1年生や2年生の中には、柔道整復学(柔道整復理論)の何がポイントなのか分かりにくくて苦手意識を持っている人がいるようですね。(>_<)

太郎は学校で、主に骨折学(上肢骨折学+下肢骨折学)を講義していますので、骨折学を勉強する際のチェックポイントを列挙してみましょう。
これを参考に、教科書の記述のうち、どのあたりに気をつけて勉強すれば良いのか考えましょう。
今日のお話の中には、もしかしてまだ習っていない単元から例示しているかも知れません。
その場合は、その骨折について教科書に解説されているページを開き、Blogで説明している意味を考えて下さい。

既に国家試験に合格されている方は「今日のBlogは学生向けか〜。関係ないね!」なんて思わず、「懐かしいね〜」とか「うんうん。そうだそうだ」などと学生の頃を振り返って頂くと共に、今、柔道整復学の勉強に戸惑っている人たちに経験談や要領の良い(?)勉強方法をコメントするなりご協力をお願いします。m(__)m
太郎が学校で柔道整復学を学んだのは20年以上前のことで、今は教壇に立つ身です。
やはり、学生の人たちの気持ちはつい先ごろまで学生だった人たちの方が分かりやすいと思います。


1. どのような外力が働いて発生するか?
骨折が起こるときの外力には、直達外力と介達外力があります。
骨折を勉強する場合、その骨折は直達外力が働いて発生するのか、それとも介達外力が働いて発生するのかチェックしておきましょう。
また、その骨折が直達外力で発生する方が多いのか、それとも介達外力で発生する方が多いのか、外力によって発生頻度が異なる場合は要チェックですね。
なお、発生頻度が高い外力は好発外力と呼びます。

(例)鎖骨骨折・・・
直達外力、介達外力のいずれでも発生しますが、多くは介達外力によって発生します。

(例)仙骨(単独)骨折・・・
直達外力によって発生します。


2. 好発年齢や性差は?
骨折は、その部位によって起こりやすい年齢層があります。これを好発年齢と言います。
骨折で、好発年齢があるものは要チェックです。
また、男女の差(性差)によって発生する頻度が異なる場合も、あわせてチェックしておきましょう。

(例)鎖骨骨折・・・
幼児、小児、成人、高齢者のどの年齢層においても発生します。
性差は関係ありません。(性差によって骨折の頻度が変わらない場合は、講義や教科書では特に触れられません)
この場合、どの年齢層においても発生することだけを理解しておけば良いでしょう。

(例)大腿骨(頸部)骨折・・・
高齢者に好発します。
また、閉経後の女性に多く発生するのも特徴です。


3. 発生機序は?
発生機序というのは原因のことですね。具体的に、どのような姿勢や動きでケガが起こったかということです。
実際は、いろんな原因で受傷しますが、骨折学を考える場合、転んだとか捻ったなど、どのような原因で骨折しやすいか理解しておく必要があります。
数年前の国家試験からは、臨床実地問題という臨床的な問題が出題されるようになりました。その臨床的な問題を解くためには、発生機序の理解を深めておくことが大切です。

(例)鎖骨骨折・・・
最も多い発生機序は、肩部を衝いて転倒した時に発生するものです。
机や椅子などの高いところから墜落して(落ちて)、肩部を衝いて発生するのも含まれます。
それ以外では、肩関節外転位、肘関節伸展位で手掌を衝いて転倒しても発生します。
以上は、介達外力によって発生する場合の発生機序です。

直達外力によって発生する場合は、重量物が棚の上などから落下してきて鎖骨部に当たって発生します。


4. 分類

骨折した骨の部位によっては分類が設けられ、それぞれに名称がつけられているものがあります。これを、「部位による分類(部位別の分類)」と呼びます。
また、骨折の型によって分類される場合もあります。これは、「骨折型による分類」と呼びます。
このような分類がなされている場合は要チェックですね。

(例)大腿骨頸部骨折・・・
部位による分類では、大きく分けて「内側骨折」と「外側骨折」の2つに分類されます。そして、さらにそれぞれが2つずつに分類されます。

内側骨折・・・「骨頭下骨折」と「中間部骨折」の2つに分類。
外側骨折・・・「転子間骨折」と「転子貫通骨折」の2つに分類。

骨折型による分類では、近位骨片に対して遠位骨片が内転する「内転型骨折」と、近位骨片に対して遠位骨片が外転する「外転型骨折」の2つに分類されます。

骨折によっては、その程度に応じて分類されているものがあります。そのような分類では、(記載があれば)分類した人の名前とともに、分類名、それぞれの特徴についてチェックしておく必要があります。

(例)小児脛骨近位端部骨端線離開の分類(Watoson-Jonesの分類)
儀拭ΑΑ骨端核のみの剥離(裂離)
況拭ΑΑ脛骨近位端部の一部が剥離(裂離)するが、連続性を保つもの
祁拭ΑΑα瓦剥離(裂離)してしまったもの

これらについては文章(記述)として覚えるのではなく、図で覚えるのがお勧めです。


5. 転位状況

骨折によって、遠位骨片が近位骨片から離れて転位が起こります。
中には、遠位骨片だけではなく、近位骨片も転位することもあります。
例外的なものでは、遠位骨片は転位しないで近位骨片だけが転位する場合もあります。
一般的に、転位は骨片に付着した筋の作用によって起こります。
言い換えれば、骨片転位は付着する筋を考えることによりある程度想像することができると言えるでしょう。
従って、付着する筋が分からなければ、骨片転位も理解しにくいと言えるでしょう。

骨折学の講義では、転位に関連する筋についても簡単に説明がなされますが、受講に先立って、教科書に記載のある転位に関与する筋について(起始・停止・作用・支配神経など)確認しておくのがお勧めです。

(例)定型的な鎖骨骨折の転位・・・
近位骨片・・・胸鎖乳突筋の作用で、上方+やや後方に転位。
遠位骨片・・・上肢の重量によって下垂。大胸筋・小胸筋の作用によって短縮転位。


6. 症状

骨折時には、疼痛、腫脹、機能障害、異常可動性、軋轢音のほか、転位や変形が症状として現れます。
骨折学では、各部位の骨折において現れる症状をそれぞれ学びます。
骨折によっては、前述した腫脹が比較的少ないものであったり、軋轢音がないもの(軋轢音が触知しにくいものも含む)など、一般的な骨折の局所症状とは異なるものも少なくありません。
このように、柔道整復理論(総論)で学習した一般的な骨折の症状と異なるところは、骨折学において要チェックです。

(例)大腿骨(頸部)骨折の症状・・・
起立歩行は不可能となるのが一般的ですが、例外的に、骨折部が噛合(ごうごう)したものでは歩行が可能となります。

明日のBlogにつづく】


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