先日話題に取り上げた「施術録の保管期間」をご覧になって、複数の人たちからご意見やお問い合わせのメールが寄せられました。

メールを寄越して下さった皆さんに一つ一つ返信させて頂くのが礼儀ですが、Blog上で取り上げさせて頂くことによって回答に代えさせて頂きます。m(__)m


柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項(抜粋)
(平9.4.17 保険発57)(平18.5.23 保医発0523001)

第6 施術録について

1 療養費の支給対象となる柔道整復師の施術については、別添の記載・整備事項を網羅した施術録を患者毎に作成しておくこと。
なお、同一患者にあっては、初検毎又は負傷部位毎に別葉とすることなく、同じ施術録に記載すること。また、施術明細を書ききれない場合は、別紙に記載して施術録に添付しておくこと。

(以下、省略)


1. この留意事項は、所属する柔道整復師の団体に関わらず守るべきことなのですか?

この規定は、柔道整復師が、患者さん(被保険者)から柔道整復施術にかかる療養費の給付について委任を受けて(受任して)、療養費の給付を受けようとする場合に守るべきルールです。
分かりやすくいえば、健康保険施術をを行おうとする場合において守るべきルールです。

ですから、所属する柔道整復師の団体に関わらず、健康保険施術を行おうとする柔道整復師には皆、この規定が適用されます。


2. この留意事項を目にしたことがないのですが、それでも守らなければならないのですか?

健康保険施術を行おうとする場合は、勤務柔道整復師であってもこの留意事項を遵守する義務が生じます。
勤務柔道整復師の人でこの留意事項を目にしたことがないというのでしたら、施術管理者の人がその書面を管理しているかも知れません。
従って、施術管理者の人にお尋ね下さい。

また、施術管理者の人でこの留意事項を目にしたことがないという方は、施術所の開設(受領委任の取扱い申請)を行った後でもらった書類の中にないでしょうか?
もし見当たらなければ、所属する柔道整復師の団体にお尋ね下さい。

なお、この留意事項の全文をBlogに掲載しても良いのですが、かなりのボリュームがありますので、また機会を見てご紹介させて頂きたく思います。m(__)m
また、留意事項をはじめ柔道整復師が守らなければならないルールに関しては、今後も思いつくままにご紹介させて頂く予定ですが、この留意事項は健康保険施術を行う柔道整復師であれば必ず知っておかなければならないものです。
従って、Blogでの紹介を待つのではなく、それに先立って各自、ご確認して頂くことをお勧めします。


3. この留意事項は、勤務柔道整復師にも課されますか?

勤務柔道整復師といえども、健康保険施術を行おうとする場合は勤務柔道整復師として届けてありますね。
健康保険施術を行う施術所であれば、施術を担当した柔道整復師が前述した留意事項に基づいた施術録を作成しなければなりません。
なお、ここでいう「施術を担当した柔道整復師」というのは施術管理者を指すのではなく、施術を行った柔道整復師を指します。

複数の柔道整復師が施術に当たっている施術所では、例えば初検で訪れた患者Aさんの施術録はまず、初検時にみた柔道整復師が施術録を作成します。
その後、Aさんが受療の都度、施術した柔道整復師が替わるようであれば、その都度施術を担当した柔道整復師がAさんの施術録の経過欄を埋めていくことになります。

従って、施術録の作成義務が課されているのは施術管理者ではありません。
施術管理者は、当該施術所において施術録が適正に作成されているか注意を払い、もし勤務柔道整復師(施術を担当した柔道整復師)が施術録の作成や経過欄への記入を怠っているようであれば、それを行うように指導する責任があるといえます。


4. この留意事項は、研修生にも課されますか?

先にも述べたように、健康保険施術に携わる柔道整復師には皆、この留意事項が適用されます。
柔道整復師免許を取得して健康保険施術に携わる場合であれば、例えそれが卒後研修制度の受講中であっても適用となります。

同じ研修であっても、柔道整復師免許を持たない人(学生の人など)はこの留意事項の適用からはずれます。
免許を持たない人たちは単独で施術そのものを行うことができません。
現場では、柔道整復師免許を持った人が行う施術の補助を行っていると思われますが、この場合に施術録の作成(記録)義務を有するのは(主たる)施術を行った柔道整復師にあります。
従って、免許を持たない助手の人たちには、この留意事項が適用されないと考えるべきでしょう。


5. 施術所を廃止(休止)した場合でも、施術録を保管しておかなければなりませんか?

