交通外傷(交通事故)で患者さんが来院した場合は、警察署に交通事故の届出を行ったか確認します。

患者さんが被害者であれ、加害者であれ、外傷を負って来院しているからには人身事故扱いとなります。
患者さんが加入する医療保険を適用して施術ができませんから、まず、警察署への届出を確認し、届出を行っていないようであれば速やかに届出を行うように促します。

次に、受傷から来院されるまでの間に、医療機関を受診したか確認を行います。
既に医療機関を受診してある場合は、当該医療機関で診断書の交付を受け、それを警察署に提出したか確認を行います。
診断書を警察署に提出していない場合は、当該医療機関で診断書の交付を受け、それを警察署に提出するように促します。

受傷から来院されるまでの間に医療機関を受診していない場合は、骨折や脱臼の場合は元より、打撲や捻挫などの場合であっても医療機関に対診を行います。

以下に、対診を行う際の依頼状を例示します。
依頼状


○○整形外科
 ○○○○先生 侍史


患者氏名/××××殿(○才)


いつもお世話になります。
上記の患者、平成○年○月○日、交通事故によって頸部を受傷し、本日、当院に来院したものです。
頸部を中心に疼痛を訴え、不橈性症状を呈していますので、ご高診ご教示のほどお願いします。
なお、所轄警察署には事故届出済みですが、警察署に提出する診断書の交付につきあわせてお願いいたします。


平成○年○月○日


○○県○○市○○(郵便番号XXX-XXXX)
 太郎接骨院 整骨太郎(印)
 TEL XXXX-XX-XXXX/FAX XXXX-XX-XXXX


上記のような依頼状をもって対診を行うと、以下(画像)のような回答が届きます。

整形外科からの回答







平成12年2月22日

整骨太郎先生侍史

○○県○○市○○
○○整形外科
医師 ○○○○(印)

御紹介いただきました××××殿につき下記の通り御報告申し上げます。

いつもお世話になります。
御紹介いただきました××殿拝見しました。
頸椎レ線上特に著変なく頸部捻挫にて約5日間の診断書を書きました。
今後共よろしくお願い致します。


骨折や脱臼など後療施術において医師の同意を必要とする場合は、後療施術についての同意を得るための対診の意味合いも持ちます。
打撲や捻挫等では医師の同意を得る必要はないのですが、交通外傷として受傷した場合の損傷は思いのほか強いものとなりがちです。
外見上は軽い症状を呈していても、交通外傷の場合は治癒するまでに長期を要しがちです。

【参考Blog】
「外力の大きさから対診の判断」

都道府県(警察署)によっては、交通事故に際して警察署に提出する診断書は柔道整復師が交付する施術証明書でも受け付けてくれます。
医師の交付する診断書でなくても、柔道整復師の交付する施術証明書の提出によって人身事故扱いとなります。
しかし、加療期間が数か月以上に及んだり、増してや裁判に発展する場合も想定すれば、施術証明書だけを警察署に提出するのは賢明ではなさそうです。
施術証明書を提出するのであれば、医師の交付する診断書もあわせて提出しておく方が良さそうです。
柔道整復師が交付する施術証明書だけの提出で問題ないのは、せいぜい1週間以内に治癒が見込める頸部(頸椎)捻挫であるとか、長くても1か月以内に治癒が見込める頸部(頸椎)捻挫なのでは?・・・との太郎の地元警察署の見解です。

X線装置をはじめ科学的に傷病を証明する機器を持たず、診断権も与えられていない柔道整復師です。
超音波診断装置があっても、X線像なしでは立証能力に欠けるようです。

交通外傷の施術料金は損害保険会社から給付されますが、施術が長期化(頸部捻挫であればおおむね3か月以上)してくると、損害保険会社によっては長期施術の必要性について問い合わせてきます。
その際、柔道整復師単独で継続施術の必要性を訴えるよりも、整形外科等の第三者的な存在となる医療機関でもその必要性を証明してもらえば、問題なく施術を継続させることが可能です。
そういう意味からも、打撲や捻挫であっても交通外傷の場合はあらかじめ対診を行い、警察署に提出する診断書も医師によって交付されたものを提出しておくのがお勧めです。

【関連Blog】
「交通事故−警察署に提出する施術証明書」

【交通事故による患者さんが来院した場合の流れ】

1) 警察署に交通事故の届出を行ってあるか確認する。

2-a) (警察署に届出済み)・・・3)へ
2-b) (警察署に未届け)・・・警察署に交通事故の届出を行うように促す。

3) 受傷から来院までの間に医療機関を受診したか確認する。

4-a) (受診済み)・・・受診した医療機関で診断書を交付してもらうように促す。
4-b) (未受診)・・・整形外科等に対診し、同時に警察署に提出する診断書の交付を依頼する。(打撲や捻挫など軽傷であっても対診)

5) 診断書を警察署に提出するように促す。

6) 加害者が加入する損害保険会社に対して、自分の接骨院で施術を受ける旨連絡してもらう。連絡は被害者が直接行っても良いし、加害者経由で行ってもらっても良い。同時に、損害保険会社から接骨院に対して連絡してもらうように伝える。

7) 損害保険会社から連絡があれば、傷病名、施術料金の目安および治癒見込み日数等を伝え、施術料金請求先(損害保険会社)所在地および名称、担当者氏名、連絡先電話番号などを確認する。同時に、施術料金の請求は月ごとに請求する(治癒請求ではない)旨について了解を得ておく。

8) 施術を開始する。


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