【症例1】

バスケットボール部に所属する14歳の女子中学生が、着地と同時に膝を捻ったとして太郎の学校附属接骨院を訪れました。

右膝蓋腱に疼痛を訴える疼痛は、脛骨粗面に及んでいます。
【画像 は、膝を屈曲させて側面から見た患部です。

オスグッド・シュラッター病




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脛骨粗面部の隆起が著明ですね。

健側と比較すると、患側の脛骨粗面部の隆起は一目瞭然です。【画像◆

脛骨粗面の膨隆が確認できる。




【画像◆


何回か附属接骨院で加療しましたが、疼痛に改善が見られず整形外科に対診したところ、Osgood-Schlatter(オスグッド・シュラッター)病と診断されました。
また、その整形外科において数週間後、手術を行うとのことです。

Osgood-Schlatter病は、大きな筋力が作動する骨突起に発生する牽引型骨端症の一つです。

大腿四頭筋の過度の収縮の繰り返しによって膝蓋腱の脛骨付着部(脛骨粗面)が慢性の機械的刺激を受けて発症し、脛骨粗面部の運動時痛と膨隆を生じます。
病態は、過度の牽引による脛骨粗面部の裂離損傷と言えます。
従って、スポーツ活動に伴って発症することが多いと言えます。

好発年齢としては12〜15歳の男児に多く、脛骨粗面に限局した圧痛が見られます。
一般に成長が終われば疼痛はなくなりますが、成人になっても疼痛が残存する例もあります。
局所の安静など保存療法で良いのですが、たびたび再発する例では手術も行われます。


【症例2】

オスグッド・シュラッター病は両側性が多い?




【画像】


【画像】は、太郎の接骨院で見たOsgood-Schlatter病です。
陸上競技部に所属する14歳の男子中学生が、走り幅跳びの着地とともに左膝を捻って来院したものです。

膝蓋腱の中央部付近から脛骨粗面にかけて圧痛が認められます。

【症例1】では患側だけに脛骨粗面の膨隆が認められましたが、【症例2】では患側は元より健側の脛骨粗面にも膨隆が認められます。

文献では、Osgood-Schlatter病の20〜30%が両側性であると記載されています。

太郎の経験上もそのように思いますが、片側性のOsgood-Schlatter病であっても、健側の脛骨粗面は患側と同程度の骨膨隆を認めるように思えます。

それは、Osgood-Schlatter病の発生機序から考えて、片側の脛骨粗面だけに牽引力が加わっていることは少ないからです。

また、太郎が経験したOsgood-Schlatter病でも何例かは手術を行ったケースがありました。
その時の手術法は、脛骨粗面部に横からドリルで穴を開けると聞きました。

太郎の経験上、手術の適応となるOsgood-Schlatter病は著明な疼痛と、膝を屈曲させて側面から見ると膝蓋骨(尖)よりも脛骨粗面が高くなるほど骨膨隆を呈するものです。
見るからに脛骨粗面の膨隆が著明で、【症例1】もそれに該当すると言えるでしょうか。

ただ、【症例1】は片側性ですね。
前述した手術法では術後、必ず骨の長軸成長が促進されるように思えます。

太郎が見たOsgood-Schlatter病で手術を行った例(いずれも両側性)では、術後数年以内に身長が15〜20cm伸びています。
たまたまなのかも知れませんが、この手術を行った人はいずれも180cm近い身長です。

【症例1】の片側(患側)だけに手術を行って、下肢成長に左右差が生じないか心配です。(^^;

脛骨粗面部の膨隆は著明




【画像ぁ



【参考文献】

「標準整形外科学」第9版第4刷・鳥巣岳彦ほか編集・医学書院・2006年5月

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