新しい試みとして先日のBlogでは、太郎の接骨院を受療した患者さんの症例を臨床実地問題の形式で掲載しました。

柔道整復師の人をはじめ、学生の皆さんからはいろんなコメントが寄せられました。

それぞれに着眼点が異なり、考え方があることを知り、太郎も大変勉強になりました。

臨床実地問題(1)に対するコメントも一段落したようなので、今日のBlogでは解答を交えながらお話を進めていくことにします。

さて病変は?(1)




【画像 


60歳の主婦Aさん。

自宅の座敷に座っていて、立ち上がろうとしたところをよろめいて、右手を衝いて受傷したものです。

手を衝いた際、拇指は掌側内転・尺側内転し、床面と手掌で挟み込むようになったとAさんは訴えます。【画像◆

Aさんの受傷肢位




【画像◆


Aさんは、4年ほど前にも手を衝いて右拇指を負傷して太郎の接骨院を受療した既往があります。

この時の外観も【画像 曚房┐垢茲Δ法CM(手根中手)関節で中手骨が橈側に偏位しているように見えました。

でも、脱臼に見られるはずの弾発現象はなく、自動的に拇指を橈側外転した際と、Eichhoff testを行う肢位を取ると僅かに疼痛を訴える程度です。

従って、自動運動で見る限りではROMに障害を来たしていません。

しかし、他動的に橈側外転させ、それが最大外転位にまで及ぶと疼痛を訴えます。

以上の記述だけでは脱臼の疑いがなくなりつつありますが、拇指を長軸方向に軽く牽引しながら中手骨底部を尺側に押してみると、CM関節がスライドするのが触知できました。

なお、骨折を示唆する腫脹や限局性の圧痛はどこにも認めません。

その時、太郎はCM関節の亜脱臼を疑いました。

【手根中手関節脱臼】
きわめて稀な脱臼であるが、その中では第1手根中手関節が最も多く、次いで第5手根中手関節の脱臼が多い。
中手骨部の過度の屈曲や側屈が強制されたときに発生する。
手および手指の短縮と脱臼部が掌側あるいは背側に突出する。
疼痛も当然伴う。

教科書(*1)には、上記のように記載されています。

Aさんが4年ほど前に受療された際、Aさんの拇指CM関節の亜脱臼を疑ったものの、自発痛を伴わない上、運動痛が顕著でないこと、ROMが正常に近いことなどから整復操作を試みずに整形外科に対診を行いました。

対診の結果、CM関節不安定症と診断されました。

CM関節の補強靭帯がloose(ルース)となった状態とのことです。
その結果、捻挫が起こりやすくなるようです。

なお、CM関節で脱臼は認められず、亜脱臼位にあるわけでもないとのことでした。(ーー;)

治療としては、疼痛が治まるまでCM関節の固定を行うとのことです。

疼痛が治まらなかったり、再々、同じような症状が出る場合は、観血的に処置を行うとのことです。

4年ほど前の受傷時、Aさんは対診先の整形外科で前腕中央部から拇指IP(指節間)関節を含めるまでの範囲で、IP、MP、CMおよび手関節を完全に固定してしまう装具の着用を促されました。
その装具は、CM関節を尺側に押圧するように成形されていました。

その後も引き続いて太郎の接骨院を受療したAさんは、整形外科で指示された装具を着用しなくても良いまでに疼痛が治まりました。

しかし、CM関節の不安定感を訴えると共に、CM関節を尺側に押圧すると疼痛がある旨訴えます。
整形外科で指示された装具の着用を勧めるものの、窮屈で日常生活に支障があるとして、受け入れようとしません。

CM関節不安定症用サポータ




【画像】


そこで、【画像】にあるようなマジックベルトの装着を提案しました。

このマジックベルトは医療用具ではありません。
ホームセンターなどで、物を固定するのに用いるベルトです。
いろんな長さのものがありますが、30cm程度のものがお勧めでしょうか。(患者さんの手に合わせて選びます)
主に、キャンプ用品売り場に置かれています。
価格は僅か数百円です。(^^♪

CM関節不安定症用サポータ装着例




【画像ぁ


【画像ぁ曚魯泪献奪ベルトを装着した様子です。
CM関節を尺側に押圧すると共に、拇指は橈側に外転を強制します。

このマジックベルトの装着によって、Aさんの疼痛は改善されました。(*^^)v

整形外科で指示された装具よりも、これの方が日常生活にも支障を来たしにくく、Aさんはお気に入りのようです。(^^;

長い間、CM関節に疼痛を伴わなかったAさんでしたが、先日、冒頭でお話したような発生機序でCM関節を負傷してしまいました。

あいにくAさんが受傷した日は、太郎が学校に出向いている日でした。
太郎が学校へ出向いて教鞭を執る日は、太郎の接骨院がお休みとなっています。

Aさんは、太郎の施術を受けるまでの間、太郎お勧めのマジックベルト固定を行っていたようです。

その結果、初検時の【画像 曚任蓮▲泪献奪ベルトの跡形がくっきりと残っていたわけですね。


(*1)
「柔道整復学−理論編(改訂第4版)」
社団法人全国柔道整復学校協会・教科書委員会 編集
南江堂/改訂第4版/2003年4月


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