開業柔道整復師のN先生から、保険請求のことで情報が得られました。

ただ、このお話はN先生ご自身が経験されたのではなく、N先生の知人であるS先生の体験談です。
ですから、今日のBlogはN先生からの聞き伝えとなります。(^^;

開業柔道整復師であるS先生の元へ、ある保険者(健康保険組合)から長期施術理由について照会する文書が届いたとのことです。

長期施術継続理由は「打撲」「捻挫」「挫傷」の傷病名がついたもので、初検日(その傷病の施療料算定日)から3か月を超えて継続加療する場合にレセプト(療養費支給申請書)に記載するものです。

照会のあった患者AさんのカルテをS先生が調べてみたところ、Aさんの施術は3か月を超え、その時もなお施術を継続していたとのことです。

ただ、S先生が申請したレセプトには長期施術継続理由が書かれてあるはずなのに、保険者から照会があったというのが不思議ですね。

話を聞いていると、どうやらその理由はS先生の書いた長期施術継続理由にあったようです。

S先生がレセプトに記載した長期施術継続理由は、例えば「疼痛残存中」とか「予後不良のため【注1】」など簡単な書き方だったようです。

S先生のお話によれば、上記のような書き方であれば、どの傷病に対しても用いることができるとか。

なるほど、そんな考え方もありますね。(^^;

確かにその傷病について長期施術を継続する理由は、疼痛がまだ残存していたり、思わしくない経過をたどっているのでしょう。

しかし、長期施術継続理由はもう少し具体的に書くべきでしょうね。

例えば「前距腓靭帯部に腫脹および圧痛を認め、内反制限を訴えている」とすればどうでしょう?

この記述には「足関節」という記述がありませんが、これを見るだけで足関節の損傷と分かりますね。

長期施術継続理由は特に、何を記載しなければならない!というルールはありませんが、施術を継続しなければならない理由(症状所見)をできるだけ詳細に、保険者に対して分かりやすく記載する必要があります。

なお、「保険者に対して分かりやすく」というのは「患者さんに伝えるような用語を用いて記載する」というのではありません!

長期施術継続理由に用いる用語は全て、医学用語で統一します。

「保険者に分かりやすく」というのは言い換えれば、柔道整復師や医師がそれを見てもうなずける記述にするということですね。

例えば、「肩関節周囲炎によって肩関節のROM(関節可動域)に制限を来たしている【例 曄廚箸いΔ里呂匹Δ任靴腓Δ?

一見して、医学用語で統一された理由ですが、そもそも肩関節周囲炎は私たち柔道整復師の施術範囲を逸脱している(いわゆる五十肩)と解されかねません。(ーー;)

長期施術継続理由書を書く時点(施術開始から3か月後)でなお、肩関節に炎症症状を伴うということ自体に疑問を感じますが、あえて【例 曚鮟颪換えるとすれば、次のようになるでしょうか?

「肩関節部の炎症症状が去り難く、肩関節のROMに制限を来たしている【例◆曄

【例 曚任△譴仍椽冏楼漏阿鰺由に療養費の支給対象でなくなる可能性がありますが、【例◆曚任△譴仍抖訛仂櫃任覆なる可能性はありません。

なお、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)は保険施術の対象外であることは言うまでもありません。

ところで、S先生のカルテには、レセプトにどのような長期施術継続理由を記載したか記録していなかったようです。

長期施術継続理由はカルテに記載されたそれまでの症状経過を元に記載しますが、レセプトに記載した長期施術継続理由はそのままカルテにも転記しておくべきです。(ー_ー)!!

また、S先生が記載していた長期施術継続理由の一つに「予後不良のため」というのがありましたね。【注1】

以前のBlog「予後の意味」でもお話しましたが、「予後」というのは将来の経過の予測についていうものです。

長期施術継続理由はそれまでの症状経過について述べています。
将来の経過ではありませんね?

ですから、長期施術継続理由でそれまでの経過が不良である場合は「予後不良」ではなく「経過不良」とするのが正解です。

S先生に対して長期施術継続理由の照会が行われた真意は分かりかねますが、S先生が記載した長期施術継続理由が具体的な記述でなかったことに原因があるように思われますね。

もしかしたら(?)、保険者の人が「予後」の意味を正しく理解していて、長期施術継続理由に記載された「予後不良」という表現の用い方に疑義を抱いて照会がなされたのかも知れません。(^^;・・・(そこまで指摘されないとは思いますが)


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