先日、損害保険会社から、交通事故で受傷した患者さんの施術を依頼する電話が入りました。

事故直後は事故現場に近い病院を受診し、その後2週間ばかりはそちらに通院していたそうです。
鞭打ち症状のようですが、患者さんの希望で太郎の接骨院を受療したいとのことです。
それを受けて損害保険会社は、太郎の接骨院に施術依頼の電話を寄越してきてくれたようです。

前からのBlogでもお話しているように、太郎の接骨院では今、1週間のうち毎日施術しているわけではありません。
太郎が学校に出向く時など、曜日によっては施術所をお休みにしています。しかも、変則的。(^^;

交通外傷の患者さんは、日常生活の中で受傷した外傷に比較して、(スピードがついている分)症状が重くなりがちであるばかりか、症状が安定しないことが多いですね。

ですから、慢性期(回復期)にある交通外傷であればまだしも、受傷後間もない患者さんであればあるほど毎日施術を行うのが理想的と言えるでしょう。

今回の患者さんは受傷から2週間を経ているそうですが、これでもなお、急性期から回復期へと移行する亜急性期にあると言えそうです。

患者さんが1人増えること・・・増してやその患者さんが交通事故の患者さんであるならば、喜んで施術依頼をお受けしたいところです。
しかし、前述したように、太郎の接骨院では毎日施術することができません。

ここは患者さんの利益を優先して、太郎の接骨院では週のうち毎日施術ができないことをお伝えし、丁重に(泣く泣く)施術依頼をお断りしました。(^^;
亜急性期にある患者さんを毎日施術せず、飛び飛びに施術すると、症状によっては遷延治癒を招きかねませんからね。

それに対して損害保険会社の人は、太郎の接骨院が毎日施術していないことは患者さんから既に聞いていると言います。
患者さんは、太郎の接骨院の施術日に合わせて受療したいと言っているそうです。

太郎の接骨院における施術日の都合で毎日施術を受けることができないのですが、それでも施術をしてもらえるか?という依頼です。

あれまぁ。
どういうことなのかしら?

患者さんのご住所は太郎の接骨院の隣町にあり、自動車で30分はかかる距離でしょうか。
太郎の接骨院に来るまでには、確か何軒もの接骨院がありますよ!

聞いてみると、10年以上も前に、太郎の接骨院を受療したことがある患者さんでした。

このような経緯を経て、1週間のうち毎日施術できなくても構わない(それによって治癒が遷延しても止むを得ない)という条件を、患者さんと損害保険会社の双方が了解済みで太郎が施術を担当することになりました。

患者さんはまだ見えていませんし、損害保険会社から施術依頼の電話が入っている段階です。

この段階で、太郎がすべきことと言えば・・・

太郎の接骨院では毎日施術することが不可能である旨は先に伝えてあります。
また、急性期や亜急性期の段階では、毎日施術しないと治癒を遅らせる可能性があることも伝えてあります。
そのことについては、患者さんおよび損害保険会社も了解済みです。

後は、患者さんの来院を待てば良い?
いえいえ、それだけではいけません。(ーー;)

皆さんがどこかのお店に行って品物を買う場合は値札を見るでしょう?
値札に書かれた金額を確認してお買い物をしますね。

散髪屋さんでは、表に書かれた料金を確認してから入りますね。
料金が書かれていなくて、見るからに高そうな散髪屋さんでは、ドアを少しだけ開けて・・・

「すみませ〜ん。カットはいくらくらいでしょうか〜?」

・・・などと聞いてから入る! というのは太郎だけでしょうか。(^^;

おすし屋さんでは?
太郎はもっぱら回転寿司専門ですが、たま〜に回らないおすし屋さんに行った時は・・・

「うに=時価」

なんて書かれた板を見て緊張しますね〜。(^^;

勇気を出して・・・

「うっ、うにっ・・・いくらですか〜?」

料金を聞いてみると、「2貫くらいならいいか〜」と、案外手の届く金額であることも。

でも、時には「高いよっ!」という店主の返事に続いて・・・

はい。参りました。そんな金額では財布が空っぽになってしまいます。m(__)m


ずいぶんお話がそれてしまいました。(^^;

自賠責保険施術は自由施術ですから、施術料金は柔道整復師が独自に決めて良いことになります。
前述したお店のケースで言えば、高級な(?)おすし屋さんってところでしょうか?

