A健康保険組合では、平成11年9月から療養費の適正化に取り組み始めたようです。

ある会社では、A健康保険組合に加入する被保険者(社員)を対象に、次のような社内文書が配付されました。

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XXX
XXXXX-XXXXXX XXXXXXXXXX

TO: 健康保険被保険者 各位
COPY TO:
FROM: XXXX

SUBJECT: 柔道整復師(接骨院・整骨院)にかかわる療養費の取扱い変更のお知らせ

DATE: H11.8.23


健康保険証を使って柔道整復師(接骨院・整骨院)の診療を受けた時に発生する柔道整復療養費の事務取扱いの変更について、下記のとおりA健康保険組合から通知がありましたので、皆さんのご理解とご協力をお願いします。



1. 変更理由・・・
現状では、約半数の申請内容に何等かの不正が認められるため、柔道整復師(接骨院・整骨院)にかかわる療養費の適正化をより強化する必要があるため。(*1)

2. 変更時期と内容・・・
平成11年9月療養分から、柔道整復師からの申請内容に不正が認められた場合は、健保からの支払を停止します。


3. 接骨院・整骨院の受診の心得

柔道整復師に健康保険が使える場合
業務上および通勤災害以外で発生した、
「捻挫・打撲・挫傷」(挫傷の肉離れで、出血を伴う場合はかかれません)
「骨折・不全骨折・脱臼」応急手当(初回のみ)と医師の診察後、同意書がある場合にかぎり健康保険が使えます。(*2)

柔道整復師に健康保険が使えない場合(自費となります)
日常生活における単なる疲れ、肩凝り
スポーツなどによる肉体疲労、筋肉痛
医師が治療すべき腰椎椎間板ヘルニア
脳疾患後遺症などの慢性病
症状の改善がみられない長期かつ漫然とした施術(腰部捻挫等)

柔道整復療養費は、一般の保険医療機関と同様に保険証を提示すれば、一部負担金を支払うだけで施術を受けられますが、接骨院の場合には、印鑑が必要となります。(*3)
その理由は、患者自身が施術内容や療養費の額について確認し、署名・捺印を自ら行うためです。
従って絶対に白紙委任状(別紙「柔道整復療養費支給申請書」参照)に署名・捺印はしないでください。

<署名・捺印をする時のチェックポイント>
・診療日数(回数)の水増しがないか
・負傷理由の相違がないか
・負傷名(負傷部位)の付け増しがないか(一部位ごとに請求できるため)

以上

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太郎の接骨院を何年ぶりかに訪れたFさんは、おりしもこの当時、太郎の接骨院に通院していたそうです。

(*1)にあるように、「約半数以上の申請内容に何等かの不正が認められる」と書かれてあったので、太郎に言うに言われずそのままにしてあったとか。

半年ばかり後、健康保険組合から送付されてきた太郎の接骨院の療養の状況を確認して安心したとのことです。


しかし(*1)にあるように、約半数以上の申請内容に不正があるとするのは大げさですね。(ーー;)

A健康保険組合が加入する事業所に対して通知した内容にも問題がありそうですが、それだけではないでしょう。

このような通知がなされるからには、A健康保険組合が柔道整復師に対して相当な不信感を抱いていることが推測できますね。

要するに、この通知がなされた発端は、一部の柔道整復師の不正行為にあるのです。


(*2)には、骨折・不全骨折・脱臼の後療施術に際して医師の同意書を要する旨が記載されていますが、これはA健康保険組合の誤りです。

骨折・不全骨折・脱臼の後療施術で必要とする医師の同意は、どのような形であっても構いません。
医師が作成した同意書のような文書の形であってももちろん良いですし、口頭の同意であっても構いません。
例えば、電話で医師から同意を得ても構いませんし、柔道整復師が直接医師から同意を得なくても、患者さん本人が医師から口頭で同意を得ても良いのです。

同意に際して患者さんは医師の診察を受けていますから、患者さんが医師から「太郎先生のところで施術を受けて下さい」などという形でも同意とみなされます。

なお、医師から後療施術に係る同意を得た場合は、その旨を施術録に記載しておかなければ同意を得たとみなされません。

【施術録記載事項】
同意を得た年月日・同意した医療機関名・同意医師氏名


(*3)にある健康保険施術の取扱いにおいて印鑑を要するというのも、A健康保険組合の言葉足らずです。

健康保険施術を行うためには、療養費支給申請書(レセプト)に患者さん本人の署名が必要となります。
しかし、受傷部位が利き手であったり、患者さんが幼児であるなどの場合は署名ができないことがありますね。
そのような患者さん本人の署名が得られない場合は、認印または拇印を療養費支給申請書に押捺してもらい、柔道整復師が患者さんに代わって署名することができるのです。

ですから、健康保険施術の取扱いに際して必ず、印鑑を必要とするわけではありませんね。


近年、不正行為を行って処罰される柔道整復師が目立つように思われます。

今日のBlogで紹介した文書は平成11年のものですが、不正行為を行う柔道整復師が出れば出るほどこのような療養費の適正化に力が注がれるでしょうね。

これまでのBlogでは、負傷原因を確認する方法など健康保険施術を行う上で必要となる手続きをお話していますが、このような必要最低限のルールを守ることが大切ですね。

健康保険組合員に送付された内部文書












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