62歳の主婦Aさんが先日、腰に痛みを訴えて来院しました。

自宅でソファに座っていて、座っている姿勢を変えようとお尻を少しだけ浮かせると同時に痛みを覚えたと言います。
ぎっくり腰と思ったAさんのご主人は、太郎の接骨院に急患で見てもらえないか電話をかけてきました。
あいにくその日の太郎は出張で、急患には対応できませんでした。

太郎が自宅(接骨院)に帰るのは2日後のことでしたので、発症した翌日、かかりつけの内科医院を受診しました。
と言うのも、腰に痛みを感じる数日前、発熱こそはなかったものの、風邪のような症状を感じていたため、腰痛も風邪によるものかも知れないと思ったからです。

内科医院では、内科的に何ら問題はないとのことで、もしかしたら風邪の初期症状(軽い風邪)かも知れないとの診断でした。
また、腰痛はぎっくり腰によるものでしょうから、内科的な病気とは関係ないでしょうと説明を受けました。

2日経ってもなお、腰の痛みは改善されなかったため、Aさんは太郎の接骨院に来院しました。

太郎が診察するに、ぎっくり腰に見られる圧痛部位(筋や筋膜の損傷部位)が見当たりません。(ーー;)
右腰部の広い範囲に疼痛を訴えるものの、その部位には筋緊張が認められません。
そのくせ、ベッドへの寝起きや寝返りは、見るからに痛そうで動きも緩慢です。

このような症状では、やはり内科的な疾患を疑うべきでしょうね。

Aさんには腹臥位になってもらい、左右の腰部(腸骨稜の上部)を両手でじわ〜っと圧迫してみました。
それでも変化はありません。

次に、前述した圧迫部位に掌を当てて、もう一方の手の拳で手背をとんとんと叩打してみました。
すると、僅かに痛みが響くと言います。

普段、この所見を認めた場合は有無なく内科的な対診を行なうところです。
内科的な対診のほとんどは、その患者さんのかかりつけ医にお願いします。
でも、今回は既にかかりつけ内科医に診てもらってあり、そこでは内科的な疾患が認められないという診断が下されています。

寒気もせず、寝汗をかいている様子もありません。
便も尿も普通に出ています。
訴えているのはただ、腰の痛みだけ。

このような理由から、太郎は対診を行わずに施術を続けました。
ただ、やはり内科的な疾患の疑いを拭い去れなかったため、必ず翌日も見せに来るように指示しました。

2日施術を続けたところ、幾分腰の痛みが楽になったとのことです。
それでもなお、腰部に見られた僅かな叩打痛はなくなっていません。

3日目になって、Aさんは腹痛を訴えました。
そして、かかりつけ内科を再度受診しました。
今度の診断は、腎臓が腫れているとのことで、内科的な治療を行うことになったそうです。

さて、Aさんが最初、内科医院を受診した時にはまだ腎臓が腫れていなかったのかも知れません。
太郎の接骨院を腰痛で受療した時、腎臓が腫れていたのかどうかも定かではありません。

しかし、ベッドでの起居動作とは比例しない腰部の症状所見(圧痛や筋緊張)をはじめ、腰部の軽い叩打痛は内科的疾患が潜んでいる可能性を示唆するものであったと太郎は考えています。

このように、一見外傷性腰痛と見られても、常にその影に内科的な疾患が潜んでいないか疑う目を持って施術に当たることが大切です。


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