今朝の朝日新聞には、“接骨・整骨院治療−保険請求「ケガ3カ所」集中”という見出しで、第1面に記事が掲載されました。

記事では、2007年10月中に申請があった柔道整復師の保険請求のうち7万件を抽出して調査したところ、3部位以上の請求が2000年調査時の32.5%から増え続け、今回初めて50.5%と半分を超えたというものです。

都道府県別に見ると、3部位以上の請求は(1)大阪府(81.0%)、(2)奈良県(80.1%)、(3)徳島県(80.0%)と西日本に集中し、この3府県は4位の兵庫県(69.2%)に比較していずれもが80%を超える突出ぶりです。

一方、3部位以上の請求比率が低いところは(1)岩手県(14.1%)、(2)山形県(19.7%)、(3)富山県(21.3%)と続き、(1)岩手県と(2)山形県の2県は10%台にとどまっています。

柔道整復療養費はかねてから西高東低を呈していると言われていたところですが、この調査結果はまさにそれを裏付けていると言えるでしょう。

記事の中には、「数の多い地域は、不正請求の割合が多いと推測せざるを得ない」という、業界団体幹部(?)のコメントが寄せられています。

この「数の多い地域」というのは、3部位以上の請求が多い地域を指すのか、それとも保険請求を行う柔道整復師の数が多い地域を指すのかは定かではありませんが、業界団体幹部の立場にある人が、このようなコメントを寄せたことに太郎は、わずかながらも不満を感じます。(ーー;)

「不正請求の割合が多いと推測せざるを得ない」と表現する限りは、不正請求があって然りのように受け止められます。
不正請求が行われないように指導するのが、業界団体としての責務では?

不正請求の一例として(?)、「保険対象外の肩凝りや腰痛を捻挫と偽って不正請求する例が後を絶たない」と掲載されています。

いつだったか、Blogで「肩凝りは症状の一つと考えられる」とお話しました。

なんら外傷に起因することなく、捻挫や筋挫傷として認めるべき所見がない、純然たる肩凝り(傷病名をつけることができない肩凝り)は、言うまでもなく保険対象からはずれます。

一方、例えば起床時に寝違えたものや、頸を左右に回した結果痛めたものは、保険請求の対象となります。
これら保険請求の対象となるものに、症状の一つとして肩凝り症状を伴ったとしても保険請求の対象からはずれることはありません。

要は、肩凝り症状を呈している患者さんに対して、純然たる肩凝り(保険対象外)なのか、それとも何らかの外傷に合併した肩凝り症状(保険対象)なのかを見極める必要があるのです。

その手順を怠って、肩凝りの何でもかんでもを保険施術としてしまうことによって保険者の誤解を招いているのかもしれません。

記事には、「厚労省が示すケガの基準があいまい」とも記されています。

これを皆さんは、どのように捉えるでしょうか?

厚労省はきちんとしたケガの基準を示すべきだと思いますか?

前述したように、肩凝り症状一つをとってみても、保険請求の対象となるものとならないものがあります。

患者さんの訴える肩凝り症状が、保険請求の対象となるいわゆる傷病なのか、それとも保険請求の対象とはならない単なる肩凝りなのかという判断は、柔道整復師に委ねられているところです。

肩凝り症状は、決して軽視すべき症状ではありません。

外傷に伴う肩凝り症状は、私たち柔道整復師が施術すれば良いでしょう。
でも、肩凝り症状の中には内科的な疾患に由来する症状として起こることもあります。

内科的な疾患に由来する肩凝り症状は当然、私たちの施術対象からははずれます。

でも、患者さんにしてみれば、外傷に起因した肩凝りなのか、それとも外傷に起因しない純然たる(単なる)肩凝りなのか、それとも内科的な疾患に由来した肩凝りなのかは判別がつきません。

「寝違えたのかな〜?」と思って接骨院を受療するケースもあり得るわけです。

柔道整復師は、肩凝り症状を訴える患者さんをよく診察し、保険対象と判断するか、保険対象外と判断するか、はたまた内科医院に対して対診(紹介)すべきものなのか見極める義務を負います。

例えばのお話、厚労省が「肩凝り症状を呈する(訴える)患者さんは皆、柔道整復師の保険施術の適応から除外する!」なんて基準を打ち出されてしまったら、柔道整復師の保険請求からは「頸部(頸椎)捻挫」という傷病が半減するかも知れません。
半減どころか、なくなってしまう!と言っても過言ではないかも知れませんね。

「ムーブ!の疑問」で、柔道整復師の保険請求について報道があったのは記憶にまだ新しいところです。

「ムーブ!の疑問」や今朝の朝日新聞記事に触れて、3部位以上の請求をはじめ、肩凝りの取扱いなどについて、今後の柔道整復師業界では理論武装の必要性を感じる太郎です。

朝日新聞記事








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