健康保険施術として医療保険療養費支給申請を行った場合は、例え施術所を廃止(休止)したとしても、施術録は規定どおり5年間、これを保管する義務があります。
施術所を廃止したとしても、施術所の廃止と同時に施術録を破棄できるなどとする例外規定はありません。

なお、施術所の廃止後に施術録を保管しておく場合は、施術管理者が保管しておくべきでしょう。
保管場所については規定がありませんので、守秘義務(秘密を守る義務)さえ履行できる環境にあれば、どこに保管しても差し支えありません。
患者さんの秘密が漏洩しないように十分配慮した上で、施術管理者が保管するようにします。


6. 初検ごと(または負傷部位ごと)に分けてはいけないのですか?

留意事項には、「同一患者にあっては、初検毎又は負傷部位毎に別葉とすることなく、同じ施術録に記載すること」とあります。
「初検のたびに施術録を新しくしたり、負傷部位(傷病名)ごとに施術録を新しく作らないように」というものですが、これについては太郎も皆さんと同じで首をかしげるところがあります。

初検や負傷部位ごとに施術録を別葉としないようにというのは、それぞれ(初検や負傷部位)において施術録が1枚ずつ追加されてあれば、その枚数も不用意に増えるばかりでごちゃごちゃしてしまう・・・施術録がかえって複雑になってしまうという理由からだそうです。
また、初検や負傷部位ごとによる施術録(用紙)の追加は、後に都合の悪い(?)用紙だけを抜き取ったり、差し替えるなどするのが容易になるため、不正を招く可能性があるからだとも聞いています。

施術録は、患者さんが初めて受療した時(初検時)に作成します。
初検時の傷病名が治癒するなど、施術が完結するまでその施術録に記載を続けます。
もちろん、初検時に作成した施術録が書き切れなくなった場合は、新たに用紙を追加していきます。
従って、留意事項では「施術録は1枚の用紙にだけしか書いてはいけない(施術録が2枚以上の用紙に及んではいけない)」といっているのではありません。

例えば、患者Aさんが平成20年2月に初めて初検で受療したので施術録を作成したとします。
当初の傷病が平成20年5月に治癒し、その後、受療が途絶えてあったものとします。
そして、平成20年10月に、5か月ぶりにケガをして受療した場合は、5月に片付けてあった施術録を出してきて、その後に続けて記録しなさいというものです。

施術録の保管は先日のBlogでお話したように5年間ですから、Aさんの場合では平成25年6月以降にまた新たに負傷して受療した場合は新しく施術録を作成することが可能です。
しかし、施術録の保管期間内にある平成25年5月までの間に受療した場合は、前回の初検時に作成した施術録の後に続けて記録していく必要が生じるのです。(*_*;

初めて初検で受療してから数回程度しか受療しない人であればまだしも、接骨院では一度受療した患者さんがその後、負傷する都度来院することは少なくありません。

このことについての取扱いは、柔道整復師の団体によって異なるようです。
多くの場合が管理を行いやすいように、初検ごとによってひとまとめにしたり、年ごとにひとまとめにしたりしているようです。

太郎の接骨院でも、まずは初検ごとによって施術録をひとまとめにしています。
前述したAさんのケースに置き換えるなら、平成20年2月から5月までの施術分がひとまとめの施術録に、そして同年10月からの施術分がもう一つのひとまとめの施術録として作成しています。
そして、平成20年が終わったら、平成20年に作成した施術録をさらにひとまとめにします。
すなわち、平成20年度分の施術録には、Aさんの2月から5月までの施術録に続けて、10月以降の施術分の施術録をファイルしていくのです。
なお、平成20年10月から新たに施術を開始したAさんの施術が、平成21年に入ってからも継続していた場合は、その施術録は平成21年度分にファイルしています。

この太郎の施術録の管理のしかたは太郎のお師匠さんの施術録の保管方法にならって行ったものですが、太郎と同じような施術録の管理を行っている先生がこれまでに行政(都府県)による調査を受けて施術録を提示しても、その管理方法(初検ごとに作成した施術録)について指導を受けたことがない状況です(平成20年10月現在)。

ただ、施術録の作成にあたって傷病ごとにこれを作成するのはお勧めではないでしょう。
同じ時期における施術にかかる記録は、ひとまとめの施術録において行うのが理想的です。

なお、施術録の管理の方法については、所属する柔道整復師の団体によって考え方が異なるようです。
太郎の施術録の管理方法は参考としてご覧頂き、皆さんはそれぞれに所属する柔道整復師団体の指導に基づいて管理を行って下さい。


【アンケートご協力のお願い】

皆さんの施術所では、一人の患者さんの施術録をどのような単位でつづっておられるでしょうか?
Blog本文左の枠外に、アンケートを設置しましたので投票をお願いします。m(__)m
なお、アンケートはPCからのアクセスにのみ対応しており、携帯電話からのアクセス(一部を除く)には対応していません。



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