勤務柔道整復師であったN先生から連絡がありました。

N先生は数年前、勤務柔道整復師として会社法人(株式会社)が経営する整骨院に就職したそうです。
就職して何年か経ち、今度は新しく開設する分院の管理柔道整復師として勤務することになったと言います。

その整骨院での勤務を始めたN先生ですが、それまで勤務していた整骨院の勤務と同様、施術のみの従事でした。
療養費支給申請(レセプト)事務に関しては、各整骨院のものを取りまとめて会社法人の事務で行っているそうです。

日ごろの患者さんの来院状況については、整骨院の事務担当の女性が会社側からの指示に基づいて、患者さんの加入する健康保険にはじまり負傷部位などについてデータとしてメール(?)で会社に送信しています。
月末になると会社から事務の人がやって来て、患者さんの署名が行われた療養費支給申請書を持ち帰ります。

そのようにして、N先生が施術した分の療養費支給申請は全て、会社で行われていたと言うのです。
従って、患者さんから署名を受ける段階の療養費支給申請書こそN先生は目にしますが、申請書として仕上がった状態のものは一度も見たことがなかったと言います。

知り合いの柔道整復師の助言もあって、N先生はその整骨院を退職したそうです。
そこを退職するに当たっても、一悶着あったと聞きます。

N先生が管理柔道整復師として勤務していた整骨院での療養費支給申請について、会社の方が不正な操作を加えて行われていたかどうかは解らないと言います。

以前のBlog「管理柔道整復師として勤務する人の責任」でもお話したように、例え自分は勤務柔道整復師のつもりであっても管理柔道整復師という立場であるならば、療養費支給申請(保険請求)にかかる全責任を負うことになります。

会社の分院である整骨院で行う保険施術であっても、N先生が管理柔道整復師であると言うことは、N先生の名前(責任)で保険請求を行うことを意味します。
「会社の事務が一括して保険請求事務を行ってくれるシステムで、私は全く知らないことなんです!」と言うN先生の言い分は通用しません。

万が一、N先生が勤務していた整骨院で不正請求があったなどとして、保険者から療養費の返還を求められた場合は、N先生がそれに応じなければならないのです。
行政や保険者は、過去に支給した療養費について不正受給が認められた場合、その返還を求めるのですが、それは管理柔道整復師に対して行います。
N先生のように会社が経営する整骨院の管理柔道整復師として勤務していた場合であっても、療養費の返還は会社に対して求められることはありません。

それだけ、管理柔道整復師に対しては重い責任が課されているのです。