整体日和。

整体師の極私的日常を書き綴っています。

天雷无妄

あけましておめでとうございます。

新年の卦は「天雷无妄(てんらいむぼう)」。
なんだか変化の多い年になりそうだけど、道を守りつつ流れに身をまかせることが大切らしい。

昨年は、外面的には取り立てて目立った動きのない静かな年だったけれど、実は内面的にはそれまで経験し積み重ねてきたことの捉え方が根底から大きく変化した時期でした。

今年はその内的な変化を少しずつカタチにして、アウトプットしていけたらと思っています。

昨年は本当にいろいろな方にお世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

夜があけたら、しばし旅に出かけてきまーす(^^)

行為の意味

健康を保つために最適なエクササイズとして「歩くこと」の重要性をあらためて考えている。

身体の各部位を伸ばしたり捻ったり深呼吸したりと、個別の要素に特化しておこなう方法もあるけれど、それでは「統合力」という生命にとって重要な要素が抜け落ちてしまいがち。また健康法それ自体に特化した動きというのは、習慣化(=日々の継続)もなかなかしづらいものである。

前回のエントリーで触れた映画「玄牝」を観ていたときにも、少し似たようなことを考えていた。映画(といっても実際の光景)の中では、出産を控えた妊婦の方々が、薪割りや壁拭き(スクワット)、あるいは田植えなどに勤しむシーンが映されていたが、これは胎内を窮屈でない快適な空間に保ち、かつ時期が来ればきちんと生み出すことのできる「腰」をつくるためのトレーニングなのだろう。

それ自体はとても理にかなっていると感じた一方で、現代の家庭生活のなかで薪割りや壁拭きを実践するシーンが、どうにもイメージし難かったことも正直なところ。もちろんそれらの代わりになるようなエクササイズが普及すれば、それはそれで結構なのだけど、それでもなんとなく何かが違う気がしてしまったのである。

その違和感はおそらく(現代人の)日常生活とのズレからくるものなのだろう。自然分娩は理想的だけど、今さら皆が薪を使う生活には戻れそうにないし、それがベストな答えとも思われない。しかしながら現代人の生活における「行為」の多くが、おのずから身体を育んでいけるような自然なものとは、著しく乖離していることもまた事実だと思う。ゆえに補助手段としての◯◯エクササイズなるものが、どうしても必要になってきてしまう。

効率化は肉体労働から人々を解放してきたが、それがさらに進んだ結果、いまや生活の糧となるべき仕事までもが失われつつある。そして健康も・・・。

自然に沿った生き方と人間の知恵が調和した、現代人なりのライフスタイルとはどのようなものだろうか? まずは「歩く」という行為を通じて、私なりにそれをデザインしてみたいと思う。

玄牝(げんぴん)

渋谷のユーロスペースで河瀨直美監督「玄牝(げんぴん)」を観てきた。
長い年月に渡って自然なお産に取り組んできた産婦人科・吉村医院のありのままの姿に迫ったドキュメンタリー映画。

おそらくだけど、この映画を観た女性の多くは「できれば自分もこんなふうに産んでみたい」と感じるのではなかろうか(男である私の目にも、出産直後の我が子を抱きしめる女性の姿がたいへん羨ましく映った)。

ただ、ここでの出産のリスクが高くなり、急遽転院したことで事無きを得たケースや、吉村院長自身のご家族との確執など、映画としてはあくまで中立的な視点を貫いているところは、さすが河瀨監督と感心させられた。

自然界の生き物にとって出産はいうまでもなく「自然」な営み。一方でよくも悪くも知恵を授かった人類は、出産時の母子のリスクを最小限に抑える技術を編み出し、現代の日本ではその環境下での出産が「自然」なこととされている。
どちらが全うすべき「自然」なのか、おそらく二者択一的な答えは出せないのかもしれない。

個人的な理想をいえば、母体の健康が許す範囲では自然な分娩を選択でき、かつそれが危険と判断された場合にはすみやかに帝王切開等の対処も可能であるような「相補的」な体制が整った環境が構築できればいいな、と思う。

もっとも吉村氏の提唱する自然なお産というのは、出産以前の母親のライフスタイル、ひいては社会のあり方そのものへの提言でもあるわけで、単に出産の方法のみを議論するのは、そもそもナンセンスなのかもしれない。

いずれにしても、私自身はこの映画を見ている間に、非常に多くの示唆を得たし、また将来自分が子供を授かるとしたら、どんなふうに出産までの日々を(奥さん&お腹の子と一緒に)過ごしたいかというイメージが描けた気がする。

自然なお産に興味がある方もそうでない方も、この映画を観た後には少なくとも自分がどうしたいかの判断基準ができるのではないでしょうか。とりわけ女性にとっては一見の価値がある映画だと思います。

映画「玄牝」オフィシャルサイト

思うところありまして…

拙ブログ「整体日和。」は、当分の間、私クマさんの「個人ブログ」というスタンスに変えさせていただくことに決めました。したがって「有風庵」からはリンクを外し、独立運営(あるいはブログから一方通行)というカタチをとろうかと思います。

そもそもブログというものを始めた当初は、まだ整体にも携わっておらず、まさに個人ブログ(ちなみに「曲全日録」というタイトルでした)というスタンスだったのですが、整体院を開いてからなんとなく公式ブログ的な意識を持つようになり、今にいたります・・・といいつつ、実質は整体に関係のない話題も多かったですが(^^;)

でも、実際にいろんな患者さん達と関わる中で分かってきたのは、どんな方にも当てはまるような整体の情報発信は(少なくとも私には)難しく、もし仮に最大公約数的なエントリーを書いたとしても、おそらくその情報にはさして価値がないのではないか、ということでした。
逆に、個々のケースを取り上げるとなると、患者さんのプライバシーに関わることもありますし、そもそもが「体と体の対話」を言葉で表現するのが容易ではない、というまた別の難しさも生じてきます。

そんな次第で自分の文才や表現力のなさを思い知らされたりもしつつ、いまいち筆が進まない、でも書きたいことはないわけじゃないし・・・という中途半端な思いで、この数年を過ごして参りました。

最近になって、ある患者さんのススメでTwitterなるものを恐る恐る始めるようになり、当初は何をつぶやけばいいのか見当もつかなかったのが、少しずつですが「ちょっとした想いや考えをジャンルを問わず気軽に表現する」ことの心地良さが実感できるようになってきました。

でもTwitterは140文字。たいていの「想い」はそれでも十分過ぎるくらいですが、ときには字数など考えずに思いの丈を書き綴りたくなることもありますよね。

そんな風に感じるようになって、やや苦手意識を持っていたブログに対する気持ちも自然と変化しはじめたのでした。

・・・というわけで個人ブログに里帰りとなった次第です。なおブログタイトルは(紛らわしいのですが)このまま「整体日和。」でいきたいと思います。

あらためまして、よろしくお付き合いくだされば嬉しいです(^^)

Twitterまとめ投稿2010/11/21

Twitterまとめ投稿2010/11/19

Twitterまとめ投稿2010/11/17

Twitterまとめ投稿2010/11/16

Twitterまとめ投稿2010/11/15

Twitterまとめ投稿2010/11/13

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