16歳の男子高校生A君に発生した症例です。

サッカーの試合中、ジャンプしてヘディングしようとした時に相手選手と接触し、手掌をついて転びました。
その際、肘関節には過伸展が強制されました。

受傷と同時にA君は、ピッチにうずくまり、起き上がることができませんでした。
患側上肢は下垂して、肘関節は軽度屈曲位、前腕は中間位よりやや回外位をとっています。
健側の手で、患側の手関節に近い前腕部を持って支えています。

この試合にトレーナーとして出向いていたK先生は、A君の受傷時、ピッチの外のやや離れた場所にいました。

A君がピッチ内にうずくまった受傷直後、K先生は、A君の痛みが遠目からでも尋常ではないことが分かりました。
それを裏付けるように、A君は自力で立つことができず、両脇から支えてもらうようにしてでないと立てなかったほどです。

A君の傷病−外観


上の画像は、A君がピッチ近くにあった教官室に連れて来られて間もなくの患部の外観です。

A君の肘頭が、後方に突出しているのがお分かりですか?

肘頭の上部にある上腕三頭筋腱は、索状に緊張しています。
画像からは、上腕三頭筋腱が後方に引っ張られているため、その遠位部で上腕骨との間にくぼみが確認できますね。
当然、肘関節は自動運動ができず、この肢位に弾発性固定されています。

医療機関への受診を手配して待っている間、K先生は、神経損傷や血管損傷の有無を確認しましたが、いずれにおいても異常は認められませんでした。

当日は日曜日だったこともあり、この傷病に対応できる医療機関を見つけるのには多少、時間を要しました。

A君が教官室に連れて来られた時は、先に示したような患部の外観であったものが、受傷から10分あまり経過したころにはA君の肘がみるみる腫脹を呈してきました。

教官室に連れて来られた時には上腕三頭筋腱の索状となった緊張が外観から確認できたのに、その頃には腫脹で確認できなくなっていました。

教官室の椅子に座ったままのA君が訴える疼痛は、腫脹の増加に伴って次第に増してきました。

さて、この場にいたK先生に代わって、もしあなたがいたとしたらどうしますか?

続きは、次のBlogに委ねることにしましょう。



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