先日のBlog「医療機関への紹介状の書き方(2)」の中で、紹介先医療機関から届いた返信には粉瘤(アテローム)という標記がありました。

私たち柔道整復師が見かける軟部腫瘍にはそれ以外に脂肪腫やガングリオンが考えられます。
今日のBlogでは、医学書を元にこの2つについてまとめておきましょう。


脂肪腫(lipoma)

・最もよく見られる軟部腫瘍の一つ。
・成熟した脂肪組織からなる。
・40〜60歳で腫瘤が顕著となることが多い。
・一般的に疼痛や機能障害を伴わない。
・表在性と深部発生のものがある。
・無症状の弾性軟な腫瘤で氷で冷やすと硬くなる。
・5cmを超えることがしばしば。
・良性ではあるが巨大となる代表的な腫瘍。
・診断確定はCTやMRIで脂肪組織の信号をもってするのが有用。
・治療は単純摘出術を行う。
・筋肉内に浸潤するような脂肪腫(筋肉内脂肪腫)は再発しやすい。


手は、腫瘍の発生が比較的多い部位です。
発生する腫瘍は多彩ですが、真性腫瘍でない腫瘍類似疾患が好発することが特徴と言えるでしょう。
そして、その多くは良性腫瘍で、悪性腫瘍の発生は5%以下と言われています。


ガングリオン(ganglion)

・弾性のある丸い腫瘤として関節近傍に発生。
・関節包や靭帯と連続していることが多い。
・手掌遠位および指基部のガングリオンはretinacular ganglionと呼ばれ、指屈筋腱の靭帯性腱鞘から発生。
・圧痛を伴うことが多い。
・発生原因は不明だが、本体は結合組織の粘液変性を伴った退行性変性で真性の腫瘍ではない。
・発生部位、表面が平滑で基底部以外との癒着がないこと、および特有の弾性等の所見により診断が可能。
・診断が困難な場合は穿刺でゼリー状の粘液を確認するか、CT、MRIや超音波断層法などの画像診断を行う。
・保存療法は穿刺あるいは穿刺後に副腎皮質ステロイドを注入する。
・保存療法の効果がなく、疼痛がある場合や整容的に問題がある場合は手術によって摘出。


なお、アテロームに関する解説は見つけられていません。m(__)m


【参考文献】

「標準整形外科学」第9版第4刷・鳥巣岳彦ほか編集・医学書院・2006年5月


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