昨日のBlog訪問者数は218名で過去最高を更新しました。
喜ぶべきところなのでしょうが、先週および今週のTV報道を受け、業界外の人たちのアクセスが一気に増えたからだと思われます。(^^;

でも、太郎のHPをはじめこのBlogは一般の人に柔道整復師を紹介するのではなく、柔道整復師養成施設などに在学する学生や柔道整復師の人たちに対して情報発信するものであるため、参考にはならないと思います。m(__)m
なお、太郎のHPおよびBlogは、元はと言えば太郎が教鞭を執る学校の在学生や卒業生を対象に始まったものです。

平成17年に開かれた第162回通常国会の質問答弁(質問第13号)の記録があります。

南関東ブロックから選出された民主党(無所属クラブ)の衆議院議員である内山 晃氏による質問です。

内山氏はこの国会で「柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取り扱いに関する質問主意書」を提出、それに対して当時の小泉純一郎内閣総理大臣が答弁を行っています。


質問本文
柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取り扱いに関する質問主意書」
平成17年2月2日提出/質問第13号


答弁本文
「衆議院議員内山晃君提出柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取り扱いに関する質問に対する答弁書」
平成17年2月10日受領/答弁第13号
内閣衆質162第13号/平成17年2月10日


この中で、興味深い(?)内容がありましたので紹介しましょう。(^^;


質問主意書冒頭:
「柔道整復師の業務(一般的には骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷・腱鞘炎頸肩腕症変形性関節症等とされている)に関わる健康保険請求等の取り扱いについて、昭和11年に各都道府県ごとに所在の柔道整復師会と協定を結び料金表を定めて以来、委任払いの方式が取られているが、協定を結んだ際に骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷の5傷病としたことについて次の事項を質問する」


柔道整復師の業務範囲は骨折(不全骨折を含む)をはじめ、脱臼、捻挫、打撲および軟部組織の損傷(挫傷)であることは言うまでもありません。

でも、前述した質問主意書の冒頭では、柔道整復師の業務範囲が骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷のほか、腱鞘炎、頸肩腕症、変形性関節症等であると記載されています。

昭和11年当時、各都道府県ごとに所在していた柔道整復師会との間で結ばれた協定とあります。

さて、昔の柔道整復師の業務範囲は骨折をはじめとする外傷性疾患のほか、腱鞘炎や頸肩腕症、変形性関節症も含まれていたのでしょうか?

答えは知りません。
太郎は当時、柔道整復師ではありませんでしたし、それ以前に、この世に生を受けていませんでしたから。(^^;


質問主意書本文(1):
「厚生労働省は腱鞘炎・頸肩腕症・変形性関節症等の治療は柔道整復師の業務範囲として認めているが療養費請求の段階で「捻挫」にふり替えさせているのは何故か」


質問主意書本文にも、腱鞘炎、頸肩腕症、変形性関節症等が柔道整復師の業務範囲として厚生労働省が認めている旨記載されていますが、これについては答弁書があります。


答弁書(1)抜粋:
柔道整復師の業務範囲は「その施術の対象を専ら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など新鮮なる負傷に限られている」とされていることを踏まえ、一般的に骨折、脱臼、打撲、捻挫及び挫傷の施術と解している。
腱鞘炎等の施術がその業務範囲に含まれるか否かについては、慎重に判断すべきものであると考えている。


答弁書からも分かるように、柔道整復師の業務範囲は骨折や脱臼、それに捻挫などの軟部組織損傷です。

必然的に、これらの外傷が柔道整復師の保険施術範囲です。

よって、質問主意書にある腱鞘炎、頸肩腕症、変形性関節症は私たち柔道整復師の業務範囲外であることは元より、この傷病について医療保険療養費支給申請(保険請求)を行うことが行えません。

もちろん、単なる肩凝りについても同様です。

ところで、以前のBlogで「保険施術と自由施術の境界線−肩こりが誘因となる寝違え」についてお話しましたね。

肩凝りというのは症状の一つで傷病名ではありません。
しかし、単なる肩凝りの場合は傷病名(疾患名?)として用いられているようですね。

Blogでは、単なる肩凝り症状を呈している段階では保険施術の適応外となりましたが、それに起因して寝違えを起こすなど外傷が発生すれば保険施術の適応となることをお話しました。

肩凝りの段階で施術を行えば寝違えを予防できたかも知れませんが、これを保険施術の適応としてしまうと、それでなくても逼迫している医療保険財政は破綻しかねません。

また、見かけは肩凝りでも内科的な疾患に起因して肩凝り症状が起こっているものなど、医師の診療を受けるべきものも多く存在します。

このような理由から(?)、肩凝り症状が頸部(頸椎)捻挫などの外傷性疾患に移行するまでは保険施術ができないと考えられます。

また、変形性関節症は医師の業務範囲となりますが、これによって関節拘縮が生じると捻挫を受傷しやすいですね。

変形性関節症であれば保険施術の適応からはずれるものの、それが誘因となって捻るなどし、外傷性疾患(捻挫)を受傷すれば保険施術の適応となります。


以前、「カイロプラクティックは違法?」というお話をBlogでしました。

カイロプラクティック療法を行う人たちは、柔道整復師の行う保険施術とは全く縁がありません。

この人たちは、医業類似行為者として肩凝りをはじめ、腱鞘炎、頸肩腕症、変形性関節症に対する施術がある意味、認められていると解すことができますね。

柔道整復師であっても、柔道整復師法上の柔道整復師として施術を行うのであれば業務範囲は骨折をはじめとする外傷性疾患に限定されてしまいますが、柔道整復師としてではなく、単なる医業類似行為者(柔道整復師を除く)の一人として施術するのであれば、カイロプラクティック療法を行う人たちと同様に業務範囲(?)が拡大されますね。

ただ、柔道整復師の場合は骨折をはじめとする傷病を限定して保険施術の取り扱いが行えるから問題です。

本来、柔道整復師の業務範囲(保険施術適応疾患)とされていない単なる肩凝りや腱鞘炎などを、保険施術の対象として請求を行っている人がいるようです。


コムスンの介護報酬の不正請求が報道されてまだ間がありませんが、大阪朝日放送ではコムスンより柔道整復師業界の不正請求の方が根深いと報道されたようです。

一部の不正を行う柔道整復師がいるために、他の多くの柔道整復師が迷惑をこうむります。

肩凝り症状を訴える患者さんが来院した時はまず、捻挫等の所見の有無を見て、保険施術の範囲内かどうか確認することが肝要です。

保険施術の適応であれば問題ありませんが、保険施術の適応外であればはっきりとその旨を患者さんに伝えます。

保険適応外であっても施術を望まれるのであれば、自由施術として行えば良いでしょう。

太郎の接骨院でも時々、単なる肩凝りだからという理由で施術をお断りすることがあります。

患者さんに対するサービス精神からか(?)、肩凝りなどの保険施術適応外のものでも保険施術として行うのでしょうが、いろんな業界で法令違反や不正が取り沙汰されている時代です。

「単純な肩凝りですからこれは、保険施術の適応となりません!」とはっきり言った方が、かえって私たち柔道整復師のコンプライアンス精神が評価されるのではないでしょうか?


整骨太郎のホームページ
整骨太郎のひとりごと(Blog)−目次