6月19日(火)、大阪朝日放送「ムーブ!の疑問」という番組で、「接骨院業界における健康保険の不正請求」とう報道がありました。

コムスンの介護報酬不正請求事件は記憶に新しいところですが、この介護報酬の不正請求よりも接骨院の不正請求の方が根深いのでは?とするものです。

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「コムスン社の不正行為について思うこと」


番組の中では、関西で接骨院を開設する柔道整復師のコメントが寄せられています。

この開業柔道整復師の人によると、「疲れによる慢性的な肩凝りも、健康保険に提出する申請書には保険が適用される捻挫などと書いて出します」とのことです。

慢性的な肩凝りは、言うまでもなく保険施術の適応となりません。

とは言え、例えば寝違えや鞭打ち損傷などの外傷性疾患は保険施術の適応となりますね。
この寝違えや鞭打ち損傷に付随して出現した肩凝り症状は保険施術の適応です。

また、以前のBlogでもお話しましたが、肩凝りが誘引となって寝違えなどを受傷する場合もあります。

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「保険施術と自由施術の境界線−肩こりが誘因となる寝違え」


この場合、寝違えを受傷する以前の肩凝り症状は保険施術の適応とはなりませんが、寝違えは保険施術の適応となります。

肩凝りというのは一つの症状であって病名ではありません。

保険施術の適応とならない慢性的な(純然たる)肩凝りは別として、いずれかの外傷に付随する肩凝り症状は保険施術の適応となります。

要するに、肩凝りの全てが保険施術の適応外ではないということです。

私たち柔道整復師は肩凝り症状を訴えて来院する患者さんに対して負傷原因をはじめ、僧帽筋など頸部の筋や頸部の可動域を確認し、外傷性疾患としての所見の有無を確認すべきです。

筋損傷所見(圧痛など)を認めるなどして外傷性疾患と判断できれば、頸部捻挫(または頸椎捻挫)として保険施術の適応とすることができます。

また、もし筋損傷所見などを認めずに外傷性疾患と判断できない場合は、保険施術の適応でない旨を患者さんに告げると共に、それに対して施術を行う場合は自由施術(実費施術)となる旨を伝えるべきでしょう。

なお、慢性的な肩凝りに対して自由施術を行う場合は、柔道整復師としてではなく医業類似行為者(柔道整復師を除く)として施術に当たることになります。

日ごろからこのように対処していれば、自ずと慢性的な肩凝りを訴える患者さんは減ってきます。
元より太郎はマッサージが苦手ですから、肩凝りで太郎の接骨院を受療する患者さんはそう多くありませんが。(^^;


関西の開業柔道整復師の人は自らが行っている不正を述べているようですが、だからと言って開業柔道整復師の皆がそのような不正を行っているわけではありません。

「まぁ、全てとは言いませんが、(不正は)みんなやっていますよ」とのコメントも続きましたが、これではほとんどの開業柔道整復師の人が不正を行っているとしか取れません。

コンプライアンス意識を持って、真面目に施術に取り組む開業柔道整復師もいるのです。

失礼ながら、自分がやっているからと言って皆もやっているという考え方は間違えているように思います。

また、柔道整復師のほとんどが不正を行っているという発言は、業界全体に対して大きな不信を招きかねません。

以前、柔道整復施術が今後、保険適用を受けられなくなるのでは?というBlogを書きましたが、このような無責任な発言によって保険適用が受けられなくなる可能性も否定できません。

【参考記事】
「柔道整復師の今後−柔道整復施術の保険適用がなくなる?」


コムスンの介護報酬不正請求から日が経たないうちに、今度は北海道のミートホープ社の食肉偽装事件です。

いずれも、コンプライアンス(法令遵守)意識やモラルの低下が招いた事件です。

私たち柔道整復師もコンプライアンス意識やモラルを持って、施術に取り組まなければならないのは言うまでもありません。


【追記】
昨日(6月26日)放送された同番組では、「反響続々・・・接骨院の不正請求の実態」というタイトルで先週の続編が報道されたとのことです。


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