静岡県青年司法書士協議会NEWS

「世の中のあらゆる事象において法律家に無関係なものなどない」

静岡県青年司法書士協議会の活動報告日記です。

3/22 小野市への意見書

こんにちは。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130327/lcl13032722560000-n1.htm

すでに3月27日に小野市議会において本条例案は可決されたようですが、この問題を今後も注視してゆきたいと思います。遅くなりましたが、当会が、3月22日つけで小野市へ送付した意見書となります。
なにか情報がございましたら、お知らせください。

小野市長 蓬莱 務 殿
小野市議会議員 各位
                    意 見 書

                                   平成25年3月22日
                                 静岡県青年司法書士協議会
                                   会  長  衞 藤  仁
                                     TEL053-430-0236

1.意見の趣旨
小野市福祉給付制度適正化条例(案)を否決されたい。

2.意見の理由
私たち静岡県青年司法書士協議会は、静岡県内の若手司法書士110名余り で構成される任意団体であり、消費者や生活困窮者、被災者等の支援活動を通じて、これら権利侵害を受けやすい市民の権利保全・権利実現を図るべく、研究・問題提起・是正活動等を行っている団体である。
今般、貴市第384回市議会定例会第17号議案において、「小野市福祉給付制度適正化条例」(以下、「本条例案」という。)の制定を審議されるとの報道に接し、本条例案が次のとおり市民に対し人権侵害を及ぼす恐れが極めて強いものであることから、上記「意見の趣旨」記載のとおりの意見を表明する。

(1)生活保護法や児童扶養手当法の趣旨を没却する
本条例案は、生活保護法や児童扶養手当法、その他福祉制度に基づき給付された金銭の受給者(以下、単に「受給者」という。)が、給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消してしまうことにより、その後の生活の維持、安定向上ができなくなるような事態を招かないよう、市内に住所又は生活若しくは活動の拠点を置く者等に対し、市及び関係機関の調査、指導等の業務への積極的な協力や市に対する情報提供を「市民及び地域社会の構成員の責務」として、市民に受給者の日常生活を監視させようとするものである。
しかし、監視される受給者にとっては、世帯構成員の「小遣い」に該当するような日用少額の費消であっても他者からの監視・干渉に晒されかねない。
そもそも、給付された金銭をどのように使うかは、個人の自律的判断に委ねるべきであって、行政機関がその使途について監視・干渉することは憲法や生活保護法、児童扶養手当法などの法の趣旨にも反するもので、到底、許されるものではない。生活保護法第27条でも、実施機関が不当に要保護者の自由を侵害することがないよう、同条第2項及び同条第3項において、実施機関の指導及び指示の範囲を制限しているが、本条例案はこれらの生活保護制度における要保護者の自由を条例により不当に制限するものである。
さらに、児童扶養手当法には、生活保護法第27条に相当するような「指導及び指示」の権限が行政機関に与えられていないことからしても、本条例案が児童扶養手当法の立法趣旨を不当に抑圧していることは明らかである。

(2)受給者及びこれから受給をしようとする者の受給意欲を殺ぐ
 現在、生活保護を受給する世帯の多くは高齢者世帯であり、母子家庭世帯であり、構成員に障がい者を抱える世帯である。
 これらの受給者の中には、生活保護を受給することにただでさえ後ろめたさを感じている者も少なくなく、そうした受給者にとって、本条例案が制定され他者から家計の費消状況について監視・干渉をされる可能性が出てくるのであれば、その可能性を回避するために受給を辞退、あるいは躊躇するといった行動に出ざるを得なくなる状況は容易に想定される。
 また同じことは生活苦により生活保護の受給を検討している生活困窮者にも該当しうる。
 憲法が最低限度の生活を保障しているのに反して、本条例案は生活困窮者の生活保護申請意欲を不当に殺ぐことにつながりやすいのであるから、違憲(憲法25条、11条、13条違反)というべきである。

