骨折の有無を判断する指標の一つに、音叉(おんさ)を用いる方法があります。

音叉は特定の高さの音を発する二股に別れた金属製の道具で、楽器のチューニングに用いるものです。

【図1】音叉
音叉






医療の分野では聴力障害の鑑別に用いられたり、四肢に当てて振動覚の評価にも用いられています。

その振動覚検査と同じ手法を用いることによって、骨折の有無が判断できるといわれています。

見るからに転位が著明な骨折はもちろん、わずかな骨折線(リス)を呈するようなものまで鑑別が可能とされています。

中には、当初単純X線像で骨損傷が認められなかったのに、音叉を用いた検査では陽性を呈したため再度X線検査を実施したところ、骨折線(不全骨折)が確認できたという報告もあるほどです。

【図2】音叉を用いた検査
音叉を用いた検査





検査の方法は、まず【図2】に示すように、音叉のU字部分の片側をどこかで叩いて振動させます。
図では、小指球部を叩いて振動させています。

音叉が振動した状態にして、U字部分とは反対側の部分を体表面に当てます。

図に示した音叉は医療用音叉で、U字部分とは反対側にはゴム製のキャップがついています。
そのゴム製キャップ部分の底は平面になっていますので、体表面に密着させやすい構造といえるでしょう。

【図3】音叉による振動が骨損部位で共鳴
音叉による振動が骨損部位で共鳴





【図3】に示すように、骨損傷を疑う骨の体表面上に音叉を密着させ、患者さんの反応(感じ方)をみます。
骨折(不全骨折を含む)の存在ある場合は、音叉による振動が体表面を通して骨へと伝わり、患者さんは重くて響くような痛みを感じます。

なお、音叉を密着させる部位は必ずしも骨折部直上の体表面である必要はなく、例えば脛骨近位端部に骨折がある場合、脛骨遠位端部に音叉を密着させても上記のような響く痛みを訴えます。

もちろん、音叉を密着させる部位が骨折部に近づけば近づくほど、患者さんが感じる響く痛みはより明確なものとなります。
骨折部位の直上では、患者さんは身体をのけぞらせるほどの痛みを訴えます。

なお、【図3】に示した患者さんは、左脛骨外顆部に不全骨折が確認されたものです。
受傷から2週間を経過して、仮骨形成が認められている段階です。
図中の×印を記した部分は、骨折線の位置を示します。

受傷から2週間を経過した段階でさえ、骨折部直上の体表面はもちろん、骨折部から内側の脛骨粗面に近い部分に音叉を密着させても患者さんは響く痛みを訴えました。

ちょっと原始的(?)な方法かも知れませんが、冒頭でも触れたように、X線検査において確認されづらい骨折でさえ、その存在を示唆してくれる優れものです。

なお、同じ音叉でもチューニング用(音楽用)の音叉では、U字部分とは反対側の部分にゴム製キャップがついていず、U字部分の金属のままで球状となっています。

【図3】音楽用の音叉

音楽用の音叉




これでも骨折の有無を判断するのに用いることが可能ですが、医療用のものに比較すると体表面に密着できる面積が小さいからか、患者さんの訴える響くような痛みはかなり小さくなってしまいがちです。

従って、新たに購入しようとする場合であれば、音楽用の音叉はお勧めできないようです。

さて、今日のBlogでは、音叉を用いて骨折の有無をみる検査法をご紹介しました。
今日のBlog掲載にあたっては、太郎が所属する学校教務のY先生のご協力を賜りましたことを申し添えます。m(__)m


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