一昨日にTV放送されていた「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」を観ていて、以前、経験した患者さんのことを思い出しました。

34歳の男性会社員Aさんが、ゴルフに出かけた翌日、「背中を痛めた」と言って来院されました。
ゴルフのスイングと共に背中が痛くなったと言います。
また、Aさんは、以前にも同じような発生機序で背中を痛めて太郎の接骨院とは異なる整骨院で施術を受けたことがあるとも言います。

左広背筋の表層に軽度の圧痛を認めたので当初は、筋挫傷と判断して加療を続けていましたが、初検日から4日経過して、圧痛部位に一致して皮膚に赤味(発赤)が帯びてきました。
皮膚に見られた発赤は爪でかきむしったようなもので、その発赤の出現と共にその部位がヒリヒリするとの訴えがありました。
なお、水泡の形成は見られませんでした。

念のためと思って皮膚科に対診したところ、帯状疱疹とのことでした。

帯状疱疹は50歳以上の人に多い病気とされてきましたが、近年では20〜30歳代の若い年代にも増加していると言われます。
しかし、Aさんを見た当時の太郎は「帯状疱疹は高齢者に好発し、神経の走行に沿った水疱形成を認める」と言う先入観があったため、ともすればAさんの対診をし損ねるところでした。
たまたまAさんは発赤の出現と共にヒリヒリすると訴え、そのヒリヒリとした痛みが肋間神経に沿ってある程度の幅があったため、もしや肋間神経痛では?と疑いを持ったからです。

無自覚(*1)のうちに背中が痛くなったと言うのであればまだしも、Aさんのようにゴルフのスイングと共に痛くなったと言って来院されればついつい外傷性疾患と思い込みがちです。

(*1) 無自覚
患者さんがはっきりとした原因を自覚することなく発症したものを、「無自覚に発症」と言います。


しかしながら、私たち接骨院の現場には、Aさんのように一見、外傷に起因したように見えるものでも実は内科的疾患が隠れて存在している場合も少なくないのです。

患者さんにしてみても、筋や関節を痛めたのだろうと思って接骨院を訪れて来るほどです。
とは言え、患者さんが受診(受療)する医療機関(施術所)を選ぶと言っても、患者さんは病気やケガについて知識が少ないのです。

それだけに、接骨院に来てくれた患者さんの全てが自分の業務範囲内の患者さんであるなどと間違っても思ってはいけません。
太郎の経験ではむしろ、一見外傷性疾患で来院した患者さんでも比較的高い確率で、内科的疾患が誘因となったものやそれが合併していると思われます。

そのためにも、私たち柔道整復師には業務範囲外となる内科的疾患の鑑別が要求されるでしょう。
厚生労働大臣免許になってからは一般臨床医学の講義が増え、国家試験でも解剖学や生理学、柔道整復学の3教科に次いで多く出題されています。
これも、柔道整復師に対して内科的疾患の鑑別ができるようにするための現われの一つかと思います。

整骨太郎のホームページ
整骨太郎のひとりごと(Blog)−目次