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「品川カオス/あおきまさと」 アルバム『下井草カラス』より
壊れているのは、僕だろうか、社会だろうか、世界だろうか。そんな都会のカオスの中でこれからもさまよい続けていくんだ。 100〜150円(配信ストアによります)
"Shinagawa Chaos" from『Shimoigusa Crow
This music is the Reality of Tokyo.

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品川カオス 19990105  120/+6

どす黒い痰吐き出した
曇天模様の陰り火が
どぶ鼠が騒ぎ出した

どす黒い血を吐き出した
ろくでもない慈悲を分けた
殺し文句浴びせかけた

One, Two, Three, Four
We can not find what you need


この度、「品川カオス」のフルサイズ音源をWeb配信スタートしました。既に曲集『下井草カラス』からは「再見(またな)」「僕はドロ〜ン」「Misery〜失われた旋律〜」を公開しているんですが、『下井草カラス』というコンセプトの中核を成す楽曲「品川カオス」も皆様に聴いて頂こう、と思った次第です。「壊れているのは、僕だろうか、社会だろうか、世界だろうか。そんな都会のカオスの中でこれからもさまよい続けていくんだ。」という二十代前半の僕の呟きは作為的ではなく、実録です。実話だからこそ説得力は増します。

僕は新入社員時代、大井町まで通勤で通っていました。毎晩のように終電で帰っていた頃、足には魚の目ができるし、コンビニ弁当でお腹は膨れているし、電話はひっきりなしになるし、そんな日常において、大井町から品川駅で乗り換える訳ですが、品川駅のホームさえも終電がなくなって真っ暗になった光景はぞっとしたものです。朝は朝で憤った通勤客が多く、夜は夜でどこか廃れている。そんな「るつぼ」。カオスだな〜と感じた訳です。それが「品川カオス」です。

作詞作曲年を見ると19990105とあります。この日は冬休みの最終日だったかと思います。この冬休み、僕はシンガポールとマレーシアへ元彼女に会いに行ったのです。それが望みでもあり、それは彼女にとってもそうだったかと思います。二人して冬休みに会う、ということが希望であり、救いだったのです。彼の地もカオスでした。きっとそれは年越しのゲイ・パーティーに参加したことが大きいかもしれませんし、マレーシアからシンガポールへの国境で止められたり、クアラルンプールの屋台の中華や、そういった一連の過ごしの中で水にあたって、年始からはずっと胃腸に虫を飼っている感覚で熱に汗に脱水症状に、と、そういった状況、状態がカオスでした。彼女との抱擁もどこか遠ざけたくなるくらいの健康状態でした(その時に生まれた作品が「銀色の天使」「Girlish Memorandom」です)。結局そんな状態はシンガポールに帰って無機質な電車に乗る時、さらに空港でお別れする時まで続くのです。あれが彼女との最後だったのだ、と今さら感慨深いものがあります。1月5日は帰国した日だったかもしれませんし、帰国した翌日だったかもしれません。

会社勤めで感じていた品川駅のホームの暗闇や僕の心の中に棲む疲弊感、そしてシンガポール・マレーシアの旅行で受けたカオス(病状)などが混ざり合ってできたのが「品川カオス」なのだと思います。結局、その後2月末までその病状はさらに悪化し帯状疱疹を招いて、体の中に虫がいる感覚も持ち合わせていくことになります。その時に生まれたのが「皆既月食」ならぬ「蛔飢月蝕」です。そういった蝕まれた感覚、それは国で言えば土地の侵略、浸食に値するものなのですが、そんな感覚を集めたのが『下井草カラス』なのです。そして、「品川カオス」という作品はこの『下井草カラス』のテーマといっても差し支えのないのです。2018.58 20:45

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【新入社員の呟き 下半期実録】に登場する「品川カオス」という存在は、連日のストレスで得ることのできた残影である。当時はホームでもまっすぐ歩けず危険な状態であった。

生曲時期の1999年1月5日といえば、ちょうど冬休み中にマレーシアで下って胃腸がおかしくなり、帰国日前後である。きっとうなされながら執念でひねり出した一曲なのかもしれない。

そんな作品とは裏腹にこれも「ゲロを吐く女」同様、初スタジオ独りセッションで解放感に浸った録音物である。ドラムを滅茶苦茶叩いてかなり自己満足であるが、衝動とカオスが入り混じって作品の世界観が伝わってくる。電気醤油わっきーさんが気に入ってくれ、この曲を電気醤油でもカバーしてくれたことがあるらしい。自身の曲をカバーしてくれるということ程、創り手として嬉しいことはない(<=嬉しいってことです)。2012/02/13談