きちんと書き留めていなかったので記憶があいまいですが、7/10(火)に放送された「ムーブ!の疑問」の中で、療養費支給申請書(以下「申請書」といいます)への署名時期について触れていました。

患者さんが申請書に署名するのは、その月で最初に施術を受けた日である旨、番組にゲスト出演された全国柔整鍼灸協同組合(全柔協)の岸野雅方理事長がコメントしていました。
申請書への署名は、患者さんが柔道整復施術を受けるのに際して、療養費の受領委任を行うためのものです。

番組のコメンテーターは「申請書には、施術が完結した日(施術が2か月以上にまたがる場合は月末を過ぎて)に署名してもらうべきでは?」とのコメントをしていましたが、これでは署名をしてもらうまでの間、患者さんには施術料金の10割額を負担してもらう必要が生じ、受領委任払い制度本来の趣旨からはずれてしまいます。
従って、申請書に署名してもらうのは初検月であれば初検日、再検月であれば当該月で最初に施術を受けた日で問題ありません。

ところが、コメンテーターが「岸野氏の開設する接骨院では初検日のどの時期(タイミング)において、患者さんに署名してもらいますか?」という質問をしたところ、同氏は「患者さんが施術を受ける前(施術の申し込み段階)に署名してもらいます」と答えました。
柔道整復師の団体の長である人が発言しているのですから、このやり方に問題があるはずはないでしょうが、太郎の個人的な意見としては、このやり方では誤解を招く恐れがあるのでは?と考えます。

同氏の接骨院では、健康保険被保険者証の提示と共に、支給申請書への署名をもって施術の申し込みに代えているようです。
恐らく、この時点で負傷原因を聴取するなどして保険施術の適用であることを確認の上、申請書に署名してもらっているのであろうと思います。
しかし、負傷原因の聴取をはじめ、症状の確認は柔道整復師が施術室で行うものです。

全柔協では、「慢性疾患に伴う痛みでも、保険施術の適用かどうか鑑別を行っている」とコメントしていました。
これは、一見して変形性関節症など慢性疾患に起因する疼痛に見えるものの、実は負傷原因が存在して外傷性疾患であると判断でき、捻挫等の所見が認められるものを指していると思われます。
変形性関節症の人は比較的容易に靭帯損傷を起こしやすいため、変形性関節症に起因して外傷性捻挫が起こったというものです。
この場合、変形性関節症は保険施術の適用外ですが、靭帯捻挫については保険施術の適用とすることが可能です。

以上のような場合を踏まえて同氏は、「施術の前に申請書への署名を求める」とコメントしたのでしょうが、「施術の依頼=受領委任契約の締結」と考えるのは幾分、短絡的かも知れませんね。

それよりもむしろ、〇椽僂琉様蠅あって、⊂評所見を確認し、傷病にかかるインフォームド・コンセント(IC)を行い、a)保険施術の適用範囲内であれば保険施術を行い、a)施術終了後に申請書に署名してもらうことによって、a)施術料金の一部負担金相当額の負担で済むとする方が良いかも知れません。

⊂評所見の確認を行い、傷病にかかるICを行い、b)もし保険施術の適用外のものであればその旨を患者さんに告げると共に、b)自由施術としての施術を受けるかどうかの意思を確認します。
そして、b)それに同意が得られれば、b)自由施術を行うことになります。
この時、あらかじめ申請書に署名をもらってあったとしたら、施術終了後に申請書を破棄(患者さんの前で破るか、申請書を患者さんに返す)する必要がありますね。


【太郎が考えるお勧め事務手続き】

患者さんは施術の申し込みを行います。その際、健康保険被保険者証の提示を行ってもらいます。
施術室にて負傷原因を聴取すると共に、症状所見の確認を行います。

a) 保険施術の適用となる傷病の場合
保険施術の適用となる傷病であれば傷病にかかるICを行い、施術します。
施術終了後、申請書に署名をしてもらうことにより、施術料金の一部負担金相当額を徴収します。

b) 保険施術の適用とならないものの場合
保険施術の適用とならない旨を告げ、施術をお断りするか、自由施術に関する説明(施術内容および施術料金など)を行います。
自由施術の申し込みがあれば、自由施術を行います。
施術終了後、自由施術料金を徴収します。


太郎が考えた事務手続きの流れを示してみました。
負傷原因の聴取にはじまり、症状所見を確認するまで、その施術が保険施術となるかならないか判断がつかないものです。
ですから、負傷原因の聴取や症状所見の確認を経て、施術を実施した後(受領委任契約が履行されるだけの条件が整った後)、申請書に署名してもらうのです。

太郎の接骨院では、このような事務の流れで申請書に署名を頂いています。
施術の後、申請書に署名を拒む人はまずいませんが、もしそれを拒む人がいた場合は署名が行われるまで施術料金の全額(10割相当額)を支払っておいてもらえば良いでしょう。


【補足】
今日のBlogでは、太郎が考えるお勧め事務手続きの流れについて紹介しました。
申請書に署名を頂くタイミングについてまで新人研修で指導している柔道整復師の団体は、太郎が知る限りではなかったと思います。
しかし、「ムーブ!の疑問」での報道を受けて、申請書に署名を頂くタイミングについて柔道整復師の団体から指導があるかも知れません。
その場合は、所属されている柔道整復師の団体の指導に従うようにして下さい。



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