昨日のBlogでは、接骨院の開業に際して新聞折込広告などを入れて宣伝する方法についてお話しました。

ところで、昨日紹介した新聞折込広告をはじめ、各戸へのポスティング、駅やスーパーでのチラシ配りのいずれにせよ、施術所の広告となって柔道整復師法第24条の規定が絡んできます。


広告の制限(柔道整復師法第24条)

(第1項)
柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。

柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
施術所の名称、電話番号及びその所在の場所を表示する事項
施術日又は施術時間
その他厚生労働大臣が指定する事項

(第2項)
前項第1号及び第2号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたってはならない。


柔道整復師法第24条第1項第4号の規定に基づく広告し得る事項の指定(平成11.3.29厚告70)

1. ほねつぎ(又は接骨)
2. 医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る)
3. 予約に基づく施術の実施
4. 休日又は夜間における施術の実施
5. 出張による施術の実施
6. 駐車場設備に関する事項


広告の制限は言わば、法第24条第1項(前述した 銑)および厚生労働大臣が指定する事項(前述した1.〜6.)に規定された内容以外のこと広告してはならない!とするものです。

ところで施術所の名称は、前述した規定だけに則れば「整骨」の文字の使用は許されないことになります。
でも、これについては現在、法律の上では認められていないことになっていますが、通達として認められているから良いでしょう。

【参考】施術所名称「整骨」は非合法か?

なお、「病院」「療養所」「診療所」「診察所」「医院」など病院または診療所に紛らわしい名称をつけることができないのは言うまでもありません。(医療法第3条)


「医療保険療養費支給申請ができる旨」は要するに、「保険施術が行える(各種健康保険取扱)」を意味します。
でも、「各種健康保険取扱」だけでは言葉不足であることが分かりますね。

法に則れば、下記のような表示が合法と言えるでしょう。

【例】
医療保険療養費支給申請取扱
(骨折または脱臼に対する施術は医師の同意を要します)

しかし、前述した厚生労働大臣の指定(2)にも不備があるように思われます。

【例】のような表示では、患者さんは「骨折または脱臼の場合は全て、医師の同意を得る必要がある」と誤解を招きそうです。
骨折や脱臼といえども、応急手当であれば医師の同意を得ることなく施術ができるわけですからね。(法第17条)

【例】に表示した( )内の記述は、むしろ後療施術に限定すべきでしょう。
しかし、「施術」や「後療施術」という用語は一般の人には馴染みのないところですから、いずれにせよ少なからずの疑問や誤解を招きそうです。

しかしながら、実際に接骨院の開業を知らせる広告は、太郎が目にする限りでは「各種健康保険取扱」とだけ書かれたものばかりです。

また、医療保険療養費支給申請(健康保険の取り扱い)のみならず、労災保険指名や医療保護指定などまで表示されたものも見受けます。

従って、法律上は前述したとおりであるものの、実際は「各種健康保険取扱」のみの表示であっても行政側が目をつむってくれていると解釈できそうです。


太郎が接骨院を開業した時は新聞折込広告を入れましたが、その文面も、当時の法第24条の規定(広告の制限)を逸脱する表示がありました。(^^;

ただ、広告を行うのに先立ち、太郎の接骨院所在地を管轄する保健所に原稿を見せた上で了解を取り付けました。


法第24条に関する取締りは、都道府県知事が行います。
とは言え、実務的には施術所所在地を管轄する保健所が行います。
施術所の開設届を提出する所と同じですね。

太郎が接骨院を開業した当時(20年余り前)では、接骨院の開業を知らせる新聞折込広告をはじめ、接骨院の看板への表示事項について相談に乗ってくれ、法の枠を超えた範囲内であっても実務的なレベルで認める意見を聴くことができました。


【参考】太郎接骨院の看板−言い訳(開き直り)


それから20年以上もの歳月を経ています。
近年はコンプライアンス(Compliance/要求や命令に従うこと、法令遵守)が重要視されていますから、今のこの時期、法第24条の枠を超える広告表示について保健所に問い合わせても、建前論しか聞けないかも知れません。(ーー;)

太郎のように、保健所に行って確認するだけの価値はありそうですけどね。


でも、保健所から認めてもらえる見解を得られたとしても、責任は開設者(および柔道整復師)にあることは言うまでもありません。

広告の制限に違反した場合の罰則は、30万円以下の罰金となります。(法第30条第5号)


要は、社会的な慣例上(?)、許してもらえる範囲内で広告を行うことが肝要です。

例えば、「医」や「科」の文字の使用であれば、許容範囲を超えていると解釈できそうです。


医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。(医師法第18条)

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。(医療法第6条の5)
1 医師または歯科医師である旨
2 診療科名
(以下省略)


具体的には、「接骨(整骨)医」「接骨(整骨)療養所」「接骨(整骨)科」などが挙げられます。
また、「○○治療院」「○○療院」なども認められません。(*1)


要は、接骨院の開業に際して行う広告では、どの部分が法に抵触しているのか、またどの部分が慣例上許されている部分(?)なのかを認識した上で行う必要があるわけです。

法には抵触しているけれども現行では目をつむってくれている(?)と思えば、当然の権利であるかのように主張することはないでしょうからね。(^^;


(*1)
「関係法規」前田和彦監修
社団法人全国柔道整復学校協会・医歯薬出版 編
医歯薬出版発行/2007年2月 第1版第7刷


【補足】
今日のBlogは太郎の経験談を元に、太郎の個人的な見解をお話しています。
法律の条文はそのまま掲載していますが、本文中の記述は「このようにすれば良い!」とか「この方法をお勧めする!」と言うものではありません。
施術所の広告の内容については、各自がコンプライアンス意識をもって行って下さい。
柔道整復師の団体に所属する人であれば、施術所の広告内容について所属団体執行部に問い合わせてみることをお勧めします。
なお、このBlogに掲載された内容を元に広告を行い、何らかの不具合が生じても、太郎は一切責任を負いかねます。m(__)m


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