13) 負傷の経過

この欄への記載方法は1年ばかり前のBlogで「自賠責「負傷の経過」欄の書き方」でお話しましたが、今日は復習をかねてもう一度見てみましょう。

「負傷の経過」欄に記載する事項には、次のようなものがあります。

【「負傷の経過」欄記載事項】

負傷の経過
  初検時の症状
  前月転帰時の症状
  当月転帰時の症状

指導内容
 (指導管理料の算定がある場合)

まず、「 負傷の経過」からお話をします。
なお、ここでは施術を行った月ごとに施術証明書(および施術費用明細書)を作成したことにします。

例えば、平成19年6月から10月まで施術を行ったことにします。
この場合、平成19年6月が初検月となります。

各月の「負傷の経過」欄には、以下のものを記載することになります。

平成19年6月・・・―藐〇症状+6月転帰時の症状
平成19年7月・・・(―藐〇症状)+6月転帰時の症状+7月転帰時の症状
平成19年8月・・・(―藐〇症状)+7月転帰時の症状+8月転帰時の症状
平成19年9月・・・(―藐〇症状)+8月転帰時の症状+9月転帰時の症状
平成19年10月・・・(―藐〇症状)+9月転帰時の症状+10月転帰時の症状

なお、(―藐〇症状)は省略しても構わないでしょう。

【「負傷の経過」記載のポイント】

1) 症状に改善を見ている様子を記載

症状の経過には不良な場合もあって当然ですが、だからと言って何か月にも及んで症状が全く改善されていないのであれば症状固定となってしまいます。
症状固定はそれ以上加療を行っても改善の見込がないことを意味しますから、それでは損害保険会社の方から施術の中断を求められても抗弁できません。
ですから、この欄には、月を追って少しずつでも改善を認めている所見が記載されている必要があります。
そのためには、改善を認めている症状を見つけておくことも必要です。

かと言って、この欄には改善されていない(経過が不良な)症状について記載してはいけないと言うわけではありません。
初検月であれば、改善が認められた症状がなくても大丈夫です。
月が経過しても改善が認められない症状があっても問題ありませんが、その時は前月に比較して改善を認めた症状もあわせて記載しておくことが肝要です。

2) 施術録に記載した症状経過を元に記載

「負傷の経過」に記載した内容(症状)は、施術録に記載された症状経過に基づいて書かれているはずです。
前述1)に即して「負傷の経過」欄に少しずつ改善を認めている症状を記載しても、その事実が施術録に記載されていなければ辻褄があってきません。
従って、自賠責保険施術を行う上では日頃の施術段階から、施術証明書の「負傷の経過」に記載するための要素(症状)を考えながら施術録に記載しておくことが必要です。

3) 簡略すぎる「負傷の経過」にしないこと

「負傷の経過」欄に「経過良好」とか「疼痛残存」だけを記載する人がいるようです。
ある日の施術録に記載した症状経過から抽出したのでしょうが、これだけでは症状が具体的にどのように改善されてきたのか?とか、どの部位に疼痛がまだ残っているのかさえ分かりません。
症状が改善されていく様子は損害保険会社としても気になるところですから、長文とする必要まではありませんが、少なくとも伝えるべきことは記載します。

【簡略すぎる記載例】

1) 「経過良好」または「経過不良」
経過が良好(または不良)だと判断した具体的な症状を書き加える。

2) 「疼痛改善」または「疼痛残存」
どの部位の疼痛が改善してきたのか?またはどの部位の疼痛が残存しているのか書き加える。

3) 「日常生活動作に支障を残している」
どのような動作に支障を残しているか具体的に記載する。
例えば、「椅座位からの起立動作などの日常生活動作に疼痛を残している」とします。(膝関節捻挫として)
このように記載することによって、膝関節に負荷がかかっていない状態から起立するなどして負荷がかかった際に疼痛があることが分かります。
また、「支障を残している」だけでは、その支障が疼痛によるものなのか、屈伸制限(ROM制限)によるものなのか分かりません。



「 指導内容」は、指導管理料の算定を行った場合に記載します。
指導管理料は労災保険施術協定料金を基準に料金の決定を行った場合に、施術料金の種類の一つとして算定されるでしょう。
従って、健康保険施術協定料金を基準に料金の決定を行った場合、指導管理料を付加するのはお勧めとは言えません。
なお、指導内容の記載は、前述した負傷の経過に続けて行います。

指導内容の記載は傷病ごとに記載するのが原則ですが、指導内容が同じである場合はまとめても構いません。
また、複数の傷病がある場合では、1つ以上の傷病について指導管理を行えば指導管理料の算定が可能です。

【指導内容の記載例】

1) 頸部捻挫に対して
「自宅における冷罨法」「入浴時の温熱療法」「頸の過度回旋禁止にかかる指導」など。

2) 手関節捻挫に対して
「自宅における冷罨法」「入浴時の温熱療法」「日常生活動作上、物を持つなどの負荷の禁止」など。

3) 腰部捻挫に対して
「自宅における冷罨法」「入浴時の温熱療法」「自宅での筋ストレッチング指導」「日常生活動作での姿勢保持等にかかる指導」など。

以上に指導内容の記載例を示しましたが、記載例にあるように、日頃の施術において患者さんに対して行った指導をそのまま記載すれば構いません。
なお、指導管理料の算定を行うためには、施術録においても指導内容が記載されている必要があります。

明日のBlogにつづく】


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