今朝の朝日新聞(13版)生活面(22面)には、膝の人工関節についてその長所と課題について掲載されていました。

今日のBlogではこの記事を拾い読みしながら、記録にとどめておくべきポイントについてお話していきましょう。

中高年に起こる膝の痛みの原因で最も多いのが変形性膝関節症だ。60代では女性の4割、男性の2割に、80歳を超えると女性の8割、男性の5割もがこの病気だという報告もある。

私たちは変形性膝関節症に対して直接施術を行いませんが、変形性膝関節症に由来して捻挫を受傷する患者さんは少なくありません。
また、膝関節捻挫に対して施術する上で、変形性膝関節症の合併はその症状経過を引き伸ばす要因の一つにもなり得ます。
それだけに、私たちの専門外とは言え変形性膝関節症は、切っても切れない関係にあると言えるでしょう。
記事には変形性膝関節症の年代別発症率が掲載されていますが、これは記録にとどめておくべきでしょう。
このようなデータを記録する場合は、どこ(誰)による報告かも記録しておくのがお勧めです。しかし、この記事にはどこの報告かまで掲載されていませんので、この場合はデータを得た元を記しておけば良いでしょう。

・変形性膝関節症−中高年に起こる膝の痛みの原因で最も多い。
・60代−女性の4割、男性の2割(平成19年12月16日付け朝日新聞)
・80歳超−女性の8割、男性の5割(同)

変形性膝関節症は年齢とともに軟骨がすり減り骨が変形して起こる(画像)。痛みや炎症による腫れのため、曲げ伸ばしが困難になる。
膝の関節は、太ももの大腿骨とすねの脛骨、その間で衝撃を吸収する軟骨などでできている。膝にかかる力は、歩く時で体重の約2倍、階段の上り下りでは3倍近い。

変形性膝関節症の進行









Blogをご覧の皆さんにしてみれば、何をいまさら!なんて思われる記述かも知れません。
「太ももの大腿骨とすねの脛骨」なんて言い方は、私たちは使わない表現です。
でも、この部分をピックアップしたのには理由があります。

新聞記事は、医学の知識がない一般の人向けに書かれたものです。
これがもし医学書であれば、「大腿骨と脛骨」という表現であることは言うまでもありません。
ここに、一般の人向けに書かれた記述と医学書の記述との違いがあるわけです。
要するに、私たちがこの新聞記事を読む場合、大腿骨は単にそう表現するのではなく、「太ももの大腿骨」という表現を採用するように示唆しているものなのです。
「大腿骨や脛骨なんて今どき、一般の人でさえ知られているだろう!」などという考え方はよくありません。
これを知る一般の人も数多くいますが、中には大腿骨や脛骨という骨の存在を知らない人もいて当然です。
このように、新聞記事を目にして、私たちが患者さんに対してIC(インフォームド・コンセント)を行うに際して専門用語を羅列する場合、一般の人に分かるように補足説明を加えるポイントを抑えるべきでしょう。
また、前掲の新聞記事は変形性膝関節症について、一般の人にでも分かるような表現に置き換えられています。
このような表現方法も見て、患者さんに分かりやすい説明のしかたを学ぶべきでしょう。

例えば、同じ変形性膝関節症の説明でも、次のようなものはいかがでしょうか?

関節軟骨を中心とした膝関節の構成体が徐々に退行性変性を来たし、疼痛、腫脹、変形などが生じる疾患。明らかな原因がなく加齢に伴って徐々に進行する一次性変形性膝関節症と、以前に受けた外傷や膝関節の炎症性疾患などに引き続いて発生する二次性変形性膝関節症に分けられる。一次性変形性膝関節症は女性に多く、日本人の場合には内側を中心に変性が進みO脚を呈する内側型のものが圧倒的に多い。
「今日の整形外科治療指針」から引用

私たちには分かっても、患者さんにしてみれば何がなんだか分からなくなることは一目瞭然です。
また、学術的な記述では、患者さんにとって不必要な情報もあるでしょう。
患者さんに説明を行う場合には、その患者さんにとって必要となる情報をピックアップして、できるだけ簡単にしてしまうことが肝要です。

新聞記事に掲載されていた変形性膝関節症の進行を示す図を画像に示しましたが、このような図も必要に応じてコピーしておくことがお勧めです。
患者さんに対して説明を行う際、口頭だけで説明するのではなく、図を用いた説明は思いのほか理解してもらいやすいものです。
医学書に掲載された図を利用するのも一つの方法ですが、それでは余計な説明が数多くありがちです。
新聞記事の切り抜きであることを伝えれば、患者さんも親しみがあって(?)、「自分にでも分かる!」と思うのでしょうか?
いずれにせよ、患者さんに図を用いて説明を行う際は、新聞や週刊誌の切り抜きを利用するのがお勧めです。

今日のBlogで利用した新聞記事にはこのほか、膝関節を人工関節に置き換えた場合のお話が掲載されていました。
例えば、手術は2時間ほどであるとか、手術の方法、術後の回復状況など。
また、正座を行うには膝を150度以上曲げる必要があるが、他の日常生活では130度ほど動けばこなせるなど、皆さんが知っているようで知らない情報も記事から得られます。
このような情報についても専用ノートを作るなどして記録しておくと良いでしょう。
なお、人工関節に置き換える手術の後は、平均110度くらいは膝が曲がるようになると掲載されています。
ということは、人工関節に置き換えることによって正座は当然難しいでしょうが、ある程度までの日常生活まで不自由なくこなせることが推測できます。

このようにして、臨床現場や医学書だけではなく、新聞記事などからでも勉強の素材が見つかるのです。


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