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理論編教科書(P.258)には、大腿骨頸部骨折の骨折線と転位についての記載(参考15)があります。

その中に、Pauwels(パウエルズ)の分類とGarden(ガーデン)の分類という、2つの分類が記されています。

1) Pauwelsの分類

Pauwelsの分類は、X線前後像で水平線に対する骨折線の傾斜をもとにした分類で、骨頭にかかる垂直負荷を圧迫力と剪断力に分け、骨折部の安定性を評価しようとする分類です。

骨折線が30度であれば荷重のほとんどは骨折線に対して圧迫力として作用し、骨折部は安定して骨癒合も良好となります。
対してその角度が増加するにつれて剪断力が大きくなり、骨折部は不安定で転位しやすく、骨癒合も不良となっていきます。
安定した骨折線はPawelsによると、50度が限界とされています。

骨折部に働く剪断力と圧迫力



【画像】
A:水平線に対して骨折線のなす角度が小さいほど(水平になるほど)、骨折部に対して圧迫力が働きます。この場合、剪断力はほとんど生じないため、骨癒合は良好となります。

B:骨折線のなす角度がAよりも強くなる(傾きが生じる)と、骨折部には剪断力が生じ始めます。剪断力とは、近位骨片と遠位骨片が骨折部でずれていく力を指します。画像では、近位骨片に対して矢印方向にずれていく力が働きますが、この時の力が剪断力です。なお、剪断力が生じるのに伴って、これまで働いていた圧迫力は比例して減少していきます。

C:骨折線のなす角度がさらに強くなる(傾きが垂直に近づく)と、骨折部に働く剪断力と圧迫力の力関係は逆転します。すなわち、最初は「剪断力<圧迫力」だったのに対して、剪断力がだんだんと増えていき、「剪断力=圧迫力」となり、ついには「剪断力>圧迫力」となります。画像Cは「剪断力>圧迫力」といえるでしょう。


皆さんの教科書では、第1度骨折、第2度骨折および第3度骨折の3つのタイプに分類されています。

第1度骨折:30度以下で骨折部に働く力は骨性癒合に有効に働くもの。
第2度骨折:30〜70度で骨折面には剪力が働くから骨性癒合は困難である。
第3度骨折:70度以上で治癒条件は第2度骨折よりさらに不良である。


教科書では第1度、第2度・・・という表現ですが、医学書によっては儀拭↓況拭ΑΑΔ覆匹箸いぶん表現が異なる場合もあります。

第1度骨折のように骨折線の傾斜と水平面のなす角度が30度(30度以下)の場合では、骨折部に作用する剪断力は吸収されてしまい、圧迫力がほとんどとなります。

第2度骨折は、骨折線の傾斜と水平面のなす角度が31度以上70度未満(69度以下)の例を指します。
なお、教科書に示された骨折線の傾斜と水平面のなす角度が50度の場合では、骨折部に加わる剪断力と圧迫力はほぼ同じ割合(剪断力≒圧迫力)で作用するといわれています。

第3度骨折は、骨折線の傾斜と水平面のなす角度が70度以上の例を指します。
この場合では、骨折部には圧迫力が加わらず、剪断力のみが作用するため、骨癒合にはきわめて不利で偽関節が発生しやすい状況です。

Pauwelsの分類



Gardenの分類については、次回のBlogにゆだねることにしましょう。

【参考文献】
「柔道整復学−理論編(改訂第4版)」
(社)全国柔道整復学校協会・教科書委員会 編集/南江堂 発行/第4版第4刷/2006年2月
7,300円(税別)
(「柔道整復学−理論編」は来春、改訂されるとのことです)

「骨折治療学」
水野耕作・糸満盛憲 編集/南江堂 発行/2000年4月
18,000円(税別)

「骨折・脱臼」
冨士川恭輔・鳥巣岳彦 編集/南山堂 発行/第1版第2刷/2002年3月
28,000円(税別)
(太郎が持っているこの本は2002年3月発行の第1版第2刷ですが、現在は改訂されています)


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