不謹慎なお話で恐縮ですが、太郎は、脱臼した患者さんを整復した後、また改めて脱臼させることができます。(^^;

自慢できるようなお話ではありません。
脱臼の整復を行って、その後でもう一度脱臼させることができるのです。
ごく稀に、脱臼の整復を行った後もなお、違和感を訴える人がいます。
整復するまでは脱臼位にあったのですから、脱臼痛が整復後もまだ余韻として残っている場合もあるでしょう。
しかし、今日のBlogでお話するのは、脱臼痛の余韻が残っているものではなく、患者さんが「まだ治っていない!」と訴えるケースです。

何年か前のお話ですが、ある日の早朝、顎関節脱臼の患者さんが急患として来院されました。
両側の顎関節脱臼です。

眠い目をこすりながら整復した記憶があります。(^^;
整復はスムーズに行ったと思ったのですが、整復後の患者さんの口からは、「まだ、右側が治っていないように思うのですけど!」と言う訴えが!\(◎o◎)/!

左右の顎関節に手を当てて、ゆっくりと開口してもらったり閉口してもらったりして、顎関節の動きを確かめます。
クリックが生じるとか、ROMに制限があるなど異常は認められません。

開口動作と閉口動作を繰り返してもらって外観上も確認しましたが、左右に別段、差異が生じているようにも見えません。

おかしいな〜・・・と心の中で思いつつ、「別段、異常は認められませんから、恐らく今まで脱臼してあったための余韻が残っているのでしょう」と伝えました。

それでもなお、患者さんは納得せず、「やっぱり右側はまだ治っていません!」と訴えます。(>_<)

それならば!と言わんばかりに、太郎は、患者さんの右側の顎関節だけ脱臼させるのです!
そして、「はい。それでは今、右側の顎関節だけちょっとずらしてみたのですけど、いかがですか〜?」と聞きます。

片側脱臼の状態になったのですから、当然、患者さんの顎は外観上、ゆがんでしまいます。
もちろん、両側を整復した後よりも断然、言葉を発しにくくなります。(-_-)

「さっきのと今のとでは、どちらがいいですかねぇ?」と太郎。
「今度は余計、悪くなりました!」と患者さん。
「さっきの方が良さそうですか? それならもう一度、さっきの状態に戻してみましょう!」
患者さんは、早くさっきの状態に戻してくれと言わんばかりです。

それでまた、両側の顎関節を正常の位置まで戻します。

「どうでしょうか? 今の状態と、さっきのちょっとだけずらした状態では、どちらが良さそうですか?」

整復位にあるのと脱臼位にあるのを比べれば、どちらが良いかは言うまでもありません。
再整復(?)を行った後では、患者さんは最初のような違和感を訴えることはありません。
(^^;

脱臼の整復を行った後、もう一度脱臼させるなんて、なんて不謹慎な!なんて思われそうですが、太郎は意地悪をしているつもりはありません。
整復後に違和感は、患者さんが訴えるように何らかの障害が残っているのでしょうね。

脱臼してから整復するまで時間が経過していればいるほど、整復後の違和感を訴える傾向にあります。
患者さんが違和感を訴えた場合、脱臼痛の余韻と説明してそれで納得(安心?)してくれる場合もあります。
そのような場合、太郎はもう一度脱臼させて再整復をすることは行いません。

でも、脱臼痛の余韻と説明してもなお、余韻ではないとして違和感を訴える人にはもう一度脱臼させて再整復を行うと、違和感を訴えることはなくなります。

「違和感を訴えることによって、患者さんはまた脱臼させられるって恐怖心を抱いているから訴えないでは?」ですって?
そうかも知れませんね。(^^;

肩関節や肘関節の脱臼でも、稀に整復後の違和感を訴えるケースがあります。
この場合は再度脱臼させるまでもなく、関節裂隙を拡げるように牽引したり、亜脱臼位にまで骨頭を一旦ずらせます。
その後、整復位にまで復元すると、それまでの違和感が消退します。

前述したように、脱臼痛の余韻として残っているケースもありますが、そうでない場合の違和感は、軟部組織が介在するなど障害を残していることが考えられそうです。

脱臼の整復後、もう一度脱臼させることまでお勧めしませんが、整復後に違和感を訴える場合には骨頭を一旦ずらしてみて再度復元する手法も有効かも知れません。


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