施術料金は「時価!」なんてことはありませんが、ある意味、損害保険会社からすれば柔道整復師の「言い値」とも言えるでしょう。

だいたいの相場のようなものはありますが、中には施術料金が1部位につき1回1万円なんてところもあると聞いたことがあります。

なお、施術料金が1部位につき1回1万円が悪いと言っているわけではありません。
この料金設定でも、例えば一発で治してしまうとか、5回以内で治してしまうくらいの技術があるのなら、1回1万円でも決して高くはないと思います。

太郎の技術レベルは、自己採点で柔道整復師の平均(中程度)と言ったところでしょう。
もしかしたら、平均以下(中の下)かも知れませんが。(^^;

ですから、太郎の自賠責保険施術料金は、平成12年まで提示されていた「自賠責保険施術料金(上限の目安)」を基準にしています。

今回電話をくれた損害保険会社の人とは異なる損害保険会社の人から聞いたお話ですが、この料金がだいたい、損害保険会社の人たちが思っている柔道整復師の自賠責保険施術料金の相場のようです。


(1) 施術料金の明示

さて、損害保険会社の人には、太郎の接骨院では毎日施術できない旨を伝えましたが、もう一つ、太郎の接骨院で自賠責保険施術を行った場合の料金についても伝えました。

「当院の自賠責保険施術料金は、平成12年まで提示されていた自賠責保険施術料金の上限の目安を基準に算定しています」

これを伝えるだけで、損害保険会社の人にしてみれば、おすし屋さんで表示された「うに=時価」が、お財布の予算内でまかなえるということが分かって安心してもらえます。

太郎は、自賠責保険施術料金の提示に際してはいつも、前述した料金を提示していますが、この料金を提示すると毎回、快く了解してくれる様子が伺えます。


(2) 保険請求の方法(時期)の告知

続いて、保険請求の方法(時期)についても告げておきます。

保険請求には、傷病が治癒してしまってから一括して請求する方法(治癒請求または一括請求)と、毎月請求する方法(月毎請求または毎月請求)があります。

損害保険会社の中には治癒請求を指定してくるところもありますが、その場合でも「当院では月毎請求しているのですが」と言って、一度は月毎請求を提案しておく方が賢明です。
月毎請求を提案して、それが認められれば月毎に請求を行います。

月毎請求が認められない場合は仕方ありませんが、自賠責保険施術において損害保険会社との間でトラブルが生じているケースの多くが、治癒請求をした場合に見られるからです。


(3) 前医における診断名の確認

今回、太郎の接骨院に対して施術依頼があった患者さんは、受傷してからこれまでの間、医療機関を受診してあります。

と言うことは、太郎の接骨院を受療するまでの間、既に患者さんは負傷部位に対して診療(治療)を受けていたわけです。

接骨院と損害保険会社の間で起こるトラブルの一つには、傷病名の問題があります。

医療機関で診断された診断名が例えば1つだったのに、接骨院では傷病名が3つも4つもに増えているとか、医療機関での診断名とはかけ離れた部位に傷病が生じているなどと言ったものです。

私たちが患者さんの傷病名をつけるのは、患者さんの申告(疼痛を訴える部位)を元に行うのが原則です。

鞭打ち症状(頸椎捻挫)を訴える患者さんに対して、「頸部の痛みは骨盤がゆがんでいるから」と言った理論を持ち出して、頸椎捻挫のほかに、患者さんが股関節部の痛みを訴えてもいないのに、左右の股関節捻挫を傷病名とするのはルール違反です。

診断行為が許されていないとしても、私たちが傷病名をつける場合は医学的な論拠に基づいてつける義務を負います。

ですから、各種手技療法などで用いられる、一般的な医学的理論からかけ離れた考え方をもって傷病名をつけてはいけません。

そういう意味から、前医での診断名を聞いておくことは大切です。

決してそれと傷病名を同じにする必要はありませんが、これを参考にして傷病名をつけるのが賢明と言えるでしょう。

なお、今回の患者さんのケースでは、まだ前医の方から保険請求がなされていないため、診断名が分かっていないとのことでした。


(4) 保険請求先および担当者の確認

最後に、保険請求を行う場合の請求先などを聞いておきます。

損害保険会社の名称
担当部署名、担当者氏名
会社所在地、郵便番号
電話番号とファックス番号


以上のような手順を踏んで、患者さんの受け入れ体制が整ったと言えるでしょう。

太郎のひとりごとではこれまでに、自賠責保険施術の取り扱い方をはじめ、損害保険会社とのトラブルについていくつか話題にしてきたところです。

それでもなお、自賠責保険施術において、損害保険会社とのトラブルは後を絶たないようです。(ーー;)

トラブルは、誰だって遠慮したいものですね。
トラブルが好きだ!なんて人はどこにもいないでしょう。

自賠責保険施術においては、トラブルが発生しやすいようです。
このトラブルのほとんどは、損害保険会社との間で起きています。

ここまで分かっているのですから、自賠責保険施術を取り扱おうとする場合、あらかじめトラブルを回避するような手立てを講じるべきかと思います。


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