昨年7月9日から始めた太郎のひとりごと(Blog)は、あるきっかけを元に12月3日から毎日書くようになりました。φ(..)
毎日書き続けるようになって今日で1周年!
日記でさえ3日と続かない太郎なのに、1年もBlogが続けられたのは驚異的です。
これも、皆さんがBlogを見てくれたり応援してくれたおかげです。m(__)m
ただ、1年もBlogを続けると、さすがに話題探しに悩みます。(^^;
話題が全くないわけではなく、話題の候補に上がっているものは沢山あります。
しかし、情報や資料が不足していたり、理論との整合性が確認できないままでBlogへの掲載を保留しているのです。(ーー;)
ところで、太郎のBlogでは、話題性のある情報の提供をお待ちしています。
日ごろの施術の経験談、疑問に思ったことなど何でも構いませんので、「Blogの話題提供のお願い」に記載した太郎のアドレスまでお寄せ頂ければ幸いです。m(__)m

さて、今日のBlogでは今の柔道整復業界を取り巻く現況を元に、その対処法について太郎の考え方を交えてお話しすることにしましょう。

柔道整復師の業務範囲は、急性または亜急性の外傷性疾患と限定されています。
近ごろ、外傷性に起因しない単純な肩凝り症状に対しても、これを頸部捻挫などという傷病名をつけ替えて保険施術の適応としている接骨院があるのでは?という報道が立て続けてあったようです。

ここで言う「単純な肩凝り」は、外傷と判断されるきっかけ(負傷原因)が何一つ存在せず、肩凝り症状を呈したものを指すのでしょう。

(1)
まず、デスクワークなど一定の肢位を長時間保持し続けることで筋が収縮状態となったまま弛緩しにくい状態となって、言わば筋疲労(筋肉痛)を呈しているのもこれに含まれるのでしょう。

(2)
背臥位で寝た場合、視線は天井を向きますが、足元の延長線上にTVなどがある場合に枕を高くすれば、TVに視線をやることが可能です。
頸の前屈が強制された肢位ですね。
この肢位を保持してTVを観続け、頸部に疼痛が起こるケースが時々見受けられます。
頸の前屈が強制された状態が長く続いたため、頸部の筋が引き伸ばされたことが想像できます。

さて、前述した座位を長時間保持した場合、頸の前屈を長時間保持した場合のいずれもが、これだけでは保険施術の適用となりません。
いずれもが、筋疲労と判断されるからでしょう。

これが、筋挫傷と判断される場合は途端に保険施術の適用となります。
筋挫傷と判断されるためには、損傷した筋(損傷部位)が特定できれば良いのです。
筋損傷には第1度損傷から第3度損傷までの3段階に分類できますが、前述したものがもし筋挫傷と判断できるものであれば第1度損傷で、筋の微細断裂を確認できれば良いことになります。
具体的な症状として、限局性圧痛の存在は筋損傷を裏付けるものと考えられます。
頸の運動障害(ROM制限)なども筋損傷の存在の裏づけと考えられるでしょう。

これによって、前述した2例の中には単なる筋疲労だけではなく、筋挫傷であるケースも考えられるのではないでしょうか?
これは、症状所見から見た上で外傷性疾患と判断できる裏づけとなるものです。

ただ、柔道整復師が保険施術を行なうためには単に外傷性疾患と言うだけでは認められず、負傷原因を明らかにする必要もあります。
例えば、前距腓靭帯に限局性圧痛があって、外果下部に皮下溢血が認められても、負傷原因を明らかにできない場合は保険施術を行う上で外傷性疾患とは認められません。

それでは、前述した2例の負傷原因は何でしょうか?
前者は、デスクワークによって長時間、椅子に座り続けて同じ肢位を保ったことが原因と考えられます。
また後者は、足元の延長線上にあるTVを背臥位で観ようとするため、枕によって頸の前屈が強制された状態が続いたことが原因と考えられます。

いずれも立派な負傷原因が存在するのですが、保険施術とするための負傷原因にはなり得ません。
保険施術を行なうための負傷原因であるためには、姿勢を変えるとか転んだり、関節に運動を伴うなど何らかの運動(アクション)がなければならないのです。
前述した2例のいずれもは、ある一定の姿勢を保持したことによって生じています。
姿勢の保持はアクションを伴っていないため、保険施術を行う上で必要となる負傷原因とはなり得ないのです。

「柔道整復学−理論編」には、損傷時に加わる力を急性損傷および亜急性損傷に分類しています。
そのうち亜急性損傷に分類されるものには蓄積性損傷または反復性損傷も含まれ、前述した2例はいずれも蓄積性損傷に分類されます。
柔道整復学という学問の観点からでは前述の2例はいずれも立派な負傷原因があると考えられますが、保険施術を行う上では認められない負傷原因であるという点に注意が必要です。

柔道整復師になって間もない人たちからは時に、「教科書にある亜急性損傷に分類されるのに、どうしてそれが負傷原因として認められないのですか?」とか「亜急性損傷は外傷性疾患ではないのですか?」と質問されて回答に苦しむことがあります。(^^;
しかし、柔道整復学にいう亜急性損傷の発症原因は、保険施術に必要な負傷原因として認められないのが実情です。

さて、前述した2例で限局性圧痛など筋挫傷(筋損傷)所見が認められる場合は、症状所見の上では保険施術の適応であることをお話しました。
しかし、負傷原因という観点からでは保険施術の適応となりにくいこともお話しました。

この場合は、負傷原因についてさらに詳しく追求するする必要があるでしょう。
例えば、デスクワークで同じ肢位を保持していただけでは保険施術上の負傷原因になり得ませんが、デスクワークでPCを見ていた際に、左横に置いた書類に目をやるために頸を左に回旋させたとなれば、前述したアクションを伴うことになり、保険施術に必要となるための立派な負傷原因となるのです。
枕によって頸を前屈強制させたままTVを観ていた場合でも、じっとしていたまま(姿勢を保持したまま)では保険施術上の負傷原因とはなり得ないものの、頭の位置を変えるため、枕から少しだけ後頭部を離すように持ち上げた(頸をさらに前屈させた)場合はアクションを伴って立派な負傷原因となります。

紙一重の世界ですね。(^^;

要は、損傷部位を見つけ出し、その部位が損傷されるためにはどのような運動(アクション)が必要か?、損傷部位から負傷原因を探り出して患者さんに思い出してもらうことが必要です。

冒頭でもお話した単純な肩凝りに頸部捻挫などの傷病名を付け替えて保険請求する問題についてですが、もしかしたら施術を担当した柔道整復師が負傷に際してのアクションを見出せていないことに起因しているのかも知れません。
言い換えれば、楽をして保険施術としてしまったため、非難の対象となっているのです。
楽をせず、負傷原因となるアクションを見つけること・・・この手間さえ省かなければ、傷病名の付け替えなどと指摘されることはないでしょう。
筋損傷(筋挫傷)としての症状所見を認め、かつ保険請求上に必要となる負傷原因を見出すことさえできれば、肩凝りが症状として現れていても立派な捻挫や挫傷と傷病名をつけることが可能です。
なお、肩凝りというのは症状の一つで、傷病名でないことは言うまでもありません。

中には、心疾患など内科的疾患に由来する肩凝り症状があります。
この場合は保険施術の適応となり得ないのは言うまでもありませんが、単なる筋疲労によるものとの鑑別を行い、速やかに医療機関での受診を促す必要があります。

【関連Blog】
「保険施術と自由施術の境界線−肩こりが誘因となる寝違え」


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