ある整体院のお話です。
整体院の看板を掲げ、健康保険の適用もないとのことですから、柔道整復師ではありません。

この整体院では、もっぱら痛みに悩んでいる患者さんに対して、その疼痛部位をマゴノテのようなものを用いて何回も叩く治療(?)を行っているそうです。
1回あたりの叩く強さはそれほどでもないのですが、何度も叩くことによって皮下溢血をわざと起こさせます。
その治療を受けた患者さんの膝を見せてもらいましたが、直径1cm大の丸い皮下溢血が膝の所々にできていました。

その整体院の先生のお話では、「皮下溢血をもたらすことによって悪い血が皮膚の表面に浮き出てくる。そして、その皮下溢血を揉むことによって悪い血が吸収される」というものです。
ですから、皮下溢血が出現したら、その部分を指でつまんだり、指で揉みしごくようにして治療を行うと聞きます。

患者さんたちの間では、この治療法によって痛みがなくなったり、痛みが和らぐなどしたとしてちょっとした評判になっているようです。

太郎の学校教務のH先生は、これを「停滞している炎症機転を荒療治で新たに炎症機転を作り、治癒力を高めているのでは? でも、医学的な根拠としては考えにくいですよね?」と推測します。

さて、皆さんはこの治療法を聞いてどのように思われますか?
マゴノテのようなもので疼痛部位を何度も叩き、皮下溢血が現れたらそこを指で揉みしごくような治療だったら自分にもできそうだから、それを取り入れようと考えますか?
いわゆる民間療法に相当する治療法です。

柔道整復施術に携わっていると、このように、整体院をはじめとするいろんな医業類似行為に携わる人の治療方法について耳に入ってくるかも知れません。

中には、今回のように「自分にもできそうな(簡単な)治療法だ!」と思われることも少なくありません。

どこかの先生がやっていたから自分も真似てみるという方法が悪いとは言いませんが、例えそれが人の真似であっても、自分が施術を行ったとなるとその責任は自分に降りかかることになります。

また、その施術方法について医学的に根拠をもって説明できないと、不適当な施術として取られかねません。

患者さんの症状を悪くしようと思って施術する人は、誰一人としていないでしょう。
むしろ、少しでも症状が緩和するように、早く治癒するようにと願って施術していることでしょう。
でも、施術と言うのはちょっとした気の緩みから事故につながります。

前述した民間療法にしても、真似ることによって事故が発生する危険性も否定できません。

施術と言うのは、常に事故と背中合わせに行うものであることを認識すべきです。


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