昨日のBlogに引き続き、今日のBlogでは脂肪腫についてお話しましょう。

これもまた、太郎の学校の非常勤講師である外科医(+内科)M先生のお話を元にしたものです。


【脂肪腫】(lipoma)


文献(注)では、脂肪腫は最もよく見られる軟部腫瘍の一つと記載されています。

ところがM先生によると、脂肪腫はそれほど多くなく、それよりアテロームやガングリオンの方がよく見かけるとのお話です。

太郎が今までに見たものでも、最も多かったのがガングリオン、次いでアテロームです。
脂肪腫は僅か1例でしたので、M先生のお話にもうなずけます。

脂肪腫はその字のごとく、脂肪が溜まって起こります。
アテロームと同様に、薄い線維性膜に包まれています。
脂肪組織が詰まった風船のような状態ですね。

また、脂肪が溜まって起こることから、脂肪があるところであればどこでも発生する可能性があります。

ですから、脂肪腫には表在性のものと深部発生のものがあります。
表在性のものは体表面上にコブとして出現し、深部発生のものは筋肉内などに浸潤して発生します。

私たち柔道整復師が見かけるものの多くは、上記のうち表在性のものと考えられます。

さて、指先で脂肪腫を触れた時の感触は、ガングリオンに似た緊満感があります。
ここで言う緊満感は、風船の中がいっぱいの水で満たされて、表面が緊張している状態と考えて下さい。

アテロームの一部を指で押した時はそこが凹み、元の形に復元されるまでには数秒〜数分を要しましたが、脂肪腫の場合はアテロームのように目に見えて凹みません。

脂肪腫の一部分を指で押した時、僅かにそこが凹む感触がありますが、緊満状態であるため押した方向にまるで脂肪腫が逃げてしまうかのようです。

なお、脂肪腫もアテロームと同様に無症状です。

文献では「無症状の弾性軟な腫瘤で、氷で冷やすと硬くなる」と書かれています。
手間と時間がかかりそうですが、これも鑑別に使えそうですね。

脂肪腫の治療方法は、手術的にこれを摘出します。
筋肉内に浸潤する筋肉内脂肪腫では再発しやすいとあります。

けれどもM先生のお話では、完全に脂肪腫を取り除くことは難しく、再発することが多いらしいです。


【参考文献】
「標準整形外科学」第9版第4刷・鳥巣岳彦ほか編集・医学書院・2006年5月


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