2006年04月26日

軸回旋伸張法(系統的逆モーション療法)

 
 軸回旋伸張法とは当院独自に考案致しました自療矯正法で、自らの動きで痛みなどの愁訴を解消する目的で開発されたものです。その原理は身体全体の系統的逆モーションにあり、筋骨格系の異常部位に対しての初期化或いはリセットです。操体法の創始者故橋本敬三先生は、身体の関節に付いて、何らかの外力が加わりズレが起こった場合、運動分析を行い関節がズレている方向を特定し、まったく逆の方向(関節が元に戻る方向)に、誘導抵抗を加え矯正する逆モーション療法(操体法)を確立致しました。
 軸回旋伸張法は操体法に於いて、局所のズレを問題にしていたものを、身体全体に当てはめたもので、その原理は身体に対する逆モーションの方向性にあり、また独自の動き方に有ります。そもそも身体全体に対する逆モーションとは、私達人間の二足直立に於ける、姿勢と動きに対して働く重力に起因するもので、基本的に通常の生活に於いての姿勢あるいは動きは、利き手と重心(軸側)の関係から、一定の姿勢及び動きを無意識に行っています。
 一例を挙げますと通常右利きの場合、椅子に座り何か作業を行う時、意識的に成らない限り、利き手側に重心が移動し易く,上体はやや前傾になります。この姿勢は殆んどのデスクワークの特徴です。また立ち仕事の場合も同じく意識しない限り、利き手側に重心が移動し、上体はやや前傾での作業になります。さらに身体的動きの代表であるスポーツは、利き手と軸の問題が顕著に現れます。例えば野球の様に球を投げる場合、右利きでは上体の右から左への回旋が主動作になり、上体の体重は右足から左足に移動します。さらに左の回旋に伴い上体は前傾します。この動きは代表的な動きですが、その他、ゴルフやテニス或いはサッカーなども利き足を多用する為、上体の左回旋と右から左足への重心の移動が起こります。これらの事を観察しますと右手利きの特徴的な傾向として、

 1 座位或いは立位の場合、利き手側への重心の移動(軸の移動)

 2 作業に於ける前傾姿勢と僅かな回旋動作(作業内容により左或いは右回旋)

 3 多くのスポーツに於ける主動作として、上体の左回旋と右足から左足への体重移動 

と言う事が出来ます。この姿勢或いは動きに重力が加わりますので、継続的な力の方向性として、上方から下方への垂直求心的な力に、上体の回旋に伴う回転が加わり、求心的な下方への螺旋の力が働きます。これを右利きのデスクワークに当てはめてみますと、まず上体の体重は右利きの為、利き手側の右坐骨により多くかかり易くなります。そして作業に於いての姿勢は前傾となり、右手を使う事で僅かな左回旋が加わります。この動きと姿勢に対して働く求心的な螺旋の力は、軸側の上体を支持する右仙腸関節に最も強く加わり、姿勢に付いては上体の前傾と僅かな左回旋として働きます。この傾向は立位に於ける作業或いはスポーツに於いても同様です。
 軸回旋伸張法はこの特徴的な姿勢、或いは動きに対する下方への垂直求心的な螺旋の方向性に注目し、そのまったく逆の動き、即ち垂直遠心的な上方への螺旋の動きを求めたものです。つまり身体全体に対する逆モーションとして、先に挙げました右利きのデスクワークの例を取りますと、上体の前傾には垂直遠心的な上方への動きを、また上体の左回旋には右回旋を組み合わせ、右坐骨に垂直的な軸を取り、骨盤の固定、上体の回旋動作、約3秒間の矯正運動の一連の動きに呼吸を操作する事で成立致します。
 この動きの基礎となる理論は、操体法の故橋本敬三先生、並びに関節運動学的アプローチAKAの博田節夫先生に求め、両先生の理論を応用展開したものです。またその動きは連動操体法の根本良一先生の操法を、この理論に当てはめ独自の動きに改良し、自療法としてご自身で効果が出る幾つかの要素(固定、矯正運動、溜め)を取り入れる事で、現在の形に成っております。将来的に多少修正あるいは改良が行われるとは思いますが、現在に於いてはほぼ完成したものに成っていると思います。  
Posted by seitai227 at 23:26Comments(0)TrackBack(0)