今日のBlogは、昨日のBlogの続編です。

7. 整復法および固定法

転位のある骨折は、整復を行う必要があります。
整復は、骨折した骨やその折れ方(骨折型)、転位の状況によって異なりますが、それぞれに応じた整復の方法について学びます。
また、骨折を整復した状態のまま骨癒合が得られるまでは固定を行わなければなりませんので、固定の方法についても学びます。

なお、学校によっても異なりますが、整復や固定は別途、柔道整復実技で講義される場合もあります。

(例)鎖骨骨折の整復法・・・
背臥位整復法と座位整復法があります。
背臥位整復法、座位整復法のそれぞれにおいて、具体的な整復操作を理解すると共に、モデルを用いてシミュレーションができるようになる必要があります。


8. 後療法

整復や固定を行った日以降における治療を後療と呼びます。
骨折の治療は、整復や固定を行っただけでは治りません。整復や固定を行ってからでも、固定をはずすタイミングであるとか、リハビリテーションの方法など、完全に治癒するまでにいろんな治療を行います。
後療法についてはさほど重要視される傾向にないようですが、後療法で間違えると後遺障害を残すこともあります。
後療法において特に気をつけるべきところは講義で取り上げられますから、そのようなお話には注意しておきましょう。


9. 合併症・続発症・後遺症

その骨折に合併症となりやすいものや、続発症となりやすいものは、国家試験にもよく出題されるところです。
と言うのも、実際の臨床においてこれらを理解した上で治療に当たらないと、これらを見逃してしまったりして責任問題にも発展しかねないからです。

ところで、合併症・続発症・後遺症については柔道整復学総論で勉強したはずですが、覚えているでしょうか?
忘れてしまった人は、教科書を復習しておきましょう。

合併症には、「広義の合併症」と「狭義の合併症」の2つがあります。
骨損傷(骨折)における(広義の)合併症は、骨折と同時に発生したり、骨折の治療経過中に発生したりするもので、治療の結果である予後に影響を与えるものなどを指します。

「広義の合併症」は、以下の3つに分類することができます。

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骨折を起こした外力そのものや、骨片転位などによって発生するもので、併発症とも呼ばれます。

続発症
骨折治療の経過中に、骨折による影響や治療法の不備などによって発生するものを指します。
狭義の合併症(併発症)とは、発生するタイミングが異なります。

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治療終了後においても、永続的に障害を残すことになってしまったものを指します。

このように、骨折学を勉強しようとすると、1学年の時に学んだ柔道整復学総論の知識が必要となってきます。
これは、脱臼学や軟部組織損傷学を学習する時も同じです。

(補足)

(狭義の)合併症や続発症は、厳密に区別できないものもあります。

(例)鎖骨骨折の合併症・・・

1)神経血管障害

鎖骨骨折の受傷と共に神経や血管を損傷したものは、(狭義の)合併症に含まれます。
一方、整復や固定によって神経や血管に障害をもたらしたものは、続発症に含まれます。

2)胸膜・肺尖損傷

鎖骨骨折の受傷と共に胸膜や肺尖を損傷したものは、(狭義の)合併症に含まれます。

3)変形治癒

続発症や後遺症に含まれます。
変形治癒は、受傷と共に発生するわけがありませんからね。
受傷と同時に発生せず、受傷した時から時間的な経過があってから起こりますから続発症に分類されますが、この変形治癒が後々にまで残ってしまえば後遺症とも言えます。
ですから、続発症であってなおかつ後遺症にもなるものは、続発性後遺症とも呼ばれます。

4)偽関節

3)変形治癒と同じく続発症や後遺症に含まれ、続発性後遺症とも呼ばれます。

5)肩鎖関節症

3)変形治癒と同じく続発症や後遺症に含まれ、続発性後遺症とも呼ばれます。


10. その他

「柔道整復学−実技編」の教科書をご覧下さい。
それぞれの骨折においてその冒頭に、「概説」が記載されています。
概説では、その骨折の主な特徴が列挙されています。

同じく「実技編」教科書の所々には、「メモ」として補足のようなものが設けられています。
太郎の個人的な見解ですが、これには案外、大切なことが書かれているものが多いようです。
ですから、この「メモ」も見落とすことのないように注意しておきましょう。

(例)鎖骨骨折・・・
”広い年齢層に発生。(幼小児・成人・高齢者)
定型的骨折は、中外1/3境界部で発生。
成人や高齢者では、第三骨片を有するものが比較的多い。
さ挟慇瓩鮴犬犬襪海箸狼であるが、変形治癒は多い。

教科書を見ても分かるように、骨折学では骨や筋などの模式図が多く掲載されています。
講義においても、黒板にはこのような模式図が幾度となく描かれ、それを元に説明が繰り返されます。
講義スピードについていくためには、骨の模式図(関節を含めた各骨格の正しい位置関係を示したもの)を正確かつすばやく描けることが必要です。
受講に先立って、教科書に出てきている筋について確認しておくことは前述しましたが、この確認と同時に、骨の模式図も描く練習をしておくことがお勧めです。

近年の国家試験には、臨床実地問題が出題されることも前述しました。
どうして、そのような傾向にあるのでしょうか?

ところで、臨床において最も必要とされるスキルは何でしょうか?
整復できる技術(腕)でしょうか?
それよりも、鑑別診断ができる技術ではないでしょうか?
具体的には、見落とさない(誤診しない)ための診断能力かも知れませんね。

教科書の本文中、「見落としやすい」、「誤診しやすい」というキーワードがあるのは要注意でしょう。
また、徒手整復が不可能とされているもの(絶対的に観血療法の適応となるもの)は、言い換えれば徒手整復を行ってはいけないわけですね。
「徒手整復が不可能」とか「観血療法の適応となるもの」は一見すると私たちには無関係のように思われますが、これこそ私たちが手をつけるべき外傷ではない(と手整復は行わない)と判断できる知識が要求されるわけです。


11. 最後に

余談になりますが、骨折学が得意になることで、柔道整復学の得点が上がると言っても過言ではありません。
これは太郎の学校で見られる傾向ですが、どの学校であっても同じ傾向にあるでしょう。

骨折学は決してやさしい学問ではありませんが、コツコツ(骨骨)と勉強を続けていくことで、必ず国家試験合格レベルに到達することが可能です。
そのためには、講義で学んだところは毎週、必ず復習して理解度を確認することが大切です。
また、分からないところは必ず質問をして、決して放置することのないように心がけましょう。

太郎は、実際の施術では脱臼が好きなのですが、勉強するのであれば骨折が好きなんです。(^^;
それだけに、皆さんも骨折学が好きな教科であり、得意な教科となることを望んでいます。


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