(3)市民に対し密告を義務づける不当な制度である
本条例案の様に、対象が極めて曖昧で且つ市民に過大な義務を課す条例が制定されてしまえば、受給者は常に「適正化協議会」「適正化推進員」の監視と調査活動の下におかれ、情報提供と調査協力の「責務」を課された市民相互の監視体制のなかで、いつ指弾され、あるいは不利益処分を受けてもおかしくないという不安と恐怖の中で過ごさざるをえなくなる。
このような社会は、疑心暗鬼と社会的憎悪の増大をももたらすものであり、生活保護制度をはじめとした社会保障制度と相容れない。また、社会保障制度を利用していない市民に対しても、密告の責務を課すものであり、戦前戦時下の治安維持法に象徴される前近代的な集団監視統制社会へ逆戻りさせるものであり、受給者にとっても受給者以外の市民にとっても不幸をもたらすものといわざるをえない。

以上の理由により、上記「意見の趣旨」記載のとおりの意見を表明する次第である。


3/16 新会長就任

青司協会長就任のご挨拶
                                   静岡県青年司法書士協議会
                                       会長 衞藤 仁

 3月16日青司協定時総会において平成25年度青司協会長に選任いただきました。ありがとうございます。型にはまらず、自由な発想で、この1年の活動を盛り上げてゆきたいと思いますので、皆様よろしくお願い申し上げます。
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Feel、Move、Up! これを本年度の事業計画でテーマに掲げさせていただきました。由来は、

Feel(感じる)
かつてブリース・リーは映画『燃えよドラゴン』で「ドントシンク、フィール!」と言っていました。彼ほどの武術の達人ともなると、いちいち頭で考えないで、体が自然に対応します。場や空気や相手を敏感に「感じる」とき、おのずとやるべきことをしている、そういう境地に、到達してみたいです。

Move(感動する、感動させる、動く、動かす)
自動詞と他動詞とある言葉です。青司協は活動集団です。まず「動く」。前々代会長芝さんが会長就任の直後に役員を集め「現地(被災地)へ行きましょう」と語られ、4日後には宮城県気仙沼を目指す車中にいました。誰かが「動く」ことで周りが連動していく。一人の行動がみんなを巻き込んで大きなうねり(ムーヴメント)になる。とても青司協らしいと思います。

Up!(発信する)
インターネットが普及した現在、氾濫する情報の約9割が無為に費消されているとの指摘もあります。こうした状況は無意識のうちに人々を情報の一方的受信者に陥れ、麻痺させ思考を停滞させているかもしれません。でも、青司協は違います。どんどん発信をして、社会の不平等不公正権利侵害に対して果敢にノンを突き付ける団体です。

以上、本年度のテーマについて説明いたしましたが、具体的には、
1 実務と研究と「発信」が密接に連動すること
2 前項作業には,他業種(他士業)との日常的連携が不可欠であること
3 2項と同時に,静岡県青司協内に,常設的な実務研究部会が必要であること
4 実務研究活動に効果的な予算補助があること
5 役員(事務)は継承効率化され,会員全般の協働が求められること
を柱に組織の活性化を図ろうと思います。

目を社会に転ずれば、中小企業金融円滑化法の期限終了、生活保護基準切下げ、貸金業法改悪の動き、民法改正(特に保証問題)、孤立社会、若年者雇用、原発と被害、被災地復興。こういった問題を見るとき、その問題の背後には大勢の人がいます。まさに生命や生活基盤が脅かされている人がいます。テレビの報道ですべてを知った錯覚に陥っていても、現場に行って直接自分の目で確かめれば、風景は一変し、そこに生きる人々の本当の声が聞こえてきます。
ぜひいっしょに活動を盛り上げましょう!

今後の事業予定 
4月21日 気仙沼大島マラソン参加 (震災後3年ぶりの開催だそうです)
5月25日 原発ADR相談会 (県内避難者や風評被害事業者向けです)
6月 生活保護相談会等活動or中小企業金融円滑化期限終了対応110番(仮)
7月あるいは8月 レクリエーション(BBQ)

被災地レポート(12月22日・23日)

被災地レポート(12月22・23日)
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