坐骨神経は人体の中で最も太い神経で、梨状筋の下から殿部に現れ、まっすぐ下行して大腿下部で総腓骨神経と脛骨神経に分かれます。【図 

梨状筋の下から出てくる坐骨神経



【図 


【図】に示した画像の中央部を斜め右下へと下降(模式図では黄色)するのが坐骨神経です。
ところで、坐骨神経は必ずしも梨状筋の下から出るとは限らず、両者の位置関係にはかなりの変異があります。
例えば【図◆曚房┐靴燭茲Δ忘噌神経の半分(主として総腓骨神経を作る要素)が梨状筋を貫く例をはじめ、坐骨神経が梨状筋の上から出てくるケースもあります。
なお、坐骨神経の半分が梨状筋を貫いて出てくる例は15〜20%の頻度で最も多く見られるものです。
なお、坐骨神経が梨状筋によって絞扼され、梨状筋症候群を発症するのはこのケースに多く見られるようです。

最もしばしば遭遇する坐骨神経の梨状筋貫通様式の変異





【図◆


坐骨神経は大腿の後面を下降し、膝よりやや高い位置で総腓骨神経と脛骨神経に分岐すると言われています。【画像】

大腿後面を通る坐骨神経











【画像】


この時の坐骨神経は、人体で最も太い神経と言われるだけあって、太いところでは横幅が約15mm、縦幅(前後幅)も約10mm足らずあります。

分岐した坐骨神経




【画像ぁ


坐骨神経は、膝よりやや高い位置で逆Y字状に分岐します。
外側へ向かうのが総腓骨神経で、内側に向かうのが脛骨神経です。

ところが、総腓骨神経と脛骨神経に分岐したそれぞれの神経を持って近位の方に向かってそれらを引き離していくと、きれいに坐骨神経が総腓骨神経と脛骨神経に分かれていきます。
即ち、殿部から出た1本の坐骨神経は、総腓骨神経と脛骨神経のそれぞれがくっついて1本となっているのです。
電化製品のコードと同じようなものです。
ですから、総腓骨神経と脛骨神経が合体して1本の坐骨神経を作っているのではなく、1本になっているように見える坐骨神経は外側に総腓骨神経が、内側には脛骨神経が並んで1本となしているわけです。

従って、坐骨神経という1つの神経が存在するのではなく、これは総腓骨神経と脛骨神経が2つ寄り集まった総称であると考えられます。

中には、殿部から出てきた坐骨神経が1本として存在するのではなく、最初から総腓骨神経と脛骨神経の2本となって出てきている人もいます。
この場合、外側にあるのが総腓骨神経で、内側にあるのが脛骨神経です。

坐骨神経=総腓骨神経+脛骨神経
坐骨神経という神経は存在せず、これは2本の神経の総称である。

【参考文献】
「アトラスとテキスト 人体の解剖(原著第4版)」 J.A.Goslingほか著・山内昭雄ほか訳/南江堂/2004年
「解剖実習の手びき」寺田春水・藤田恒夫 著/南山堂/第11版第4刷/2007年


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