先週のBlog「アスレティック・テーピングとメディカル・テーピング」では、テーピングに触れたお話をしました。
接骨院の現場で施行するテーピングはスポーツ現場で施行されるものとは異なり、主として治療効果を目的とするものでしたね。
今日のBlogでは、その一例を挙げてお話を進めていきましょう。

手関節に支障を訴える患者さんは少なくありませんが、例えば手関節捻挫で慢性期に移行してもなお、手関節屈伸に疼痛や違和感を訴える場合があります。
また、手関節屈伸のみならず、前腕回旋(回内+回外)に支障を来たしていることもあります。

このような場合、手関節近位からMP関節の手前までを被覆する手関節のテーピングを施行しても良いのですが、女性の患者さんなどでは水を使うことが多いため、これを嫌う人が少なくありません。
そんな時にお勧めなのが、手関節部から近位にのみ貼付するテーピングです。
しかも、施行に要するテーピングは前腕遠位端を1周するものが僅か3回分です。

第1行(その1)




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まず、前腕回内位で手関節をやや伸展(背屈)位とし、テーピングを貼付する部分にあらかじめアンダーラップを施行しておきます。
そして、尺骨頭よりやや近位からテーピングを巻き始めます。
右手が患肢であれば順巻き(手関節背側の尺骨側から橈骨側へ)、左手が患肢であれば逆巻き(同)です。
ここでは、患肢を右としてお話を進めます。

尺骨頭よりやや近位から巻き始めたテーピングは、やや手前(手関節側)に向かって斜めに降り、テーピングの手前側の端が手関節よりすぐ近位に位置するようにします。
なお、この時、テーピングは手関節裂隙にかかってはいけません。

また、この第1行の貼付時で、橈骨外側縁を越えて掌側に及ぶ際には+骨を掌側に押し下げるようにテーピングを引っ張ります。
橈骨掌側面に回ってきたテーピングはさらに、∠骨を尺骨側に引き寄せるように引っ張ります。

一般的に、テーピングや包帯の施行は緊縛とならないように留意する必要がありますが、前述した部分では多少力を入れて巻いても緊縛とはなりません。

なお、+骨を掌側に押し下げ、∠骨を尺骨側に引き寄せるのにテーピングに牽引を加えてから後、テーピングを手部掌側に貼付する時はテーピングを引っ張ることはしません。

第1行(その2)




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掌側を貼付したテーピング第1行は尺骨頭を被覆して、遠位橈尺関節部背側でクロスするようにして終わります。
この時の掌側から尺骨頭に及ぶ際にも牽引を加え、尺骨を橈骨側に引き寄せるようにしても良いでしょう。

何度も言うようですが、テーピングに牽引力を加えるのは前述した ↓△よびだけです。
このクロスする部分ではテーピングに牽引力を加えずに貼付することが大切です。

第2行




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続いて、第1行の帯行に半分かけるくらいで、その近位に第2行を貼付します。
第2行の目的は、第1行の近位側を止めておくものです。
ですから、これには第1行で用いたような牽引を加えません。

第1行ではやや斜めに貼付しましたが、第2行ではまっすぐと貼付し、その近位側の端はアンダーラップに沿うように巻けば見栄えも良いでしょう。

第3行




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第3行は、その遠位側の端を手関節裂隙すぐ近位とし、第2行同様に環状に貼付します。
これも、第1行ほど牽引は加えませんが、全体的にやや引っ張りながら貼付して固定力を高めます。

手関節部のテーピング




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手関節周径分よりやや長めのテーピングを3行分、貼付したことになります。
この時、手関節を伸展(背屈)させようとすると、テーピングが締まってそれを制限します。

以前のBlogでは「尺骨突き上げ症候群の見極め」についてお話しましたが、この場合は治療効果にまでは及ばないものの、症状を緩和させる目的では有効です。

なお、このテーピングを施行した場合、症状に応じて施行してもらっておく時間を調整します。
短時間の固定を行う場合であれば施行から2、3時間程度、長時間の固定を行う場合は24時間程度施行した状態を保ちます。

ただし、症状に関係なく、前腕から手関節にかけて浮腫を認める人に対しては、施行してから2時間程度を経過してからこれを除去するように指導します。

従って、このテーピングに慣れない術者の方は、施行してからそれを除去するまでの時間を最初の頃は短くし、症状に応じて施行時間を長くしていけば良いでしょう。

今日のBlogでは太郎が施行するテーピングについてご紹介しましたが、このテーピング法を行って症状が悪化しても太郎は一切責任を負えません。m(__)m
太郎としてはこのテーピング法はお勧めできるものですが、患者さんの症状や術者の施行状況によってはお勧めできない場合もあるからです。
従って、このテーピング法を施行する場合は術者の方の個人責任で行ってもらうようにお願いします。m(__)m


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