認めていません。

受傷から15日後の段階では、疼痛も減少していました。

しかし、受傷から36日後の来院時、外観に変化を認めました。

肘伸展位では分かりにくい




【画像 

【画像 曚鷲関節を伸展位にて観察した様子です。
これを見る限りでは、特に異常が認められません。

肘伸展位側面では筋腹の位置がやや低いように見える




【画像◆

【画像◆曚脇韻犬肘関節伸展位で側面から観察した様子です。
画像からでは見にくいですが、目視した上では患側(右)の上腕二頭筋筋腹の位置が幾分低いのかな?と言う感じがします。

肘屈曲で二頭筋腱断裂が歴然となる




【画像】

肘関節を屈曲してもらいました。
そうすると、明らかに筋腹が下がってしまっているのが確認できます。

肘屈曲位ではまるでコブのように見える筋腹




【画像ぁ

まるでコブのようにも見えますね。

健側と比較するまでもなく異常は確認できる




【画像ァ

患者さんに力を入れてもらって肘関節を屈曲してもらうほど、コブが顕著に出てくるようです。

ただし、肘関節の自動屈曲は可能ながら、せいぜい重力に抗して屈曲できる程度で、筋力低下は著明です。

受傷から36日後にこの外観を認めたのですが、この日来院して指摘されるまで、患者さんは上腕部の変化に気付いていませんでした。

この6日前(受傷から30日後)に来院された時も外観には変化を認めていませんでしたが、この日に患者さんからあった訴えが記録されていました。

「洗面器でお風呂の湯をすくった際、肩の前面(結節間溝部付近)に痛みが走った」と言うのです。(この時の受傷は最初の受傷から29日後)

年齢的な要因から最初の筋挫傷の回復にも時間を要していたところ、29日後に再受傷したものと思われます。

また、29日後の再受傷に際してテーピングで環状に固定したものの、それでも時間の経過に伴って徐々に断裂が進行し、結果、完全断裂にまで及んだものと考えられますね。

今回のケースは、指導管理の方法によっては予防できたかも知れませんね。


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