昨日のBlog「医療機関への紹介状の書き方」では、施術を行っている患者さんが眼に痛痒感を訴えた場合を例に、眼科医院に対する紹介状の記載例と実際に返信されてきたお礼状を紹介しました。

今日のBlogは、右肘頭外側(橈側)に直径1cm大の限局した腫脹と同部の圧痛を訴えて来院した患者さんを例にお話します。

自動車の運転中、窓を開けた状態のドアの部分に肘を載せた時、肘に痛みを感じました。
左手で触れてみると小さなピンポン球の半分のように膨(ふく)れています。
じっとしていれば痛みがないものの、肘関節を動かしたり、腫れた部分に触れたり、その部位に物が当たると痛みを訴えます。

この患者さんはこれを、打撲(?)と思って太郎の接骨院を受療したようです。
一見してガングリオンのように見えますが、アテロームとか粉瘤(ふんりゅう)と呼ばれる良性の腫瘍です。
当然、アテロームは私たち柔道整復師の専門外ですね。

アテロームとは別に打撲や捻挫の所見が認められれば、その傷病(打撲や捻挫)に対して健康保険施術を行うことができます。
でも、単にアテロームを外傷と勘違いして来院された場合は整形外科に紹介します。

この患者さんには柔道整復師が専門とする外傷所見が認められなかったため、外科医院に紹介しました。

その時の外科医院からの返信が画像です。

外科医院からの返信






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整骨先生 殿

御紹介いただきました ○○○○ 氏につき御参考までに所見その他下記のとおり御報告申し上げます。

粉瘤(アテローム)と考えます。
疼痛ありますので、少し感染しているものとしてマイシン投薬いたします。


     ○○医院 ○○○○(印)

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(太字は医師の自筆部分)


残念ながら、この時の症状については施術録に記録していましたが、昨日のBlogと同様に紹介状の控えがありませんでした。

従って、今日のBlogでもこの患者さんの紹介状を作成例として掲載しておきます。

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紹介状


○○医院
 ○○○○先生 侍史


患者 ○○○○ 殿(○歳)


いつもお世話になります。
上記の患者、右肘部に腫瘤を訴えて当院に来院したものですが、私の専門外と推察します。
つきましてはお忙しいところ誠に恐縮ですが、先生の元でご高診ご処置のほどお願いします。

平成○年○月○日

○○県○○市○○(〒XXX-XXXX)
 太郎接骨院 柔道整復師 整骨太郎(印)
 Tel.XXXX-XX-XXXX Fax.XXXX-XX-XXXX

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【ポイント】

冒頭に「紹介状」と書きます。

紹介先医療機関名称、医師氏名(フルネーム)を書き、その後に続ける「侍史」はやや小さめの文字で書きます。

患者氏名はフルネームで書き、年齢または生年月日を書きます。

本文は簡潔に書きます。
本当は挨拶文も不要と聞きますが、それではあまりにも失礼か?と思って太郎は「いつもお世話になります」だけ書いています。

また、本文中には原則、病名を書きません。
柔道整復師には診断することが許されていませんから、診断名を記載することは控えるべきでしょう。
何よりも、今回のアテロームは柔道整復師の専門外です。
ここでは、アテロームを「腫瘤(しゅりゅう=こぶ)」という表現に置き換えていますね。
あえてアテロームという表現を使うのでしたら「アテロームかと推察します」などとして、決して断定しないことが肝要です。

(悪い例)「上記の患者、右肘にアテロームを認めます」

昨日のBlogと同様に、今日のBlogの患者さんも対診ではなく紹介ですね。
本文の終わりの方に「ご高診ご処置のほどお願いします」とありますが、これは紹介の時に用いる文。
「ご高診」で紹介先の先生の診断を敬(うやま)った上、「ご処置」で紹介先の先生の元で手当ても依頼するものです。

一方、骨折や脱臼の後療施術に対する同意を得ようとする場合や、加療途中の患者さんの傷病についてアドバイスを求めようとする場合のいわゆる対診(依頼状)においては本文の終わりに「ご高診ご教示をお願いします」とします。

「ご高診」はいずれにも用いますが、「ご処置」と「ご教示」はそれぞれ紹介状と依頼状に分かれます。
ちゃんと使い分けしないと、紹介先(対診先)医療機関ではどのように対処すれば良いのか困ってしまいます。

続いて、紹介状作成年月日を記します。

そして、施術所所在地(郵便番号を含む)、施術所名称、柔道整復師である旨および柔道整復師氏名ですね。
なお、柔道整復師である旨は省略しても良いでしょう。

柔道整復師氏名の最後の文字(整骨太郎の場合では「郎」の文字)の右半分に印影がかかるように認印を押印します。


紹介状を入れる封筒の書き方は、以前のBlogでお話した「依頼状を入れる封筒の書き方」と同じです。


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