新年明けましておめでとうございます。

昨年は、東日本大震災をはじめとする大きな災害が起こりました。
被災された皆さまには、1日も早く落ち着いた生活に戻られることをお祈りします。

さて、前回のBlogから、ずいぶんと日が経ってしまいました。m(__)m
今日のBlogでは、前腕両骨後方脱臼の復習を交えながら、お話を進めていきましょう。


【肘関節脱臼の発生頻度】

外傷性脱臼として発生する脱臼の中で最も発生頻度が高いのは、肩関節脱臼です。
肘関節脱臼は、それに次いで発生頻度が高いといわれています(*1)。


【肘関節脱臼の分類】

肘関節脱臼は、上腕骨に対して位置関係が偏位(へんい)している骨の種類によって分類します。

1) 前腕両骨脱臼 = 上腕骨と、前腕骨(橈骨および尺骨)の位置が正常ではないもの。

「1) 前腕両骨脱臼」は、さらに、上腕骨に対する前腕骨の位置関係をもって、次の4つに分類されます。

a) 後方脱臼
b) 前方脱臼
c) 側方脱臼(さらに、「外側脱臼」と「内側脱臼」に分類されます)
d) 分散脱臼(別名=開排脱臼)(さらに、「前後型」と「側方型」に分類されます)


一般的にいわれる肘関節脱臼は前腕両骨後方脱臼で、「1) 前腕両骨脱臼」の中の「a) 後方脱臼」を指します。

なお、後方脱臼と呼ばれる理由は、上腕骨遠位端(近位関節面)に対して前腕骨近位端(遠位関節面)が、後方に位置しているからです。
とはいえ、前腕両骨後方脱臼において、実際に脱臼するのは上腕骨遠位端です。


2) 前腕骨単独脱臼 = 上腕骨に対して、前腕骨(橈骨または尺骨)のいずれかの位置が正常ではないもの。

「2) 前腕骨単独脱臼」は、さらに、上腕骨に対して偏位している前腕骨の位置関係をもって、次の2つに分類されます。

a) 尺骨単独脱臼
b) 橈骨単独脱臼(さらに、「前方脱臼」、「後方脱臼」および「側方(外側)脱臼」に分類されます)


1)や2)といくぶん性質が異なりますが、肘関節脱臼の中には、幼小児に多く発生する肘内障もあります。

3) 肘内障


 *     *     *

次いで、前回のBlogをご覧になって寄せられた皆さんの疑問を、いくつかピックアップしてみましょう。


1) 肘関節脱臼に伴う腫脹

肩関節や顎関節などに起こる一般的な脱臼では、骨折に見られるような著明な腫脹が現れません。
でも、肘関節に起こる脱臼(肘内障を除く)は、骨折の存在を疑わせるほどの腫脹を伴います。


2) K先生が行おうとした整復−医師の同意の必要性

柔道整復師が脱臼(または骨折)の患部に施術を行おうとする場合は、医師の同意が必要です。
ただし、その施術が応急手当に相当する場合は、医師の同意を得ずに施術を行うことが可能です。(柔道整復師法第17条)

K先生が行おうとした整復は、応急手当に相当します。
従って、整復に先立って、医師の同意を得る必要はありません。
ただし、K先生がA君の脱臼に対して、翌日以降も後療施術を行おうとする場合は、医師の同意を得た上で行う必要が生じます。


【つづく】



*1 : 「神中整形外科学(下巻)」第22版第1刷,杉岡洋一監修,南山堂,2004年5月



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