Web上で、「カイロプラクティックは国家資格(免許)ではないため違法だ!」という記述を見かけます。

柔道整復師免許を持った人でさえ、そう思っている人は少なくないようです。

カイロプラクティック(Chiropractic)はそもそも、アメリカの3大整体術の一つとして長い歴史の中、確立されてきたものです。

アメリカではカイロプラクティックの大学があり、医師と同じ扱いを受けます。

とは言え、日本でカイロプラクティックは医学的効果に関する科学的な評価が定まっていないとして研究がなされているところです。

厚生省(当時)健康政策局医事課長から各都道府県の衛生担当部(局)長に対する通知文書「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日/医事発第58号)の中では、カイロプラクティックについて以下のように記載されています。


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医事発第58号文書(抜粋)

いわゆるカイロプラクティック療法に対する取り扱いについて

近時、カイロプラクティックと称して多様な療法を行う者が増加してきているが、カイロプラクティック療法については、従来よりその有効性や危険性が明らかでなかったため、当省に「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設けて検討を行ってきたところである。

今般、同研究会より別添のとおり報告書がとりまとめられたが、同報告においては、カイロプラクティック療法の医学的効果についての科学的評価は未だ定まっておらず、今後とも検討が必要であるとの認識を示す一方で、同療法による事故を未然に防止するために必要な事項を指摘している。

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上記の記述に続いてこの文書ではカイロプラクティック療法を行う上での禁忌対象疾患を列挙し、これに該当するものはカイロプラクティック療法の禁忌として認識を促しています。


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医事発第58号文書(抜粋)

禁忌対象疾患の認識

カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般には腫瘍性出血性感染性疾患リュウマチ筋萎縮性疾患心疾患等とされているが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、椎間板ヘルニア後縦靭帯骨化症変形性脊椎症脊柱管狭窄症骨粗しょう症環軸椎亜脱臼不安定脊椎測彎症二分脊椎症脊椎すべり症などと明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象とすることは適当でないこと。

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また、以前のBlog「頸の回旋強制手技−環軸関節亜脱臼を助長?」でもお話したように、頸椎に対する急激な回転伸展操作は危険性を伴うため、これを禁止する旨が記載されています。


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医事発第58号文書(抜粋)

一部の危険な手技の禁止

カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頸椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。

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続いて、長期間または何回もカイロプラクティック療法による施術を行っても症状に改善が見られない場合には速やかに医療機関において精査を受けることを促しています。

また、カイロプラクティック療法について行う広告は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」や医療法の規制対象となることまで記載されています。


この通知から見ても分かるように、カイロプラクティックは医業類似行為の一つとして、国内で容認されているものです。

柔道整復師の行う施術も医業類似行為ですから、同じ範疇に含まれていると言っても過言ではありません。

カイロプラクティック療法はもはや、多くの国民に知れ渡っている民間療法の一つとして認識されています。

カイロプラクティック療法は健康保険の適用外ですが、それでも施術を受けようとする患者さんがいるということは、その効果も認識されている裏づけと言えるでしょう。

なお、カイロプラクティック療法でも、柔道整復師が行うものとされている外傷をはじめ、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の人たちが行うものとされているものについては施術することは許されません。
この場合は違法性が問われますが、これらに該当しないものは違法性を問われないということになりますね。

整骨太郎のホームページ
整骨太郎のひとりごと(Blog)−目次

「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日/医事発第58号)抜粋

適切な医療受療の遅延防止
長期間あるいは頻回のカイロプラクティック療法による施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、滞在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を受けること。

誇大広告の規制
カイロプラクティック療法に関して行われている誇大広告、とりわけがんの治癒等医学的有効性をうたった広告については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第12条の2第2項において準用する第7条第1項又は医療法(昭和23年法律第205号)第69条第1項に基づく規制の対象となるものであること。