発赤部位に疼痛を訴える






45歳の男性会社員Aさんは、自宅座敷内を歩いていた時、右第1足指に痛みを覚えて来院しました。

右第1足指MP関節底側に圧痛を訴え、圧痛部位に一致して皮膚表面にはわずかな発赤が認められます。
MP関節の運動に支障はありませんが、歩行時において圧痛部位に荷重がかかると疼痛を訴えます。

円内に発赤を認める






かすかな発赤であるため、Web上で確認しにくいかも知れませんので、発赤部位(=圧痛部位)を円で囲んでみました。

実際の外観上も、光の加減によっては見落とす可能性も否定できません。

Aさんの患部を視診する場合、皆さんはどのようにして見るでしょうか?
椅子やベッド上に座ったまま足を伸ばしてあれば、患部は天井から差し込む蛍光灯の光の影になるでしょう。
そのような状態でも(発赤を)確認できなくはありませんが、中には蛍光灯の光が直接差していないと確認できないこともあります。
ですから、座位であれば膝を曲げてもらったり、腹臥位をとってもらうなどして患部に直接蛍光灯の光が当たるようにして患部を確認することも時として必要となります。

Aさんには、痛風の既往歴がありました。
それだけに、今回の所見も痛風の前駆症状を疑う必要も生じてきます。

今回のAさんの患部はよく見ると、発赤の中心部に(わずかに)芯のようなものを触れました。
ですから、そのまましばらく様子を見ることにしました。

痛風の場合では、芯を触れません。
この部位に芯を触れる場合は、例えば木の(爪楊枝なんかよりももっと)細い繊維・・・太郎の地域では「しゃくば」と呼びますが・・・が刺さった時に見られる症状です。
しゃくばが刺さったままの場合もありますし、1回はしゃくばによって突いたもののいつしか抜けていることもあります。
刺さったままであれば毛抜きで抜きますよね?

私たちのところに来院するのは、しゃくばのようなものが刺さったものの、いつしか抜けている(?)ようなケースです。

今回のAさんは案の定、数日もすれば発赤がなくなりました。


【補足】
青壮年期の男性が、「母趾の付け根が痛い!」などと言って来院された場合は痛風も視野に入れるべきでしょうね。
わが国での有病率は0.1〜0.3%と言われますが、接骨院の現場では比較的よく見られる疾患の一つに数えられるでしょう。
単関節炎で、発作は深夜から早朝にかけて起こることが多く、その半数は患部がむずむずするなどの予兆に引き続いて典型的な痛風発作となります。罹患関節は疼痛、腫脹、熱感、発赤を伴い、激痛は1日以内にピークとなります。全身の発熱を伴うことも多いです。【「今日の整形外科治療指針」から抜粋】
文献ではこのように記載されていますが、私たちの元を訪れるのは初期(前駆)症状の段階であることがほとんどです。従って、痛風の初期(前駆)症状として現れているのかそうでないのか見極める必要が生じてくるでしょう。その懸念があるならば、速やかに対診へと進めていきます。



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